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サイクル ロードレース コラム 2024年4月6日

【Cycle*2024 パリ〜ルーベ:プレビュー】あまりにも厳しくあまりに特殊な北の地獄から、先頭で生還する豪傑は誰だ!?

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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パリ〜ルーベ

制御不可能な落車と、無慈悲に襲いかかってくるメカトラ

カルフール・ド・ラルブル前半は、まるで歯の欠けた櫛のような凸凹石畳の連続だ。一方で左に直角に折れ、セクター後半に入ると、比較的状態のいい直線路が選手たちに加速を促す。マチュー・ファンデルプールが一気に畳み掛け、そのまま初優勝へ向かって15kmの独走に乗り出したのは記憶に新しい。

ただし、パリ〜ルーベの戦いは、フィニッシュラインにたどり着くまで終わらない。そもそも過去10大会のうち、実に7回が、ルーベ自転車競技場まで戦いはもつれ込んでいる。今年もぎりぎりまで勝敗の行方が定まらない場合……残り1周を意味する鐘の音と共に、セメントのバンクは決闘場と化すのだろう。

気になる優勝大本命には、断然、マチュー・ファンデルプールの名が挙げられる。1週間前のロンド・ファン・フラーンデレンを45kmの独走でもぎ取ったばかりの現役世界王者には、2008年・2009年トム・ボーネン以来となる2連覇はもちろん、2013年にファビアン・カンチェラーラが成し遂げて以来のロンド&ルーベ同一年制覇も期待される。またミラノ〜サンレモとロンドを立て続けに手にした所属チームのアルペシン・ドゥクーニンクにとっては、3連続モニュメント制覇の偉業もかかる。今季のサンレモ王者ヤスペル・フィリプセンもまた、昨ルーベ2位として、今大会の優勝候補の一人だ。

昨大会は4位に甘んじたマッズ・ピーダスンは、絶好調だったこの春を、最高の形で終えたいと願う。パリ〜ルーベこそ「一番脚質に適したモニュメント」であり、「一番勝ちたいモニュメント」。ヘント〜ウェヴェルヘムではファンデルプールを一騎打ちで蹴散らし、自信はある。一方でこの3月に石畳レースで2度落車し、シュテファン・キュングは少々自信消失気味なのだとか。だからこそ泥んこ大戦に向けて、メカの微調整に余念がないとのこと。

フランドルでは3位から5位までを独占したUAEチーム・エミレーツは、かつてのルーベ2位ニルス・ポリッツを筆頭に、またも大暴れするか。2015年覇者ジョン・デゲンコルプは、落車に泣いた1年前のリベンジを誓い、2022年に独走勝利をさらったディラン・ファンバーレは、クリストフ・ラポルトと力を合わせ、ワウト・ファンアールト不在のヴィスマ・リースアバイクに悲願の石畳モニュメント勝利をもたらしたい。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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