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【ツール・ド・フランス2023 第12ステージ結果速報】サバイバルステージはレース巧者のヨン・イサギレがラスト30.9kmで抜け出し7年ぶりのツール区間優勝
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部レース巧者ヨン・イサギレが7年ぶりのツール区間優勝
事前予想で逃げが決まると言われていた第12ステージ、ロアンヌからベルヴィル・アン・ボージョレまで168.8kmのワイン愛好家には馴染みの深い土地を駆け抜ける。アクチュアルスタートで飛び出したのはマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)、アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト)とフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)が追いつき3人での先頭グループができたと思われたが、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が追いついたあとに集団に吸収された。
レミ・カヴァニャ(スーダル・クイックステップ)、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ)がアタック、クリスツ・ニーランズ(イスラエル・プレミアテック)、ヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)がカウンター、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)、ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)......、アタック合戦は留まる事を知らず、3級山岳はダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ)が先頭通過。
後方ではヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)がついていけなくなり、ダビ・デラクルス(アスタナ・カザクスタン チーム)が落車しリタイアしている。先頭グループが決まらないまま3級山岳でアダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ)、セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)、エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ始めたため、総合グループもペダルを踏み続けジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック)が山頂を先頭通過したとき、総合勢も同じグループで通過している。
丘を下るタイミングで抜け出したティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ)とディラン・トゥーンス(イスラエル・プレミアテック)に合流する形で13人の先頭グループが形成、中間スプリントポイントをピーダスンが先頭通過、追走のアラフィリップとヤスペル・ストゥイヴェン(リドル・トレック)が合流。
3級山岳はギヨーム・マルタン(コフィディス)が先頭通過、ラスト47kmでファンデルプールが独走を開始、ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)とマッテオ・ヨルゲンソン(モビスター チーム)が追う。遅れていたパウレスやベン・オコーナー(AG2Rシトロエン)が集団復帰に成功、ここで総合グループのペダルが緩み、タイム差が開き始めた。
残り距離31.6kmで追走の8人がピノら先頭3人に追いつき、山頂手前2.5km、残り距離30.9kmでヨン・イサギレ(コフィディス)がペースアップ、後続がちぎれファンデルプールもついていけずに独走へ。チームメートのマルタンが追いかける選手をチェックしつつ、イサギレはそのままペダルを踏み続けラスト30kmを平均時速49.5km/hで走りきり7年ぶりのツール区間優勝を掴み取った。区間6位に入ったピノは総合順位を15位から10位まで浮上、総合勢は4分14秒後に集団ゴール、ファンデルプールは5分23秒遅れでフィニッシュしたが敢闘賞を受賞している。
「これまでうまく逃げに乗れなかったけど今日はうまくいった。最後の1kmはたくさんのことが頭をよぎった、素晴らしくバスクらしいツールだ、ビルバオの勝利に続けたことを嬉しく思う」イサギレ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第12ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 ヨン・イサギレ(スペイン/コフィディス)in 03h 51' 42''
2 マチュー・ビュルゴドー(フランス/トタルエネルジー)+ 00' 58''
3 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ/モビスター チーム),,
4 ティシュ・ベノート(ベルギー/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 06''
5 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム)+ 01' 11''
6 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 01' 13''
7 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス),,
8 ディラン・トゥーンス(ベルギー/イスラエル・プレミアテック)+ 01' 27''
9 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル/モビスター チーム),,
10 ヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー/ロット・デスティニー)+ 03' 02''
個人総合順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 50h 30' 23''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 17''
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 40''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 22''
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 34''
6 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 04' 39''
7 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 04' 44''
8 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 26''
9 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 06' 01''
10 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 06' 33''
ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)323 Pts
2 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)179 Pts
3 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)178 Pts
1 ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)46 Pts
2 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム)30 Pts
3 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)28 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 50h 30' 40''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 05''
3 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 05' 09''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 151h 46' 08''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 01' 18''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 01' 52''
リタイア
193 ダビ・デラクルス(スペイン/アスタナ・カザクスタン チーム)
56 ファビオ・ヤコブセン(オランダ/スーダル・クイックステップ)
第13ステージコースマップ
7月14日(金)第13ステージ
シャティヨン・シュル・シャラロンヌ > グラン・コロンビエ
137.8 km(山岳)
今大会3つ目の山地=ジュラ山脈で迎える、今大会3つ目の山頂フィニッシュ。しかも140kmに満たない短いステージに登場するのは、締めくくりの超級峠1つだけ。グラン・コロンビエの山道で、凝縮された激戦が繰り広げられるに違いない。
7月14日は、ご存知、フランス革命記念日。午前中にはパリ・シャンゼリゼ大通りで大規模パレードが行われ、フランス人選手の愛国精神は、いつも以上に高まっている。2017年大会第13ステージには、ワレン・バルギルがフランス人として12年ぶりに「キャトーズ・ジュイエ(7月14日)」を制したが、あれから6年、フレンチトリコロールは祖国に新たな歓喜をもたらせるだろうか。
極めて平坦な道からステージは始まる。大小約1100もの沼が点在するドンブ地方を横切り、来る第18ステージでも使用される道を10kmほど逆走もする。75kmほど走ると、ようやく道は上り始めるけれど……15kmほどだらだら上った先にあるのは山岳ポイントではなく、なんと中間スプリントポイント。それでも4%弱の緩やかな上り坂は、来る超級登坂へ向けて格好のウォームアップとなるはずだ。
一旦道は再び平坦に戻るものの、キュロズの町中に差し掛かると、いよいよ本格的な上りへと突入する。2012年大会に初めてツールで使用されて以来、5回目の登場となるグラン・コロンビエは、「ビュジェのピラミッド」と呼ばれる通り4つの山肌と4つの登坂ルートを持つのだが、キュロズ側から攻めるのは今回で4回目。全長17.4km・平均勾配7.1%の山道だ。
長い山道には3つの難ゾーンと、2つのゆるいパートが、交互に登場する。序盤7kmは8.5%を超える急勾配が延々と続き、うち2kmは10%前後にまで跳ね上がる。その後にほんの少し息を整えたら、今度は3kmにわたって9%超。改めて一旦休んで、ラスト4kmの猛ダッシュ。特に山頂手前に10%ゾーンが待ち構えているから、最後の最後まで、爆発力を保持しておかねばならない。3年前のタデイ・ポガチャルが、鮮やかな山頂スプリントで勝利をさらったように!
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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