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1月16日開幕のツアー・ダウンアンダーを皮切りに、J SPORTSでの2024年サイクルロードレース中継が本格スタートした。2月にはUAEツアーなど中東エリアでレースが目白押し。そして3月は2日からストラーデ・ビアンケ、3日からパリ~ニース(全8戦)と、ヨーロッパ圏での大会が幕を開ける。ファンの皆さんは本番に向けて肩を温めはじめる時期だろうか……いや野球じゃないから、サドルの位置を決め始めるとか、ペダルに注油するとか? まぁ、とにかく中継が楽しみということだ!
さて、海外のサイクルロードレースは、時差の関係でとても視聴しやすいというのが前回のお話。そしてもう1つ、中継時間の長さも大きな特徴だ。
毎レースとも2時間超えは当たり前。そしてツール・ド・フランスでは、毎日4時間の中継が3週間続く。ワンデーレース最高峰の世界選手権だと競技時間が6時間だ。もちろん、単純にテレビの前に座りっぱなしで見るのも悪くはないが、ちょっとの工夫を加えれば、長時間の中継がさらに楽しく、そして快適になる。
そこで今回は、マルチデバイス対応動画配信サービス「J SPORTSオンデマンド」の鑑賞にあたって、筆者が日々実践している視聴スタイルを2つご紹介したいと思う。直接的にマネする必要はないが、「自分だったらこうする!」と考えるキッカケになれば幸いだ。
●旅先のホテルにFire TVを持ち込む
絶対に見たいレースが中継される当日、出張であったり、あるいは観光旅行でホテルに泊まるとなった時、皆さんはどうするだろうか? 恐らくは、スマホで「J SPORTSオンデマンド」アプリを立ち上げて中継を視聴することになるだろう。
筆者が旅行先へよく持っていく「Fire TV 4K Stick Max(第1世代)」。本体(下段中央)のほか、リモコン、HDMI延長アダプター、USB電源アダプター、Micro USB電源ケーブル、この5点があれば、とりあえずホテルのテレビに繋いで「J SPORTSオンデマンド」を楽しめる。
筆者の場合、出張ならば必ずノートPCを持参するので、J SPORTSオンデマンドのWebサイトで視聴する事が多い。画面の角度が調整しやすく、これなら3時間超えのレースだって安心だ。ただ画面サイズは13インチ程度。自宅の40インチ級テレビと比べれば、どうしても迫力は劣る。
そこで最近は、テレビ接続用のストリーミングデバイスを旅行先に持ち運ぶようになった。具体的には、J SPORTSオンデマンド対応のFire TV本体とそのリモコン、電源ケーブル類を旅先へ持参してしまうのだ。
ホテルの部屋にはまず確実にテレビがある。10年前はともかく、2024年の今ならFire TVを接続するためのHDMI(端子)も、ほぼ間違いなくテレビに備わっている。そしてWi-Fiも、ビジネルホテルならば100%近い確率で利用が可能。であれば、Fire TVをホテルでも利用できてしまう……という訳だ。
Fire TVは、機種によってはかなりコンパクトなので、持ち運びはそこまで苦にならない。筆者「Fire TV 4K Stick Max(第1世代)」を使っているが、形は文字通りスティック状。重さも本体とリモコンの合計でも115gほど(電池込みの実測値)だ。
また動作用の電源ケーブルは、汎用のMicro USBケーブルだ。スマホやデジタルカメラの充電用アダプター類が高確率で使い回せるので、実質的な荷物量をさらに減らせるのも嬉しい。ちなみに、Fire TVに限らず、Chromecast with Google TVでも同様の使い勝手が得られるだろう。
注意点は、電源コンセントの位置だ。比較的新しいホテルだとテレビが壁掛け式になっていたりして、Fire TV用にコンセントから電源をとりたくても、ケーブルが物理的に届かなかったりする。不安なら、テーブルタップを一緒に持ち歩くのがオススメだ。それと、ホテルのWi-Fiに繋ぐには、パスワードなどを再設定する手間がかかることも覚えておいてほしい。
余談ながら、テーブルタップは旅行グッズとして単純に便利だ。キャリーケースの隙間に忍び込ませておくと、色々重宝するはず(例えば備え付け加湿器の配置場所を変えたりできる)。
テレビの大きさはホテルによっても違うが、やはり20インチ台のものであってもスマホと比べて迫力は段違い。ホテルという非日常空間で、大好きなサイクルロードレースを楽しむ───。なかなか異質な体験なので、一度お試しあれ。
●防水スピーカーがあれば風呂で実況音声を聞ける
筆者のサイクルロードレース観戦歴は20年になるが、長年悩んでいたのが「入浴時にどうやって中継を楽しむか」だった。中継真っ最中の22時頃となれば、やはり翌日の仕事に備えて風呂に入りたい。それほどレースが活発化していないときにササッと入浴するのが無難だが、そういう時に限ってレース内で大クラッシュが発生し、順位が大きく変動することが過去に数度あった。やはり風呂に入っていてもレース展開をガッツリ追いたい……!!
