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【速報 ツール・ド・フランス2024】ギルマイがツール区間初優勝で歴史的快挙!カラパスがマイヨ・ジョーヌ獲得/第3ステージ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部歴史的勝利を挙げたギルマイ
今大会最長距離の230.8km平坦ステージ、0km地点を過ぎてもアタックはかからずサイクリング的な雰囲気が漂っている、最初の1時間の平均時速は平均時速37.3km/h。ポイント賞ジャージ着用のヨナス・アブラハムセン、クリスティアン・クルセット(ともにウノエックスモビリティ)の2人が飛び出し5kmほど走行したものの脚を止めて集団に戻ることを決めた。
山岳ポイントはアブラハムセンが中間スプリントポイントはマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)が先頭通過、2つ目の4級山岳は地元のマッテオ・ソブレロ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が先頭通過、しばらく独走を楽しんだあと集団に戻った。ファビアン・グルリエ(トタルエネルジー)が単独で抜け出し残り距離28.7kmで吸収されたがこの日敢闘賞を獲得。
プロトンはスプリントに備えて隊列を組んで位置取り争いを始め、横から吹きつける風を警戒しながら立て続けに登場するラウンドアバウトをこなし、残り距離を減らしていく。残り距離13.3kmでカスパー・ピーダスン(スーダル・クイックステップ)が落車、救済措置が適応される5kmより手前のラウンドアバウトでブリュノ・アルミライユ(デカトロン・AG2Rラモンディアル)が落車、その直後にはバイク交換で停止するマチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が映しだされた。
総合勢が集団の最前線から姿を消した残り距離2.3kmで大規模落車が発生、足止めされなかった30人程度の集団が隊列を組んで最後の90度カーブ×2へとなだれ込み、アンテルマルシェ・ワンティ隊列が先頭で最後の直線へ。オリヴェル・ナーセン(デカトロン・AG2Rラモンディアル)のペースアップのあとでピーダスンがスプリントを開始、フェルナンド・ガビリア(モビスター)が横に並び反対側からはビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ)が並び、そのまま伸びて区間初優勝を飾った。
2022年ジロ・デ・イタリア第10ステージに続くグランツールでの区間優勝。アフリカ大陸出身の黒人選手として初のツール・ド・フランス区間優勝者となり歴史の1ページを刻んだ。また2017年にワイルドカードでツール・ド・フランス初出場したアンテルマルシェ・ワンティの記念すべき第一歩となる1勝目でもあった。
同タイムで14位フィニッシュをしたリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)はエクアドル人初のマイヨ・ジョーヌ獲得。
「サイクリングを始めた時からツール・ド・フランス出場は夢ですら遠くて、勝利できたことが信じられない、家族、妻、アフリカのみんなに感謝したい」ギルマイ、ステージ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第3ステージ|Cycle*2024
ステージ順位
1 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア/アンテルマルシェ・ワンティ)in 5h 26' 48''
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/モビスター),,
3 アルノー・ドゥリー(ベルギー/ロット・デスティニー),,
4 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック),,
5 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ/ジェイコ・アルウラー),,
6 フィル・バウハウス(ドイツ/バーレーン・ヴィクトリアス),,
7 ファビオ・ヤコブセン(オランダ/dsmフィルメニッヒ・ポストNL),,
8 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア/アスタナカザクスタン),,
9 サム・ベネット(アイルランド/デカトロン・AG2Rラモンディアル),,
10 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス),,
個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)in 15h 20' 18''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ),,
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ),,
4 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ヴィスマ・リースアバイク),,
5 ロマン・バルデ(フランス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 00' 06''
6 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 21''
7 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス),,
8 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ),,
9 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ),,
10 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ),,
ポイント賞
1 ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー/ウノエックスモビリティ)76 Pts
2 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア/アンテルマルシェ・ワンティ)66 Pts
3 ケヴィン・ヴォークラン(フランス/アルケア・B&Bホテルズ)60 Pts
山岳賞
1 ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー/ウノエックスモビリティ)24 Pts
2 ヴァランタン・マドゥアス(フランス/グルパマ・FDJ)11 Pts
3 フランク・ファンデンブルーク(オランダ/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)9 Pts
ヤングライダー賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 15h 20' 18''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 21''
3 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/ヴィスマ・リースアバイク),,
チーム総合順位
1 モビスター(スペイン)in 46h 01' 06''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 00' 30''
3 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 00' 51''
コースマップ
7月2日(火) 第4ステージ
ピネローロ > ヴァロワール
139.6 km(山岳/獲得標高 3600 m)
イタリアに別れを告げアルプスを越えてフランスへ
フランス人が「アルプスの向こう側」と呼ぶ国イタリアに別れを告げ、大会の母国フランスへ。つまりはアルプス越えと、今大会初の難関山岳ステージを意味する。しかも、「大会史上これほどの高い標高が、これほど早い段階で登場したことがない」と開催委員長プリュドム氏が誇らしく宣言するように、いきなり標高2642mまでよじ登らねばならない。
1949年のジロで「カンピオニッシモ」ファウスト・コッピが192kmもの長い独走勝利を決め、マリア・ローザを勝ち取った町ピネローロから、全長139.6kmと極めて短いステージは幕を開ける。まずは75年前の伝説のステージを逆走する形で、2級セストリエール(伊語セストリエーレ)と2級モンジュネーヴル(伊語モンジネーヴロ)とを乗り越える。それにしてもセストリエールの山道は、気が遠くなるほど長い。公式には39.9kmで……実質はスタートから50kmは登りっぱなし。平均勾配は3.7%と緩めだが、ラスト6kmは延々6%前後ときつくなる。
もちろんこの日の主役は、伝統の巨大峠ガリビエ。1911年に初めてツールのプロトンが上ってから、今大会でなんと64回目の登場となる。山頂先頭通過者には、初代委員長の名を冠した「アンリ・デグランジュ賞」(賞金5000ユーロ)が与えられることでもおなじみ。マイヨ・ジョーヌが欲しい選手にとっては、上位3名に配分されるボーナスポイント(8秒、5秒、2秒)のほうが大切だろう。
コースプロフィール
ガリビエの山道もまた、全長23kmと恐ろしく長い。テレグラフ経由の逆側と比べれば「簡単な方」と呼ばれ、平均勾配自体も5.1%と低め。ただ標高2642mの高みまで上り詰める作業は、決して簡単なわけがない。壮大な谷間を貫く登坂路は、強い風の通り道でもある。ちなみに、2011年大会の、やはりピネローロ発の第18ステージ、同じ登坂路でアンディ・シュレクが60kmもの大アタックを成功させている。
いつも通り、ガリビエのてっぺんで戦いは終わらない。難しい側(平均勾配マイナス7.4%、最大12%)の、ヘアピンカーブ満載の下りを経て、18.9km先のヴァロワールで、熾烈なステージは締めくくられる。
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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