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【速報 ツール・ド・フランス2024】ピレネー山頂フィニッシュ第1戦はポガチャルに軍配/第14ステージ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部みごとなチームワークでライバルたちに差をつけたポガチャル
ポーからサン=ラリー=スーラン プラ・ダデまで151.9kmの山岳ステージは獲得標高4000mを超えるピレネー2連戦の初日。ファーストアタックはこの日もヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)、ブライアン・コカール(コフィディス)やマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)、アルノー・ドゥリー(ロット・デスティニー)らも積極的にプッシュしている。吸収と抜け出しをくり返しながらオイエル・ラスカノ(モビスター)、セドリック・ブーレンス(ロット・デスティニー)、ケヴィン・ヴォークラン、ラウル・ガルシア(ともにアルケア・B&Bホテルズ)、
(ウノエックスモビリティ)が追いつき8人の先頭グループが形成された。
超級トゥルマレの手前にある中間スプリントポイントを目指してヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)が動き出しビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)もついていくが、30秒先行する8人のグループには追いつけなかった。コカールが中間スプリントポイント先頭通過、ギルマイが追走の中での先頭でフィリプセンはその後ろ。中間ポイント狙いの選手たちはここでペダルを緩め、先頭グループはメイン集団に3分50秒のタイム差をつけて超級トゥルマレに突入。
20人ほどいた先頭グループは11人にまで減り、メイン集団からはワウト・ファンアールト、クリストフ・ラポルト(ともにヴィスマ・リースアバイク)、レニー・マルティネス(
)、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)、山岳賞ジャージを繰り下げ着用していたヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ)が遅れていった。山頂先頭通過をしたラスカノはジャック・ゴデ記念賞も獲得。速度の出るダウンヒルを無事にこなし2級ウルケット・ダンシザンに入ると先頭グループからやブリュノ・アルミライユ(デカトロン・AG2Rラモンディアル)、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナカザクスタン チーム)、ショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ始めた。
ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)、ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ)、ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)、ラスカノのグループが先行しゴデュが山頂を先頭通過、5人で下り平坦区間をやり過ごし最終峠超級サン=ラリー=スーラン プラ・ダデへ、メイン集団とのタイム差は1分20秒。ヒーリーが急勾配区間でペースを上げゴデュがついていく。
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第14ステージ|Cycle*2024
メイン集団は1分後方まで迫り山頂まで残り距離7.2kmでアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)がアタック、一気に先行するヒーリーのところまでジャンプアップ、マイヨ・ジョーヌ着用のタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)も残り距離4.6kmで単身抜け出した。ヨナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)、レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)、カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)たちは一定ペースで追っていく。先行していたアダムに合流したポガチャルは2人でライバルたちへ差をつける、ラスト4kmは単独先頭でペダルを踏み続けヴィンゲゴーに39秒の差をつけて今大会2勝目、区間通算13勝目。エヴェネプールは1分10秒遅れのため、総合順位はヴィンゲゴーと入れ替わっている。
「アダムのアタックのおかげで直感的に動くことができた、自分は本能でレースをするのが好きなんだ」ポガチャル、ステージ勝利後インタビュー
ステージ順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 4h 01' 51''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 00' 39''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 01' 10''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 19''
5 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 01' 23''
6 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
7 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ),,
8 フェリックス・ガル(オーストリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 01' 26''
9 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 01' 29''
10 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック),,
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 56h 42' 39''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)+ 01' 57''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 02' 22''
4 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 06' 01''
5 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 06' 09''
6 ミケル・ランダ(スペイン/スーダル・クイックステップ)+ 07' 17''
7 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 08' 32''
8 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 09' 09''
9 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)+ 09' 33''
10 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 10' 35''
ポイント賞
1 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア/アンテルマルシェ・ワンティ)353 Pts
2 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)277 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)147 Pts
山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)56 Pts
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク)43 Pts
3 ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー/ウノエックスモビリティ)36 Pts
ヤングライダー賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 56h 45' 01''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 34''
3 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク)+ 08' 13''
チーム総合順位
1 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)in 170h 20' 36''
2 スーダル・クイックステップ(ベルギー)+ 31' 41''
3 ヴィスマ・リースアバイク(オランダ)+ 32' 08''
リタイア
162 アモリ・カピオット(ベルギー/アルケア・B&Bホテルズ)
78 ルイス・フェルヴァーケ(ベルギー/スーダル・クイックステップ)
112 アルベルト・ベッティオル(イタリア/EFエデュケーション・イージーポスト)
36 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)
133 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ/イスラエル・プレミアテック)
コースマップ
7月14日(日) 第15ステージ
ルーダンヴィエル > プラトー・ド・ベイユ
197.7 km(山岳/獲得標高 4800 m)
走行距離200km超え・獲得標高大会最多の4800m・5つの難関峠
2日連続のピレネー超級山頂フィニッシュ。今大会の難関山岳ステージはいずれも短距離決戦ばかりだが、この日だけが例外的に、パレード区間を含めて走行距離は200kmを超える。獲得標高は大会最多の4800mに達し、行く手には5つの難関峠。2回目の休息日の前夜に、マイヨ・ジョーヌの行方が決定的となるかもしれない。
まずはステージ序盤の70kmに、3つの1級峠がぎゅうぎゅうに詰め込まれた。しかもスタートと同時に、いきなり1級ペイルスルドへと上り始める。脚自慢たちはこぞって飛び出していくはずだし、スプリンターたちは大急ぎでグルペットを作らねばならない。下り切った先でほんの20kmほど谷間を走った後は、1級マンテ(平均勾配9.1%)、1級ポルテ・ダスペ(9.6%)の激勾配2連続登坂も待ち受ける。
真ん中には50km近い渓谷の平地が挟み込まれた。「18の渓谷の交差点」で観光キャンペーン中の一帯だが、凄まじい勢いで隊列を走らせる総合エースたちに、自然豊かな風景を楽しんでいる暇などないだろう。そしてラスト70kmで再び山の戦いへ。
実は終盤70kmは、2011年大会第14ステージと同じ道を進む。革命記念日にこのコースが描かれたのは、決して偶然ではなさそうだ。なにしろ15年前にはフランス人トマ・ヴォクレールがマイヨ・ジョーヌを着ていて、ピレネーでジャージを失うに違いないと予想されていたにも関わらず……勇敢に守り抜いたのだ!つまりは1級アニェスと、まるで双子のようなポール・ド・レルスの2連続登坂を経て、超級プラトー・ド・ベイユへ。全長15.8km、平均勾配7.9%、最大12%超の山道は、1998年のツール初登場から4回連続で区間勝者=最終総合覇者だったことも忘れてはならない。
コースプロフィール
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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