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サイクル ロードレース コラム 2024年5月20日

【速報 ジロ・デ・イタリア2024】クイーンステージでポガチャル区間4勝目、総合タイム差は6分41秒/第15ステージ

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ジロ・デ・イタリア 第15ステージ

クイーンステージ完全勝利のタデイ・ポガチャル

走行距離は今大会最長の222km、獲得標高も今大会最多の5400m、クイーンステージにふさわしく難易度は五つ星。パレードランのあと0km地点で一度停止しオフィシャルスタートが切られた。ローレンス・ピシー、ルイス・アスキー(ともにグルパマ・FDJ)、ダヴィデ・バイス(ポルティ・コメタ)、ハリソン・ウッド(コフィディス)、カレブ・ユアン(ジェイコ・アルウラー)などがファーストアタック、集団からは続々と選手が飛び出している。12人の先頭グループ、逃げに乗り損ねたマリア・アッズーラ着用のシモン・ゲシュケ(コフィディス)を含む10人の追走グループが形成されメイン集団はすぐに3分程度のタイム差を与えた。

3級山岳はピシーが、2級山岳はクリスティアン・スカローニ(アスタナカザクスタン)が先頭通過。下りで先頭グループに追いつき全体で60人程度が先行する形となった。メイン集団はUAEチームエミレーツの牽引で4分後方に位置する。トビアス・バイヤー(アルペシン・ドゥクーニンク)ら6人が抜け出し再び先頭グループを形成、ダヴィデ・バッレリーニ(アスタナカザクスタン)が先頭で中間スプリントポイントを通過、カーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)も逃げてポイント獲得を目指したものの8番通過で1ポイントのみの獲得となった。

先頭4人で上り始めたモルティローロはスカローニとジュリオ・ペリツァーリ(VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ)以外は遅れ、メイン集団とのタイム差は5分まで開いている。山頂はスカローニが先頭通過、下りで遅れていたメンバーが戻り再び20人近いグループとなった。1級山岳パッソ・ディ・フォスカーニョにある中間スプリントポイントはアッティラ・ヴァルテル(ヴィスマ・リースアバイク)、インテルジロはダヴィデ・ピガンゾーリ(ポルティ・コメタ)が先頭通過。残り距離22.3kmでゲオルグ・シュタインハウザー(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタック、後続を引き離し独走態勢へ。

ヴァルテルが飛び出し、マイケル・ストーラー(チューダープロサイクリングチーム)とナイロ・キンタナ(モビスター)も続き30秒先行するシュタインハウザーを追いかける。残り距離13.9kmでラファウ・マイカの牽引から飛び出したタデイ・ポガチャル(ともにUAEチームエミレーツ)が加速、総合上位陣を一気に突き放す。ダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)がついていこうとしたものの、200m追いかけたところでマイペース走法に切り替えた。

ポガチャルは淡々とペダルを踏み続け3分2秒先行していたシュタインハウザーを4.9kmの走行で追い抜き、残る1人のキンタナを山頂手前1.9kmで抜き去った。まだまだペダルは軽く最大勾配19%の難所もこなし、キンタナに対し29秒のタイム差で独走フィニッシュ。マリア・ローザ着用は14日目、区間4勝目で厳しいタッポーネを完全制圧。山岳賞では2位のゲシュケに94ポイントの差をつけ、総合2位のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)に対し6分41秒とタイム差をさらにひろげた。

「今日は僕のキャリアの中でも最高の1日、いいルートといい上り、とてもいいステージでチームの働きも素晴らしかった。イタリアで最も好きな場所のひとつであるリヴィーニョでクイーンステージを勝ててとても嬉しい」ポガチャル、ステージ勝利後インタビュー

J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル

【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第15ステージ|Cycle*2024

ステージ順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 6h 11' 43''
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア/モビスター)+ 00' 29''
3 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 02' 32''
4 ロマン・バルデ(フランス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 02' 47''
5 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 50''
6 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
7 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター)+ 02' 58''
8 ベン・オコーナー(オーストラリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル),,
9 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 05''
10 ヤン・ヒルト(チェコ/スーダル・クイックステップ)+ 03' 20''

