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サイクル ロードレース コラム 2023年9月7日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 第11ステージ結果速報】ヘスス・エラダが区間通算3勝目&山岳賞ジャージも獲得、トーマスは総合タイム5分31秒稼ぐ

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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区間通算3勝目のヘスス・エラダ

平坦ステージ山頂フィニッシュを制したのヘスス・エラダ

去年は単語としての表記があり、今年はブエルタの新たな分類として存在が認められつつある「平坦ステージ山頂フィニッシュ」、ピュアスプリンターの出番がない平坦ステージ。レルマからビヌエサの山腹にあるネグラ湖まで163.5km、最後の6.5kmが平均勾6.8%の1級山岳ラグーナ・ネグラ。

パレードランでフアン・アユソUAEチームエミレーツ)とフェリックス・エンゲルハート(チーム ジェイコ・アルウラー)が落車したもののレースに戻っている。アクチュアルスタートのあと激しいアタック合戦が行われショーン・クイン(EFエデュケーション・イージーポスト)やジェイソン・オズボーン(アルペシン・ドゥクーニンク)の抜け出しは成功せず、時速47.7km/hで1時間レースが進んでも未だ逃げは形成されていない。

残り距離100kmで26人が集団から抜け出しギャップをつけることに成功、そのまま先頭グループとなりタイム差は徐々に開いていく。メンバーの中にはゲラント・トーマスフィリッポ・ガンナ(ともにイネオス・グレナディアーズ)、グルパマ・エフデジAG2Rシトロエン、ブルゴスBHは3人ずつ、EFエデュケーション・イージーポスト、リドル・トレック、トタルエネルジーは2人ずつ、単騎参戦は9チーム。

逃げ切り勝利を狙う先頭グループは惜しみなく先頭交代を繰り返し、あっという間にタイム差は4分差へ、メイン集団はロベルト・ヘーシンク、ディラン・ファンバーレ(ともにユンボ・ヴィスマ)が追いかける、レース開始から2時間の平均時速は46.5km/hと高速のまま。中間スプリントポイントはジョエル・ニコラウ(カハルラル・セグロスRGA)が先頭通過。

残り距離15.7kmで先頭グループからユリウス・ヨハンセン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が、残り距離10.3kmではポール・ウルスラン(トタルエネルジー)が抜け出し独走を開始、1級ラグーナ・ネグラの上り口でのメイン集団とのタイム差は5分36秒。

ガンナの牽引が始まるとついていけない選手が続出し先頭グループは9人にまで縮小、残り距離1kmでヨナタン・カイセド(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタック、ルディ・モラール(グルパマ・エフデジ)が追いかけ、ラスト300mでヘスス・エラダ(コフィディス)が加速、カイセドを捕え一気にフィニッシュまで駆け上がった、ブエルタ区間通算3勝目、山岳賞ジャージも獲得している。2位にはロマン・グレゴワール(グルパマ・エフデジ)、3位にアンドレアス・クロン(ロット・デスティニー)。

メイン集団はキアン・アイデブルックスボーラ・ハンスグローエ)が総合タイムを稼ぐため単独で抜け出したものの、最後は追いつかれマイヨ・ロホ着用のセップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)と同じ5分50秒遅れでフィニッシュ。区間5位のトーマスは総合タイム5分31秒稼ぎ総合順位を21位から18位までジャンプアップしている。

「チャンスはいつ訪れるのかはわからない、トライしてトライして……ラスト300mまで温存してスプリントした、これ以上嬉しいことはない」エラダ勝利後インタビュー

J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTubeチャンネル

【ハイライト】ブエルタ・ア・エスパーニャ 第11ステージ|Cycle*2023

ステージ順位
1 ヘスス・エラダ(スペイン/コフィディス)in 03h 29' 17''
2 ロマン・グレゴワール(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00' 03''
3 アンドレアス・クロン(デンマーク/ロット・デスティニー)+ 00' 08''
4 ヨナタン・カイセド(エクアドル /EFエデュケーション・イージーポスト)+ 00' 12''
5 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 19''
6 ペラヨ・サンチェス(スペイン/ブルゴスBH)+ 00' 24''
7 ルディ・モラール(フランス/グルパマ・エフデジ),,
8 ニコラ・プロドム(フランス/AG2Rシトロエン)+ 00' 27''
9 ドリアン・ゴドン(フランス/AG2Rシトロエン)+ 00' 58''
10 フィリッポ・ガンナ(イタリア/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 16''
・・・
30 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 05' 50''

個人総合順位
1 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)in 39h 27' 45''
2 マルク・ソレル(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 00' 26''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 01' 09''
4 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 36''
5 レニー・マルティネス(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 02' 02''
6 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 02' 16''
7 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 02' 22''
8 フアン・アユソ(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 02' 25''
9 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 02' 50''
10 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ)+ 03' 14''

ポイント賞
1 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)158 Pts
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)79 Pts
3 アンドレアス・クロン(デンマーク/ロット・デスティニー)77 Pts

山岳賞
1 ヘスス・エラダ(スペイン/コフィディス)22 Pts
2 エドゥアルド・セプルベダ(アルゼンチン/ロット・デスティニー)21 Pts
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)20 Pts

ヤングライダー賞
1 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)in 39h 28' 54''
2 レニー・マルティネス(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00' 53''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 01' 07''

チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 117h 51' 25''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 00' 57''
3 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 07' 27''

第12ステージコースマップ

第12ステージコースマップ

9月7日(木)第12ステージ
オルベガ > サラゴサ
151 km(平坦)

いわゆる移動ステージ。大会3日目に立ち寄ったピレネー山脈へと、再び挑みかかる前の、スプリンターのための数少ないチャンスでもある。難関山頂フィニッシュ2連発を控え、総合エースたちはできる限り体力温存に努めたい。

ブエルタ初登場の小さなオルベガから、史上50回近くもスペイン一周を受け入れてきた大都市サラゴサまで、約151kmの旅。累積獲得標高はわずかに922mで、逆に「損失」が1.5倍ほど。つまりスタートから約25kmは下り基調で、ほんの僅かに上った後、再び40kmほどは下り坂。ステージ半ばから35kmほどゆるやかな上り坂をこなすものの、ラスト40kmは、道は延々と下っている。

また使用される道は直線が多い。最終6kmはいくつかコーナーやロータリーも待ち受けているが、ラスト1kmは、ゆるやかな弧を描きつつサラゴサの中心街を駆け抜ける。道幅も広く、障害物は一切存在しない。

大集団スプリントフィニッシュ以外のシナリオが、果たして起こり得るだろうか。そもそも参戦しているスプリンターの数が多くないせいで、追走隊列が上手く機能しない可能性はある。なにより「風」が、集団の邪魔をするかもしれない。

サラゴサは風の町だ。特に冬に吹き付ける冷たい北西風はシエルソと呼ばれ、サラゴサにもシエルソ通りが存在する。南東から吹き付けるボチョルノは、冬には温かさを運んでくれるけれど……夏に吹けば恐ろしい酷暑となるらしい。風力発電ファームはこの地方のあちこちに点在し、とにかく年間の4分の3は強風が吹き荒れているとさえ言われる。この9月7日には、どんな風が、プロトンに吹き付けるだろうか。

高低差図

高低差図

ステージ詳細テキスト:宮本あさか

J SPORTS編集部

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