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サイクル ロードレース コラム 2024年1月20日

【シクロクロス2023/24 WC第13戦 ベニドルム:プレビュー】ビッグ・スリー対決の見納め、起伏が少なく長い直線はすさまじいスピードレースを演出する

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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【シクロクロスのバイクを紹介!】辻啓のシクロクロス解説動画 第7弾

2回目の2024年大会に向けて、コースはさらに進化を遂げた。長い直線路のコンビネーションは、よりスピードが出やすくなり、それでいて締めにテクニカルなコーナーの連続が付け加えられた。なにより単純に一直線だった砂地獄が、今回は途中で直角に曲がるらしい。1年前のファンデルプールは自転車を降りずに砂地を突っ切ったが、今年はさすがに、バイクを担ぎ上げなければならないだろう。

いずれにせよ、絶好調のファンデルプールに、攻略できないコースなどないのだ。ただ12月半ばにシーズンインし、22日以降は3日と開けずに暴れまわってきた後、計画通り、1月7日を最後にレースから離れていた。つまり2週間ぶりの本番。今季10戦10勝と負け無しを誇ってきたままのコンディションで、ベニドルムに乗り込めるだろうか。

今大会を最後にシクロクロスシーズンを切り上げ、春クラシックに向けた準備を開始するファンアールトは、たとえ勝てずとも……長年の宿敵の「ワンマンショー」だけはどうにか食い止めたいと誓う。また夏に大きなピークを持ってくる予定のピドコックにとっても、冬の転戦はこれにて終了。年末年始に体調を崩し、数戦スキップした後、アンドラで英気を養った。本調子の走りで、気持ちよく、シクロクロスの現場から立ち去りたい。

またUCIシクロクロスワールドカップもラスト2戦となり、総合首位を巡る争いもいよいよ正念場。第12戦までを終えて、首位エリ・イザビット(295ポイント)と2位ヨリス・ニューエンハイス(270ポイント)との差は、たった25ポイントしかない。1週間前にそれぞれ初めてナショナルチャンピオンの座を勝ち取り、かつてないほど絶好調の2人の、激しい順位争いも見逃せない。

もちろん数字の上では、3位ピム・ロンハール(260ポイント)、4位ラルス・ファン・デル・ハール(255ポイント)にも逆転優勝の可能性はいまだにある。ただイザビットが一番にベニドルムのフィニッシュラインを駆け抜け、ニューエンハイスが3位以下で終わった場合……最終戦を待たずに新ベルギーチャンプの2022年以来2度目のワールドカップ制覇が決まる。

気になる天気予報は晴れで、気温はちょっと肌寒い14度前後。ただ金曜日に雨が降ったせいで、もしかしたら、ウェットな泥ゾーンが発生するのかもしれない。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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