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【速報 ツール・ド・フランス2024】極限状態の一騎打ちはポガチャルが勝利、総合タイム差3分9秒に拡大/第15ステージ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部脅威の速度でプラトー・ド・ベイユを上り今大会3勝目
フランス革命記念日の第15ステージ、ルーダンヴィエルからプラトー・ド・ベイユまで4つの1級山岳と1つの超級山岳を上る197.7km、晴天に恵まれたピレネー2連戦、総合争いのゆくえを方向付ける。パレードランから上り始めアクチュアルスタートが切られると最初に飛び出したのはフランク・ファンデンブルーク(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)、フランスチャンピオンジャージ着用のポール・ラペラ(デカトロン・AG2Rラモンディアル)も先頭でやる気をみなぎらせている、集団後方ではアルノー・デマール(アルケア・B&Bホテルズ)やマーク・カヴェンディッシュ(アスタナカザクスタン チーム)らスプリンターが早々に遅れている。
1級ペイルスルドはダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が先頭通過、ロマン・バルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)も仕掛けたが3番目通過だった。21人の先頭グループにはマイヨ・ヴェール着用のビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)やマイケル・マシューズ(ジェイコ・アルウラー)らスプリンターも含まれ、37km地点に設置された中間スプリントポイントを目指す。ギルマイは斜行を取られ3位通過に降格、15ポイントの加算となった。
1級マンテを上る17人の先頭グループには区間優勝を狙う山岳巧者たちが顔を揃える、サイモン・イェーツ(ジェイコ・アルウラー)、ジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、ギヨーム・マルタン(コフィディス)、エンリク・マス(モビスター)、ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ)、1分後方のリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)も飛び出しブリッジをかける。山頂先頭通過はハビエル・ロモ(モビスター)、連続する1級ポルテ・ダスペはトビアス・ヨハンネセン(ウノエックスモビリティ)。
約50kmの平坦区間を15人の先頭グループが後続に3分半のタイム差をつけて1級アニェスへ。先頭グループは ローレンス・デプルス(イネオス・グレナディアーズ)、ヒンドレー、マッテオ・ソブレロ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、マスの5人に減り、デプルスが山頂を先頭通過。ヒーリーがカラパスを押し上げ、先頭グループに合流することに成功、下りでは遅れたヨハンネセンも戻ってきた、2分35秒のタイムマージンを持って最終峠超級プラトー・ド・ベイユへ。
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第15ステージ|Cycle*2024
メイン集団はヴィスマ・リースアバイクの牽引でレースを展開、残り距離10.5kmでマッテオ・ヨルゲンソンの牽引が終わるとヨナス・ヴィンゲゴーがペースを上げる、ついていくのはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)。レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)はマイペース走法で追いかける。一撃で先頭グループに追いつくと抜き去りヴィンゲゴーはハイペースで上り続ける、ポガチャルはついていく。
山頂まで5.4km、ヴィンゲゴーが後ろを確認するとポガチャルがアタック、ヴィンゲゴーはついていくことはできなかった。とはいえ力尽きたわけではなくペダルを漕ぎ続ける、極限状態の中ポガチャルは飛ばし、ヴィンゲゴーもハイペースで上り、エヴェネプールも確実に進んでいく。ポガチャルはティボー・ピノのKOM45分08秒を5分半更新、登坂タイム39分44秒で今大会3勝目。休息日前にマイヨ・ジョーヌをさらに手繰り寄せた。ヴィンゲゴーは1分8秒後、エヴェネプールは2分51秒後にフィニッシュ。
「こんな結果になるとは思っていなかった、すごくハッピー、残り6日間を集中し続けるだけ」ポガチャル、ステージ勝利後インタビュー
ステージ順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 5h 13' 55''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 01' 08''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 02' 51''
4 ミケル・ランダ(スペイン/スーダル・クイックステップ)+ 03' 54''
5 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 04' 43''
6 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 04' 56''
7 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 05' 08''
8 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ),,
9 リチャル・カラパス(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 05' 41''
10 フェリックス・ガル(オーストリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 05' 57''
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 61h 56' 24''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 03' 09''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 05' 19''
4 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 10' 54''
5 ミケル・ランダ(スペイン/スーダル・クイックステップ)+ 11' 21''
6 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 11' 27''
7 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 13' 38''
8 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 15' 48''
9 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)+ 16' 12''
10 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 16' 32''
ポイント賞
1 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア/アンテルマルシェ・ワンティ)363 Pts
2 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)277 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)147 Pts
山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)77 Pts
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)58 Pts
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)42 Pts
ヤングライダー賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 62h 01' 43''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 06' 08''
3 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 11' 13''
チーム総合順位
1 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)in 186h 12' 00''
2 ヴィスマ・リースアバイク(オランダ)+ 55' 03''
3 スーダル・クイックステップ(ベルギー)+ 58' 59''
リタイア
177 ヘルベン・テイッセン(ベルギー/アンテルマルシェ・ワンティ)
188 ブラム・ウェルテン(オランダ/フィルメニッヒ・ポストNL)
コースマップ
7月16日(火) 第16ステージ
グリュイサン > ニーム
188.6 km(平坦/獲得標高 1200 m)
ミストラルが吹き荒れたら集団はあっという間に散り散りに
今ツールは休息日明けのプロトンを決して甘やかさない。2回とも地形は平凡・平坦ながら、2回とも凄まじい強風で知られる地域を走る。特にステージの終わりにミストラルが吹き荒れたら、集団はあっという間に散り散りになってしまう危険性も。
2週目の終わりにピレネーを抜け出したプロトンは、海浜客でにぎわうグリュイサンから、アルプスの方角へと走り始める。いわゆる「移動ステージ」で、コース半ば過ぎに緩やかな4級山岳が登場する以外は、地形的に警戒すべきことはほとんどない。なにも問題が起こらなければ、大集団スプリントへ向かって、スプリンターチームが隊列を走らせるのだろう。しかも3週目の初日が、早くも、正真正銘「ピュア」スプリンターにとっては最後のチャンス。シャンゼリゼで終わらない今大会、この日を逃せば、もはや永遠に勝機は訪れない。
果たしてスプリンターの目論見を邪魔し、身体の軽い総合エースたちを吹っ飛ばす風が吹き付けるだろうか。この地域でフィニッシュした2009年第3ステージは、風分断で生き残れたのは30人弱だった。第2集団には40秒もの差をつけた。2016年第11ステージは、サガンとボドナル、そしてフルームとトーマスの4人だけが強風に逆らい前に飛び出した。
フィニッシュ地のニームは、カヴェンディッシュがツール区間4勝目を挙げた想い出の地ではあるけれど、2021年第12ステージのフィナーレを迎え入れた時は、スタート時間の変更を余儀なくされるほど強風の中でのレースだった。やはりスプリントフィニッシュが予想されていながら、蓋を開けてみれば、ニルス・ポリッツの独走逃げ切り勝利だった。
コースプロフィール
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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