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サイクル ロードレース コラム 2024年4月6日

【Cycle*2024 パリ〜ルーベ:プレビュー】あまりにも厳しくあまりに特殊な北の地獄から、先頭で生還する豪傑は誰だ!?

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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パリ〜ルーベ

鬱蒼とした森の中に引かれた2.3kmの完全なる直線、トゥルエ・ダランベール

残り95km、10番目の石畳=第19セクター、伝説のトゥルエ・ダランベールへと足を踏み入れる。それは鬱蒼とした森の中に引かれた、2.3kmの完全なる直線。往年の炭鉱を地下に隠し持つ一本道へは、下り基調の道を経るせいで、しばし時速60km超の猛スピードでプロトンは突っ込んでゆく。

石畳の状態は恐ろしく悪く、森の下草はいつだって湿っている。両脇に設置されたフェンスのせいで、道幅は急激に狭まり、左右に逃げ場はない。当然ながら落車やメカトラの多発地帯としても知られ、しかも大抵は、待てど暮せど助けは来ない。多くのチャンピオンたちがこの地で絶望を味わってきた。

だからこそ今年、CPAプロ自転車選手組合の要請に基づき、アランベール突入直前に急造の「シケイン」が設けられた。レース委員長ティエリー・グヴヌー氏によれば「小さな迂回を加えることで、突入スピードは時速30〜35kmまで下がるはず」とのこと。今後は永続的な減速手段を模索する予定だそうだが、果たしてプロトンがおとなしく徐行した結果、物語の筋書きに変化は生まれるだろうか!?

走行距離がいよいよ210kmを超え、フィニシュまで50kmを切った頃、選手たちは第11セクターのモンス・アン・ペヴェルに対峙する。吹きさらしの野っぱらの道は、全長3kmと長く、半ばには2つの直角が待ち受ける。しかもこのカーブにはしばし泥のぬかるみが出現し、選手の足を大いに引っ張るのだ。

ちなみに毎春大会前に石畳の修復を請け負う「パリ〜ルーベ友の会」の、昨夏急逝した会長フランソワ・ドゥルシエ氏の一番のお気に入りパヴェが、このモンス・アン・ペヴェルだった。今大会前、同セクターには氏の貢献をたたえる記念碑が設置され、選手たちの熱戦を沿道から見守っている。

激戦のクライマックスは、ラスト17km、第4セクターのカルフール・ド・ラルブルで訪れる。勝負が動く瞬間を生で見ようと、ファンたちも大挙して押し寄せる。辺り一帯にはクレイジーなダンスミュージックが鳴り響き、全長2.1kmの石畳は、バーベキューの匂いで充満する。

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