こちらも筆者私物の充電式防水Bluetoothスピーカー(Anker社の『Soundcore 3』)。さまざまなモデルが市販されているので、好みの1台を見つけよう。ちなみに浴室はシャワーなどの水音がかなり気になる。音量を上げたくなるシーンはかなり多いはずだ。
防水スマホを直接、風呂に持ち込んでいた時期もあった。だが、怖いのは故障だ。いくら強力な防水仕様が施されていても、浸水する時はする。ましてや最近は10万円超えのスマホが珍しくない。いくら補償サービスに加入していても、風呂への持ち込みは怖いものだろう。
そこで編み出したのが、防水スピーカーだけを風呂に持ち込んで、実況音声だけを聞くという方法だ。
近年、Bluetoothイヤフォンが普及しているのは皆さんご存じの通り。スマホとイヤフォンの間が無線接続となるため、例えばスマホを仕事机に置いたままキッチンへ移動しても、耳元で音声が聞けて大変便利だ。このBluetoothイヤフォンを、防水スピーカーに置き換える。そしてスマホではJ SPORTSオンデマンドアプリで目的のコンテンツを再生し、風呂にはこのスピーカーだけを持ち込む。基本的には、それだけの話だ。
当然、スピーカーなので中継映像は見られない。しかし、J SPORTSのサイクルロードレース中継を日夜ご覧の方なら、実況・解説者陣の喋りがどれだけ重要かは、説明するまでもないはず! レース展開が緩いときは緩く、しかし激しいシーンでは徹底的に詳しく。日本語実況解説はある意味、レース中継の主役であり、顔なのだ。
防水Bluetoothスピーカーは大手通販サイトで普通に購入でき、価格も5000円程度と手頃。浸水に怯えながらスマホを風呂に持ち込むより、遥かに安心して使える。筆者は2023年のツール・ド・フランス開催中からこの体制をとるようになり、その快適っぷりにもう夢中だ。3~4年後にもし防水スピーカーが故障しても、このコスト感なら秒で買い替えると確信している。
なお、注意点はスマホをスリープ状態にしないこと。風呂場にいる時でも、画面はオンにしておかないと音声は止まってしまう。同居する家族には念のため説明しておこう。それと、ペットにもイタズラされないように!
以上、いかかだったろうか? 今回紹介した2つのテクニックは、本当に普段から筆者が実践しているのだが、改めて記事として紹介してみると、派手さもなく地味で、ちょっと照れくさい(笑)。
ただ長年サイクルロードレース中継を見てきて、非常に細かいながらも不満に感じていた悩みが、こうした工夫でどうにか解消できた。その意味で、なにかの参考になれば幸いだ。
それにしても、間もなく春である。4月には「クラシックの女王」、パリ~ルーベも控えており、今から楽しみで仕方ない。サイクルロードレース観戦初心者もベテランも、J SPORTSオンデマンドで盛り上がっていきましょう!
文:森田 秀一
森田秀一
1976年埼玉県生まれのフリーランスITライター。もともとの興味対象は携帯電話やインターネット技術だったが、そこから動画配信への取材にも発展。今では年1回、業界向け調査報告書の執筆にも携わる。はじめてJ SPORTSでサイクルロードレース中継を見たのは、2003年ツール・ド・フランス(の最終日のみ)。よってファン歴は20年を超えました。その他に好きなスポーツはマラソン、駅伝、トライアスロン、アメフト。
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