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【ツール・ド・フランス2023 第19ステージ結果速報】残り距離31.6kmで抜け出した3人で逃げ切り勝利!ハンドル投げ勝負はマテイ・モホリッチに軍配
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部アスグリーンとモホリッチのスプリント勝負
モワラン・アン・モンターニュからポリニーまで172.8km、連続する起伏がどんな物語を紡ぐのか。アクチュアルスタートが切られると飛び出したい選手たちが速度を上げて集団は一列棒状に。昨日同様にヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)が自慢の剛脚で抜け出すことに成功。しかしアタック合戦は止まらず、ペーター・サガン(トタルエネルジー)が単独先頭になる場面もあった。
アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)とマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)の2人が抜け出し3級山岳をルツェンコが先頭通過、しかし残り距離135kmで吸収され仕切り直しとなった。ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)やシュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ)のアタックが続く。
強力な9人での先頭グループが形成され、ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)がチェーン切れのトラブルで8人になると少し速度が落ち追走が合流、カンペナールツとサイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)がカウンターで飛び出した。
残り距離32kmで25秒差、クラークの脚が攣ってしまいカンペナールツは単独先頭となった。残り距離31.6kmで追走グループからアタックしたカスパー・アスグリーン(スーダル・クイックステップ)、ベン・オコーナー(AG2Rシトロエン)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)の3人が抜け出すことに成功、カンペナールツを躱し3級山岳をモホリッチが先頭通過。
20秒のタイム差を追うピーダスン、クリスツ・ニーランズ(イスラエル・プレミアテック)、クリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)、マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)、アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト)、マチュー・ファンデルプール、ヤスペル・フィリプセン(ともにアルペシン・ドゥクーニンク)......。
31秒先行する3人でフラムルージュ、一直線の並木道をアスグリーンが先頭で走り残り500mでオコーナーがロングアタック、アスグリーンとモホリッチが追い抜き2人でスプリント勝負。結果は写真判定に委ねられハンドルを投げていたモホリッチがツール・ド・フランス区間通算3勝目となった、モホリッチの平均時速は49.13km/h。39秒後にフィリプセンが集団先頭でフィニッシュ、総合勢は13分43秒後に集団ゴールしている。
「とてつもない準備期間を経て勝てたのは非常に重要な意味がある、メカニック、マッサージャー、チームメートの働き、すべての努力が実った、厳しい展開だった、最後は苦しくてアスグリーンの後ろについてハンドルを投げた、自分を信じて続けることが大事、チームワークが成し遂げたこと、ジーノのために」モホリッチ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第19ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 マテイ・モホリッチ(スロベニア/バーレーン・ヴィクトリアス)in 03h 31' 02''
2 カスパー・アスグリーン(デンマーク/スーダル・クイックステップ),,
3 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエン)+ 00' 04''
4 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)+ 00' 39''
5 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック),,
6 クリストフ・ラポルト(フランス/ユンボ・ヴィスマ),,
7 ルカ・メズゲッツ(スロベニア/チーム ジェイコ・アルウラー),,
8 アルベルト・ベッティオル(イタリア/EFエデュケーション・イージーポスト),,
9 マッテオ・トレンティン(イタリア/UAEチームエミレーツ),,
10 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
個人総合順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 75h 49' 24''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 07' 35''
3 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 10' 45''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 12' 01''
5 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 12' 19''
6 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 12' 50''
7 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 13' 50''
8 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)+ 16' 11''
9 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 16' 49''
10 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 17' 57''
ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)377 Pts
2 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)238 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)188 Pts
山岳賞
1 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)88 Pts
2 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)82 Pts
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)81 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 75h 56' 59''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 26''
3 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)+ 08' 36''
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 227h 54' 45''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 27' 15''
3 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 30' 09''
リタイア
なし
第20ステージコースマップ
7月22日(土)第20ステージ
ベルフォール > ル・マルクシュタイン・フェルラン
133.5 km(山岳)
とうとう今大会5つ目の山脈、ヴォージュ山地までたどり着いた。133.5kmという極めて短いコースの上には、6つの山岳が立ちはだかり、獲得標高差は3600mにも達する。パリ到着まであと24時間。泣いても笑っても、2023年ツールの総合争いは、この第20ステージのフィニッシュラインで決する。
今年で創設120周年を迎えたツール・ド・フランスが、1905年に史上初めて挑んだ本格峠こそ、今ステージスタート直後に控える2級バロン・ダルザスだ。山頂には、初登頂を果たしたルネ・ポティエ(1906年ツールの総合覇者)を称える記念プレートが飾られている。このシンボリックな山は、昨夏の第1回ツール・ド・フランス・ファムでも使用された。
その2級バロン・ダルザス(登坂距離11.5km、平均勾配5.2%)から、山三昧の1日へと突入する。しかも山の険しさは、徐々にクレシェンドしていく。続く2級クロワ・デ・モワナは5.2km・7%、立て続けに上る2級グロス・ピエールは3.2km・8%。もちろん上りの後には、下りも必ずやってくる。特にお次の3級シュルトからのダウンヒルは、全長18kmと長く、幾多のヘアピンカーブを注意深くこなさねばならない。
チーズで有名なマンステールまで猛スピードで下り切ったら、休む間もなく勝負の最終2連続登坂へ。しかも1級プチ・バロン(9.3km、8.1%)は、登坂口にガツンと10.2%の急勾配が待ち受ける。そのまま高めの一定勾配が延々と続き、選手たちに一瞬たりとも気を緩める隙を与えない。極細の山道を下った勢いで攻める1級プラツァーヴァーゼル(7.1km、8.4%)は、逆に緩急が入り交じる。勾配が跳ね上がるいくつかのポイントで、今ツール最後のアタック合戦が繰り広げられるのだろうか。山頂までの最終1kmは、10.5%に達する。
ただ山頂からフィニッシュラインまでは、いまだ8.2kmと遠い。道はいまだうねりをはらむけれど、もはや険しい上りも危険な下りも存在しない。速いテンポで展開されてきたステージは、のどかな山の風景の中で、まるで余韻を噛みしめるように終わりを告げる。第110代マイヨ・ジョーヌの名前が、ついに明らかになる。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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