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サイクル ロードレース コラム 2023年7月15日

【ツール・ド・フランス2023 第13ステージ結果速報】逃げに乗ったクフィアトコフスキが超級山頂ステージ区間勝利、ポガチャルが総合タイム8秒詰める

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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超級グラン・コロンビエを制したのはミハウ・クフィアトコフスキ

超級グラン・コロンビエを制したのはミハウ・クフィアトコフスキ

シャティヨン・シュル・シャラロンヌからグラン・コロンビエまで137.8kmの短距離決戦、立ちはだかるのは超級グラン・コロンビエただ一つ。アクチュアルスタートが切られるとロット・デスティニー、ウノエックス・プロサイクリング チーム、EFエデュケーション・イージーポスト、トタルエネルジーの選手たちがスピードを上げ抜け出しをはかる。

カンタン・パシェ(グルパマ・エフデジ)、マイク・トゥーニッセン(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、ネルソン・オリヴェイラ(モビスター チーム)、マキシム・ファンヒルス(ロット・デスティニー)の4人が少しだけギャップをつけることに成功、そこに追走がおいつく形で最終的に20人の先頭グループが形成された。

トリコロールの特別なヘルメットを被ったブライアン・コカールコフィディス)がブリッジを試みるも追いつくことはできなかった、メイン集団の牽引はUAEチームエミレーツ。無印の上りに位置する中間スプリントポイントはトゥーニッセンが先頭通過、メイン集団は2分15秒後方、下りでピエール・ラトゥール(トタルエネルジー)は遅れはじめ先頭グループから離れていった。

3分50秒のタイムギャップを持って先頭グループは超級グラン・コロンビエへ、パシェが加速し単独先頭で山頂を目指す。ジェームズ・ショー(EFエデュケーション・イージーポスト)、アロルド・テハダ(アスタナ・カザクスタン チーム)、ファンヒルス、の3人がパシェに追いつき、パシェはついていけなくなった。つづら折りの沿道には大勢の観客が詰め掛け、残り距離11.8kmでミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)が先頭3人を追い抜き単独先頭となり、タイム差を広げ始める。メイン集団は依然3分半後方。

クフィアトコフスキは脚を回し続け後続に47秒のタイム差をつけて、超級山頂フィニッシュステージで区間優勝、ツール区間通算2勝目。総合勢はアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)のアタックで揺さぶりをかける、セップ・クスユンボ・ヴィスマ)がチェック、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)はタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)に張り付いている。ラスト400mでポガチャルがアタック、ヴィンゲゴーがついていくも少し距離が開いた、その差4秒。3位に入ったポガチャルはボーナスタイムを4秒獲得、合計8秒総合タイムを縮めることに成功した。

「今日の逃げは上り口までかと思っていたけど、逃げ切りなんてないと思ってたけど、今日は最高の脚があることに気がついた、最後の上りがとても長くて、人生で最も残酷な努力だった、ファンがフィニッシュまでずっと後押ししてくれた」クフィアトコフスキ勝利後インタビュー

J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube

【ハイライト】ツール・ド・フランス 第13ステージ|Cycle*2023

ステージ順位
1 ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド/イネオス・グレナディアーズ)in 03h 17' 33''
2 マキシム・ファンヒルス(ベルギー/ロット・デスティニー)+ 00' 47''
3 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 50''
4 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 54''
5 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 03''
6 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 05''
7 ジェームズ・ショー(イギリス/EFエデュケーション・イージーポスト),,
8 アロルド・テハダ(コロンビア/アスタナ・カザクスタン チーム),,
9 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 01' 14''
10 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 01' 18''

個人総合順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 53h 48' 50''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 09''
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 51''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 48''
5 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 05' 03''
6 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 05' 04''
7 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 05' 25''
8 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 35''
9 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 06' 52''
10 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 07' 11''

ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)323 Pts
2 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)179 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)178 Pts

山岳賞
1 ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)46 Pts
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)31 Pts
3 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム)30 Pts

ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 53h 48' 59''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 39''
3 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 26''

チーム総合順位
1 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)in 161h 42' 28''
2 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 03' 39''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 11' 44''

リタイア
181 カレブ・ユアン(オーストラリア/ロット・デスティニー)
28 ベン・ターナー(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)

第14ステージコースマップ

第14ステージコースマップ

7月15日(土)第14ステージ
アヌマス > モルズィヌ・レ・ポルト・デュ・ソレイユ
151.8 km(山岳)

いよいよツール一行はアルプスへと突入し、マイヨ・ジョーヌ争いは加速していく。この日のステージ距離は150km強と短めながら、獲得標高差は4200mにも至る。なによりスイス国境間近に散らばる5つの峠は、クライマーとしての脚はもちろん、ダウンヒラーとしての技量をも選手たちに求める。

アルプスでたっぷりと過ごす4日+休息日1日のうち、実に4日半もオート・サヴォワ県に留まる。4年に1度、複数の自転車種目が同時期・同会場でマイヨ・アルカンシェルを争う「UCIスーパー世界選手権」がこの8月に史上初めて開催されるが、2027年第2回大会の開催地が、まさしくオート・サヴォワ。そんな大イベントに向けて、郊外に新トラック競技場が建設される予定のアヌマスが、当然のようにこの日のスタート地に選ばれた。

今年のアマチュア向けシクロスポルティフ大会「レタップ・デュ・ツール」でも使用される同コースの、前半には、立て続けに3つの山岳が登場する。「見知らぬ山」との噂通り、うち2つが初登場で、1級クー峠も39年ぶりの登場だ。1級クー(登坂距離7km、勾配7.4%)&1級フー(5.8km、7.8%)は、上りも下りも「山の素敵な小道」とのことだから、つまりは恐ろしく幅の狭いくねくね道が待っている。

ステージ中盤で少し体制を整えたら、より大きく、よりおなじみの2峠へ。後半の約75kmは、ヨン・イザギレが独走勝利をさらい取った2016年大会第20ステージと、ほぼ同じ道を走る。まずは1級ラマズ峠の、13.9km・7.1%の上りへ。途中2kmにわたって、9.5〜11.5%の難しいゾーンも待ち構える。ちなみに7年前は、ラマズからの下りを利用したアタックも打たれたが、続く超級ジュー・プラーヌの上りであえなく回収された。

なにしろジュー・プラーヌの11.6km・8.5%の上りでは、いきなり登坂口でガツンと10%近い勾配を喰らうのだ。しかも後半5kmは延々10%前後の激勾配。幸いにも、上りきった先で3kmほど息をつく暇があるものの、その後にやってくる下りはまさにローラーコースター。上りに負けないくらい勾配がきつく、ヘアピンカーブも多い。このテクニカルな下りで、土砂降りの中、7年前のイザギレは独走態勢に持ち込んだ。ニバリ、パンタノ、アラフィリップ……という数々のダウンヒル巧者を退けて。

高低差図

高低差図

ステージ詳細テキスト:宮本あさか

J SPORTS編集部

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