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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 第16ステージ結果速報】平坦山頂フィニッシュでヴィンゲゴーが今大会2勝目、ファンホーイドンクのための勝利
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部今大会2勝目のヨナス・ヴィンゲゴー
リエンクレス・プラヤからべヘスまでカンタブリアの海岸線を通り、ラスト4.8km2級峠山頂を目指す119.1kmの平坦ステージ山頂フィニッシュ。アクチュアルスタートが切られるとカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)が93.3km地点の中間スプリントポイントまで逃げたいと積極的にアタックを仕掛ける。10人の先頭グループができるも、イネオス・グレナディアーズが中心に猛追してスタートから41km地点で捕えた、レースは最初の1時間で48.2km地点に達している。
雨が降ったりやんだりとレインウェアの脱ぎ着でせわしない中、マティア・カッタネオ(スーダル・クイックステップ)とロレンツォ・ジェルマーニ(グルパマ・エフデジ)が少しギャップをつけることに成功、グローブスやジュリアス・ファンデンベルフ(EFエデュケーション・イージーポスト)、マックス・プール(チームDSM・フィルメニッヒ)、ニコラ・プロドム(AG2Rシトロエン)、ジョエル・ニコラウ(カハルラル・セグロスRGA)が追いつき(ジェルマーニは脱落)6人の先頭グループが形成されレースは進んでいく。
美しい海岸線を眺めながらメイン集団は1分程度のタイム差でユンボ・ヴィスマがコントロール、レース開始から1時間半の平均速度は48.5km/hとさらに速度は上がっている。中間スプリントポイントではグローブスの努力は実り20ポイントを積み重ねたあと集団に戻り、休息日に今シーズン限りでの引退を表明したルイスレオン・サンチェス(アスタナ・カザクスタン チーム)が落車してしまったものの、19分遅れでフィニッシュしている。
残り距離10kmで先行していた選手たちを吸収し2級べヘスの登り口へ、14%の激坂をアッティラ・ヴァルテル(ユンボ・ヴィスマ)が牽引、あっという間に30人程度の縮小し残り距離4kmでヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)がアタック、フィン・フィッシャーブラック(UAEチームエミレーツ)が追うも近寄らせず、そのままペダルを踏み続け今大会2勝目、フィッシャーブラックは43秒後にフィニッシュ。
集団からジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)が飛び出し、チェックに行ったプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)にエンリク・マス(モビスター チーム)やフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)が追いつき1分1秒後にフィニッシュ。
マイヨ・ロホ着用のセップ・クスはログリッチに追いついていたものの4秒遅れてフィニッシュ、タイムを少し落としている。結果、総合順位2位ログリッチと3位ヴィンゲゴーが逆転、明日のアングリルを含む難関山岳ステージの結果で真のエースが姿を現す。
「今朝ファンホーイドンクのひどいニュースがあって彼のために勝ちたかった、彼がすぐに回復することを願っている」ヴィンゲゴー勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第16ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 02h 38' 23''
2 フィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド/UAEチームエミレーツ)+ 00' 43''
3 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 49''
4 マイケル・ストーラー(オーストラリア/グルパマ・エフデジ)+ 00' 55''
5 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 01' 01''
6 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム),,
7 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ),,
8 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ),,
9 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 05''
10 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ),,
個人総合順位
1 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)in 57h 18' 10''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 29''
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 33''
4 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 02' 33''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 03' 02''
6 マルク・ソレル(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 03' 28''
7 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 12''
8 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ)+ 04' 58''
9 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 05' 38''
10 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 08' 43''
ポイント賞
1 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)228 Pts
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)135 Pts
3 アンドレアス・クロン(デンマーク/ロット・デスティニー)111 Pts
山岳賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)71 Pts
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)41 Pts
3 マイケル・ストーラー(オーストラリア/グルパマ・エフデジ)39 Pts
ヤングライダー賞
1 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)in 57h 20' 43''
2 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 03' 05''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 06' 10''
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 171h 21' 22''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 11' 14''
3 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 19' 02''
リタイア
133 ルネ・ヘレホーツ(ベルギー/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
182 トマ・ボネ(フランス/トタルエネルジー)
123 ウェレイハゴス・バーへ(エチオピア/チーム ジェイコ・アルウラー)
192 ダビ・デラクルス(スペイン/アスタナ・カザクスタン チーム)
第17ステージコースマップ
9月13日(水)第17ステージ
リバデセリャ(リベセヤ) > アルトゥ・デ・ラングリル
124.4 km(山岳)
いよいよ2023年ブエルタの総合争いも最終段階。難関山頂フィニッシュ2連戦で、今年最後のグランツールの行方がほぼ定まる。すでに2週間半走り続けてきた、なにより春から半年以上シーズンを戦ってきたエースたちにとって、集大成の時がやってきた。
ブエルタにアングリルあり。地元では、神々が住まうオリンポス山のように崇拝されるが、選手たちにとっては、むしろ魔の山。グルペットさえ形成できないほどの激勾配。2017年にはアルベルト・コンタドールがキャリア最後の勝利をつかみ、2020年大会では、ヒュー・カーシーがアウターで制圧し衝撃を巻き起こした。あの山へ。
前日にも負けない124.4kmの超短距離コースは、前半と後半でがらりと地形が変わる。スペインのクイーン、レティシア王妃のゆかりの地リバデセリャからスタートすると、前半戦はゆるやかな上り基調が続く。まるまるウォームアップの時間か、もしくは激しい飛び出し合戦か。後半戦は山のバトル。1級コリャディエリャ(登坂距離7.8km、平均勾配7.1%)で一気に集団は絞り込まれるはずだ。
初めてブエルタにアングリルが登場したその日から、1級コルダルは欠かさず門番の役割を果たしてきた。全長5.4km・平均勾配9.2%・最大14%のこの山を上手く攻略せずして、決してラスボスを倒すことなどできない。また猛スピードが出るトリッキーな下りでも、コルダルは知られる。例えば2017年のコンタドールは下りで後続に30秒差をつけ、そのまま超級アングリルの全長12.4kmの山道へと飛び込んだ。
きっと数字や言葉をどれほど並べても、アングリルの狂気を正確に伝えることなど不可能だ。平均勾配は9.8%、最大24%。序盤から厳しく、その後少し緩むものの、後半6kmは目を疑うほどクレイジー。勾配10%超は当たり前。20%超のゾーンが少なくとも5か所、次々と襲い掛かって来る。あらゆるコーナーが勝負地となる。足を止めたら、もう2度と走り出せなくなるかもしれない。山頂まで3km前後の、いわゆる「山羊ゾーン」は、平均18%のイカレた勾配が延々1kmにもわたって続く!
初めて使用された1999年大会を除く過去7大会では、勝者はすべて1人でフィニッシュラインへと姿を現した。最後の数百メートルは下り基調だから、ウィニングポーズを取る余裕もある。もちろん、総合タイム差が競り合っている場合を除いて。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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