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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 第14ステージ結果速報】復活のレムコ・エヴェネプール、大逃げを決めて区間優勝と山岳賞ジャージを攫う
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部レムコ・エヴェネプールは何度でも蘇る
ピレネー2連戦の2日目、超級山岳が2つ3級1つと1級山頂フィニッシュが待ち受ける156.2km、パレードランではシリル・バルト(ブルゴスBH)が生まれ故郷ということで手厚い歓迎を受けるシーンも見られた。アクチュアルスタートが切られるとトーマス・デヘント(ロット・デスティニー)がファーストアタック、先頭でぐいぐいと速度を上げる。激しいアタック合戦のメンバーの中には、昨日大きく総合タイムを失ったレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)もあり、諦めない姿勢を前面に出している。
飛び出しと吸収を繰り返しながらの攻防は30km以上続き、24人の集団が抜け出すことに成功。エヴェネプール、ジョナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアーズ)、ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)、フアン・ロペス(リドル・トレック)、マイケル・ストーラー(グルパマ・エフデジ)、レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)、ロマン・バルデ(チームDSM・フィルメニッヒ)らが含まれている。最初の1時間で51.2kmを走り、UAEチームエミレーツが牽引するメイン集団に対し4分半のタイム差をつけている。
超級ウルセールに入ると先頭グループからついていけなくなったカーデン・グローブス(アルペシン・ドゥクーニンク)やルイ・コスタ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)などが離れていった。エヴェネプールはマティア・カッタネオ(スーダル・クイックステップ)のサポートを受け山頂スプリントで先頭通過、2位通過のバルデと2人で先頭グループとなり、ダウンヒルをこなしさらにその先へ。
エヴェネプールは超級プエルト・デ・ラロー山頂&スペイン国境も先頭で通過し山岳賞で首位へ、続く3級山岳ラサも先頭通過、バルデは後輪に張り付いているだけで精一杯だった。単騎で追いかけるストーラーや、その後方30秒を追うカストロビエホ、ロペス、レナルト・ファンイートヴェルト(ロット・デスティニー)の協調も寄せ付けず、1級プエルト・デ・ベラグアをメイン集団に対し5分近くのタイムギャップで登り始め、ラスト4kmでバルデを置き去りにし、快調にペダルを回し続けたエヴェネプールが今大会区間2勝目。昨日の悪夢を払拭する勝利を、己の力を見せつける形で掴み取った。
メイン集団はフアン・アユソ(UAEチームエミレーツ)のアタックなども見られたものの、8分22秒後に集団フィニッシュ、セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)は危なげなくマイヨ・ロホをキープしている。
「昨日は本当に難しい一日だった、ネガティブな考えが頭の中に浮かんであまり眠れなかった、とてもひどい夜だった。今日は目が覚めてから気持ちを切り替えて、2勝目を挙げることができて本当にうれしい」エヴェネプール勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル
【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第14ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 04h 13' 38''
2 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM・フィルメニッヒ)+ 01' 12''
3 レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー/ロット・デスティニー)+ 06' 33''
4 ジョナタン・カストロビエホ(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 06' 35''
5 マイケル・ストーラー(オーストラリア/グルパマ・エフデジ)+ 07' 24''
6 ダビ・デラクルス(スペイン/アスタナ・カザクスタン チーム)+ 08' 21''
7 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ)+ 08' 22''
8 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ),,
9 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス),,
10 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ),,
個人総合順位
1 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)in 51h 04' 54''
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 37''
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 44''
4 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 02' 37''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 03' 06''
6 マルク・ソレル(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 03' 10''
7 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 12''
8 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ)+ 05' 02''
9 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 05' 30''
10 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 08' 39''
ポイント賞
1 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)203 Pts
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)116 Pts
3 マライン・ファンデンベルフ(オランダ/EFエデュケーション・イージーポスト)85 Pts
山岳賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)63 Pts
2 マイケル・ストーラー(オーストラリア/グルパマ・エフデジ)39 Pts
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)36 Pts
ヤングライダー賞
1 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)in 51h 07' 31''
2 キアン・アイデブルックス(ベルギー/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 53''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 06' 02''
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 152h 42' 43''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 10' 27''
3 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 20' 20''
リタイア
136 レイン・タラマエ(エストニア/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
第15ステージコースマップ
9月10日(日)第15ステージ
パンプローナ > レクンベリ
158.5 km(丘陵)
ダウンヒラーにとっては待ちに待ったチャンス。山頂フィニッシュが全部で9回も詰め込まれた2023年大会において、下りフィニッシュはほとんど見当たらない。猛スピードで山を駆け下りた直後に、両手を挙げられるのは、ただセンスとテクニックと勇気を兼ね備えた選手だけ。
2020年第2ステージと、スタート地&フィニッシュ地はまったく同じ。3年前もプロトンはパンプローナから走り出し、レクンベリで勝負を争った。コロナ禍中だった3年前とは違って、日曜日の沿道は、きっとたくさんの観客で賑わうに違いない。ただコース自体は同じではない。前回は異なる3つの山を巡ったが、今回は序盤60kmでたっぷりと無名のアップダウンをこなしてから、3級リサラガと2級スアララテ×2回登坂の組み合わせ。最終盤は約30kmほどの大きな輪を1周半描く、いわゆる周回コース仕立てだ。
つまり2級スアララテが勝負の鍵を握る。上りは全長7.3kmで、平均勾配は4.8%。3年前にマルク・ソレルが下りアタックで独走勝利を決めた1級峠(9.5km、7.9%)に比べれば、パンチは少々弱いかもしれない。肝心の下りも全長約7kmで、勾配はマイナス3.5%前後。ただ下りはほとんど直線に近く、コーナーはまばらにしか存在しないから……恐ろしいほどスピードが出る可能性がある!
2度のアップヒルとダウンヒルをめまぐるしくこなしたら、ラスト約1.5kmは平地基調。翌日は待ちに待った2回目の休息日。明日のことなど気にせず、あとはフィニッシュラインまで全力で駆け抜けるだけだ。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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