個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 56h 11' 42''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 06' 41''
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 06' 56''
4 ベン・オコーナー(オーストラリア/デカトロン・AG2Rラモンディアル)+ 07' 43''
5 アントニオ・ティベーリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 09' 26''
6 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 09' 45''
7 ロマン・バルデ(フランス/dsmフィルメニッヒ・ポストNL)+ 10' 49''
8 フィリッポ・ザナ(イタリア/ジェイコ・アルウラー)+ 11' 11''
9 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター)+ 12' 13''
10 ヤン・ヒルト(チェコ/スーダル・クイックステップ)+ 13' 11''

ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/リドル・トレック)284 Pts
2 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)175 Pts
3 ティム・メルリール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)93 Pts

山岳賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)172 Pts
2 シモン・ゲシュケ(ドイツ/コフィディス)78 Pts
3 ヴァランタン・パレパントル(フランス/デカトロン・AG2Rラモンディアル)65 Pts

ヤングライダー賞
1 アントニオ・ティベーリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)in 56h 21' 08''
2 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 19''
3 フィリッポ・ザナ(イタリア/ジェイコ・アルウラー)+ 01' 45''

チーム総合順位
1 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)in 169h 15' 59''
2 デカトロン・AG2Rラモンディアル(フランス)+ 00' 14''
3 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 27' 40''

リタイア
84 クレモン・ダヴィ(フランス/グルパマ・FDJ)
36 ワジム・プロンスキー(カザフスタン/アスタナカザクスタン)

コースマップ

コースマップ

5月21日(火) 第15ステージ
リヴィーニョ>サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナ
206 km(山岳 ★★★★☆/獲得標高 4150 m)
今大会最高標高2489m地点・ジョーゴ・ディ・サンタ・マリア

2回目の休息日を終え、ローマ到着まで残すは6日間。2024年ジロのマリア・ローザ争いはクライマックスを迎え、2日連続の難関山頂フィニッシュで、山岳賞の青いジャージを巡る戦いもいよいよラストスパートに入る。

高地合宿のメッカ、リヴィーニョで静養したプロトンは、スタート直後にさらなる高地を目指す。まずは2日前に勝負を争った2つの峠を逆走し、標高2000mを2度越える。一旦そこから山を下りたら、改めて大きな上りへアタック。それこそパッソ・デッロ・ステルヴィオであり、19.6kmも上り続けた果てに今大会最高標高2758m地点、いわゆる「チーマ・コッピ」に到達する。

標高との戦いはステージ前半4分の1で終了し、続けて気が遠くなるほど長いダウンヒルとの戦いに切り替わる。25kmの急降下に、その先70kmも続く緩やかな下り基調。つまり全長202kmのコースの、約半分近くは下っていることになる。

もちろん獲得標高4350mは伊達ではない。ラスト50kmで道は再び上りに転じる。ジロの伝統的な勝負地ドロミテ山塊に分け入り、ピュアクライマーたちが、まるで水を得た魚のように活気付く。

1級山岳パッソ・ディ・ピネイの山道は、今大会最長の23.3kmを誇る。平均勾配が4.7%と抑えめな訳は、中盤になだらかな道が続くから。序盤7.5kmと終盤6kmだけを見れば、平均勾配は7%を超える。そこからわずか5kmほどの短い下りを経て、最後は2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナへ。なんともドロミテらしい、尖った巨石をはるか山頂に掲げ持つ山は、上り距離こそ6.5kmを短く、平均勾配もやはり6.1%と平凡だが、終盤2km……つまりフィニッシュ手前2kmだけを見れば11.8%の壁なのだ!

※ステルヴィオ峠は雪崩の恐れがあるため回避、ステージの長さは206kmに変更、チーマ・コッピ峠は、現在では標高2489メートルのジョーゴ・ディ・サンタ・マリア峠/ウンブレイル峠へ変更となりました。

コースプロフィール

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ステージ詳細テキスト:宮本あさか

J SPORTS編集部

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