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【速報 ツール・ド・フランス2024】最後の最後まで実力伯仲の2人が争いポガチャルは今大会5勝目/第20ステージ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部脅威の区間5勝目を挙げたタデイ・ポガチャル、Wツール達成まであと一日!
ラインレースはこの日でおしまい、明日の個人タイムトライアルで2024年ツールは締め括られる、タイムトライアルが得意ではない限り区間優勝を狙えるのもこの日が最後。ニースからクイヨール峠まで132.8kmの短期決戦、獲得標高4600m、上る山は4つ。アクチュアルスタートが切られると飛び出したのはヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ)、クリストファー・ユールイェンセン(ジェイコ・アルウラー)、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)ら、集団に吸収されカウンターで飛び出したのはソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックスモビリティ)、入れ違いでマグナス・コルト、ルイ・コスタ(EFエデュケーション・イージーポスト)がすこしタイムギャップをつけることの成功、追走は続々と飛び出している。
2級山岳ブロスに入ると先頭グループは20人を超えているがメイン集団がすぐ後ろにピタリとついていて、山頂手前4.3kmで追いついてしまった。その中から先頭に出てきたのはウィルコ・ケルデルマン(ヴィスマ・リースアバイク)、ブリュノ・アルミライユ(デカトロン・AG2Rラモンディアル)、エンリク・マス(モビスター)の3人、山頂はマスが先頭通過。1級テュリニに入ると先頭3人に対し追走が2グループに増え、メイン集団はタイム差をじわじわと広げている。リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)、ヤン・トラトニク(ヴィスマ・リースアバイク)、マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)、ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)の追走グループは先頭3人に合流。テュリニ山頂と1級コルミアーニ山頂をカラパスが先頭通過し山岳賞ジャージを”最終ステージ完走ししだい”で確定させた。
最終峠の1級クイヨール、残り距離11.5kmでマスがアタック、カラパスがついていき2人で山頂を目指す。メイン集団はスーダル・クイックステップがレムコ・エヴェネプールの総合順位ジャンプアップを狙いペースをあげて2分14秒差にまで詰めている。エヴェネプールがアタック、ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)とタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)はついていく、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が牽引したあとで再びエヴェネプールが仕掛けるもダメージを与えることはできず、ヴィンゲゴーにカウンターを許してしまったエヴェネプールはついていくことはできなかった。
ヴィンゲゴーはポガチャルを後輪にくっつけたまま先行するバルデを追い抜き、この日敢闘賞を獲得したマスもとカラパスにも残り距離2.5kmで追いついた。先頭交代を拒まれながら先頭を牽引するヴィンゲゴー、マスはついていけなくなり、フラムルージュを超えるとカラパスも遅れていった。ラスト500mで初めて先頭交代をしたポガチャルはヴィンゲゴーの加速のタイミングに合わせてアタック、今大会5勝目、ツール区間通算16勝目を挙げ最終日の個人タイムトライアルへ挑む、総合2位のヴィンゲゴーとのタイム差は5分14秒。
区間10位でラストツールの最後のラインレースを終えたバルデは手を振ってフィニッシュ、マイヨ・ヴェールを”最終ステージ完走ししだい”で確定させたビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)はローレンス・レックス、ユーゴ・パージュ、マイク・トゥーニッセンと肩を組んで横並びでフィニッシュ。区間通算35勝と記録を更新したマーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン チーム)もリタイアしていないメンバー全員(アロルド・テハダ、ダヴィデ・バッレリーニ、ケース・ボル)と一緒に滂沱のフィニッシュ、苦しい山岳ステージも完走し最終日をむかえる。
「区間5勝は充分すぎる、区間1勝と総合優勝があれば大成功だと思っていた」ポガチャル、ステージ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第20ステージ|Cycle*2024
ステージ順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 4h 04' 22''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 00' 07''
3 リチャル・カラパス(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 00' 23''
4 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 00' 05''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター)+ 01' 07''
6 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 01' 28''
7 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 01' 33''
8 ミケル・ランダ(スペイン/スーダル・クイックステップ)+ 01' 41''
9 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 01' 43''
10 ロマン・バルデ(フランス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 01' 52''
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 82h 53' 32''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 05' 14''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 08' 04''
4 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 16' 45''
5 ミケル・ランダ(スペイン/スーダル・クイックステップ)+ 17' 25''
6 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 21' 11''
7 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 21' 12''
8 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 24' 26''
9 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)+ 24' 50''
10 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 25' 48''
ポイント賞
1 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア/アンテルマルシェ・ワンティ)387 Pts
2 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)354 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)208 Pts
山岳賞
1 リチャル・カラパス(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)127 Pts
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)97 Pts
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)67 Pts
ヤングライダー賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 83h 01' 36''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 13' 08''
3 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 16' 22''
チーム総合順位
1 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)in 249h 15' 17''
2 ヴィスマ・リースアバイク(オランダ)+ 29' 47''
3 スーダル・クイックステップ(ベルギー)+ 1h 25' 17''
コースマップ
7月21日(日) 第21ステージ
モナコ > ニース
33.7 km(個人タイムトライアル/獲得標高 650 m)
総合上位の顔ぶれが大きく変わる危険性もはらんでいる
特別な年の、特別なセレブレーション。「フィナーレと山を近づけたい」という歴代開催委員長の夢を実現させた町ニースが、史上初めて「パリ以外」で締めくくられるツールの、閉幕を受け入れる。もはや伝統とも言えるパレード走行&大集団スプリントフィニッシュの代わりに、全長33.7kmの個人タイムトライアルで、選手たちは最後の全力疾走を行う。1989年大会最終日のTTでグレッグ・レモンが大逆転優勝を果たしたように……3週間の長い戦いの終わりに、総合上位の顔ぶれが大きく変わる危険性もはらんでいる!
別府&新城の参戦で沸いた2009年大会の、開幕タイムトライアルのスタートラインから、2024年大会最後のステージは切られる。スタート台が設置されるのはモナコのF1グランプリでおなじみオートモービルクラブの前で、ここまで激戦を生き残ってきた勇者たちは、1人ずつ大歓声の中へと走り出していく。
地形図はどこか星の王子さまの「象を丸飲みにしたウワバミの絵」に似ている──今年は著者サンテグジュペリの没後80周年だ──。つまりコース上には2つの小さな起伏が待ち受ける。そしてスタートから3.9km地点でモナコ公国を抜け出す前に、早くも1つ目のラ・テュルビへ上り始める。ヘアピン満載の全長8.1km、平均勾配5.6%の山道を上り切った先には、第1中間計測(残り22.5km地点)と同時に2級の山岳ポイントがが配分される。
コースプロフィール
スピードの出る下りを経て、続いてパリ〜ニースでおなじみエズ峠へ。1.6kmと短いものの、平均勾配は8.7%、頂上までの1kmは10.4%という爆発的な激坂だ。てっぺんで第2中間計測(残り17.1km)を越えたら、後は下りと平地しかない。3月の「太陽へと向かうレース」ではハラハラの駆け引きが繰り広げられるダウンヒルを、この日は誰もが孤独にこなし、残り5kmの第3中間計測を経てついには真夏の地中海岸へ。
プロムナード・デ・ザングレを選手によってはのんびりと、選手によっては猛スピードで往復したら、ニースの中心地マセナ広場へ。ほんの4年前、コロナ禍の真っただ中で、四方を壁に囲まれた中で密かにグランデパールを行ったこの地も、今回こそはきっと鈴なりのファンとともに華やかな大団円を祝うのだろう。
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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