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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 第20ステージ結果速報】大逃げの中からワウト・プールスが小集団スプリントに競り勝ち区間初優勝、クスはヴィンゲゴーとログリッチと肩を組んでフィニッシュ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部大成功のシーズンを過ごしているワウト・プールス
失敗が許されない最終日前日に難関山岳のない3級山岳のみの、ただし10つ登場する丘陵ステージが設定された、今大会最長で山岳数は最多で、累積獲得標高は最多。マンサナレス・エル・レアルからグアダラマまで207.8km、アクチュアルスタートのあとアタックはかからず高速域での様子見が続き、ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が飛び出して戦いの口火を切る。
アントニオ・ティベーリ(バーレーン・ヴィクトリアス)、レナルト・ファンイートヴェルト(ロット・デスティニー)のアタック、人数が増えたところでメイン集団が吸収、最初の上りで山岳賞ジャージ着用のレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)、マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)、ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)らが山頂を目指しダウンヒルを終える頃には31人の先頭グループが形成された、メイン集団はユンボ・ヴィスマが牽引。
ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)、レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)、アンドレアス・クロン(ロット・デスティニー)、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)、ロマン・バルデ(チームDSM・フィルメニッヒ)らも含まれた先頭グループはエヴェネプールのチームメート、マティア・カッタネオ、ジェームス・ノックス、ルイス・フェルヴァーケが牽引、レース開始2時間の平均時速は42.312km/hで突き進んでゆく。
後続とのタイム差は10分にまで広がり先頭グループの逃げ切りが濃厚となり、最終峠サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルの急勾配区間でプールスがアタック、ファンイートヴェルトが追う。勾配が緩くなったところでソレルとペラヨ・サンチェス(ブルゴスBH)も追いつき、下りでエヴェネプールも合流、5人で先頭交代を繰り返しフラムルージュを抜けラスト500mでプールスがロングアタック、左コーナーを先頭で抜けてそのままペダルを踏み続け、エヴェネプールが背後にまで迫るも、そのまま先頭でフィニッシュラインに飛び込んだ。ツール・ド・フランスの区間初優勝に続きブエルタでも区間初優勝と大成功なシーズンとなった。
「年を重ねるごとによくなってる、ハードなステージでエヴェネプールのような選手相手に勝てたのは驚きだ、とても嬉しい」プールス勝利後インタビュー
メイン集団は10分21秒後にフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)を先頭に集団ゴール、ユンボ・ヴィスマの3人は握手して勝利を讃え合い笑顔でセップ・クスを中心に肩を組み横並びフィニッシュ、明日マドリードで完走すれば10年ぶりのアメリカ人ブエルタ総合優勝者が誕生する。
「とてもホッとしている、最後の上りではプリモシュが、平坦ではヨナスが仕事をしてくれた、想像もしていなかったことだ、彼らとフィニッシュしたのは本当に特別な瞬間だった」クス、総合首位インタビュー
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【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第20ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)in 04h 59' 29''
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ),,
3 ペラヨ・サンチェス(スペイン/ブルゴスBH),,
4 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー/ロット・デスティニー),,
5 マルク・ソレル(スペイン/UAEチームエミレーツ),,
6 ルイ・コスタ(ポルトガル/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)+ 00' 04''
7 アントニオ・ティベーリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 26''
8 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ),,
9 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM・フィルメニッヒ),,
10 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター チーム),,
個人総合順位
1 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)in 74h 23' 42''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 17''
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 08''
4 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 03' 44''
5 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 03''
6 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 04' 14''
7 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ)+ 08' 19''
8 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 08' 26''
9 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 10' 08''
10 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 12' 04''
ポイント賞
1 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)245 Pts
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)226 Pts
3 アンドレアス・クロン(デンマーク/ロット・デスティニー)152 Pts
山岳賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)135 Pts
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)51 Pts
3 マイケル・ストーラー(オーストラリア/グルパマ・エフデジ)39 Pts
ヤングライダー賞
1 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)in 74h 27' 26''
2 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 04' 42''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 06' 24''
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 222h 28' 29''
2 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 22' 07''
3 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 34' 12''
第21ステージコースマップ
9月17日(日)第20ステージ
サルスエラ競馬場 > マドリード
101.1 km(平坦)
長い旅の終着駅。マイヨ・ロホを巡る争いは、前夜にすべて決着がついた。ひときわ山の多い3週間で、死闘を繰り広げてきたライバルたちは、今やリラックスして、互いの健闘を称え合う。2023年最後のグランツールが、静かに、華やかに、幕を下ろす。
3年前、コロナ禍の真っ最中のブエルタは、わずか18ステージしか開催できなかった。その最終日に、選手たちを温かく送り出したサルスエラ競馬場から、改めてプロトンは最後のステージへと走り出す。100kmをほんの少し超えただけの短距離ステージの、約半分は、のんびりとした風景が見られることだろう。自転車界の不文律によれば、最終日の周回コース入場までは、パレードランと決まっている。
残り52.2kmでマドリード周回コースのフィニッシュラインを越えると、それを合図に、いよいよ本気の戦いが始まる。目抜き通りを贅沢に使った、Tの字型の周回コースは、大会最後の飛び出しで大いに賑わうはずだ。2度目のフィニッシュラインでは、今大会最後の中間ポイントも待っている。もしもいまだ緑ジャージの持ち主が決まっていない場合は、この日1回目のスプリントが見られるかもしれない。
全長5.8kmのコースの、周回を重ねるうちに、緊迫感はぐんぐん増していく。スプリンターチームが隊列を組み上げ、逃げを追い詰め、10度目のフィニッシュラインにトップスピードで雪崩れ込んで行く。シベレス広場に夕闇が近づき、街角に美しい明かりが灯り始める頃、2023年ブエルタは大団円を迎える。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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