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【ツール・ド・フランス2023 第8ステージ結果速報】新しいチーム名になったリドル・トレックが嬉しい1勝目、マッズ・ピーダスンが上り基調スプリントを制す、カヴェンディッシュは鎖骨骨折でリタイア
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部上りスプリントを制したマッズ・ピーダスン
リブルヌからリモージュまで200.7kmの丘陵ステージ、アクチュアルスタートが切られるとアタッカーたちが勝負に出るも抜け出すことは叶わず、ティム・デクレルク(スーダル・クイックステップ)、アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック)、アントニー・テュルジス(トタルエネルジー)での先頭グループが容認された。
中間スプリントポイントの集団先頭はヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、スプリントしたメンバーがそのままペダルを踏み続けるも、ユンボ・ヴィスマの牽引で集団は再び一つに戻った。
残り距離61.2km、ツール区間通算35勝目に挑戦しているマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)が落車し鎖骨骨折、今季で引退表明をしているためラストツールは無念のリタイアとなった。
3級、4級、4級とこの日のカテゴリー山岳はテュルジスが先頭通過、ラスト8.2kmで吸収されたがこの日の敢闘賞を手に入れた。最後の山岳をユンボ・ヴィスマが猛烈プッシュでふるい落としにかかるも、ピュアスプリンターのディラン・フルーネウェーヘン(チーム ジェイコ・アルウラー)も遅れずについてきている。
ヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)やフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックで勝負に出るもクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)がチェック、瞬間的にマイヨ・ジョーヌ着用のヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が千切れたが無事に追いついた。
残り距離6kmサイモン・イェーツ(チーム ジェイコ・アルウラー)とミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)が含まれた集団落車があり、復帰叶わずサイモンは総合順位を4位から6位に落とし、ランダは11位から14位まで落としてしまった、また総合13位につけていたステフ・クラス(トタルエネルジー)はリタイアとなった。
マティアス・スケルモースの牽引で集団は縦一列になりアレックス・キルシュ(ともにリドル・トレック)が先頭でフラムルージュ、ラスト700mからの勾配4%の上りに入りマッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ)が早駆け、ジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)も続きラポルトを追い抜いたマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)が背後から迫るフィリプセンを退けフィニッシュラインへ飛び込んだ、チームメートの献身に報いる勝利となった。
「チームメートが完璧なお膳立てをしてくれた、長いスプリントだったが走り切る脚があった、最後は本当に苦しかった」ピーダスン勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第8ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)in 04h 12' 26''
2 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク),,
3 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ユンボ・ヴィスマ),,
4 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ/チーム ジェイコ・アルウラー),,
5 ニルス・エーコフ(オランダ/チームDSM・フィルメニッヒ),,
6 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス),,
7 ヤスペル・デブイスト(ベルギー/ロット・デスティニー),,
8 ラスムス・ティレル(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム),,
9 コービン・ストロング(ニュージーランド/イスラエル・プレミアテック),,
10 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ),,
個人総合順位
1 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)in 10h 09' 38''
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 25''
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 34''
4 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 30''
5 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 03' 40''
6 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 04' 01''
7 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 04' 03''
8 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM・フィルメニッヒ)+ 04' 43''
9 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
10 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 05' 28''
ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)258 Pts
2 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)149 Pts
3 マッズ・ピーダスン(デンマーク/リドル・トレック)143 Pts
山岳賞
1 ニールソン・パウレス(アメリカ/EFエデュケーション・イージーポスト)36 Pts
2 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)28 Pts
3 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー/ウノエックス・プロサイクリング チーム)26 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 34h 10' 03''
2 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 05''
3 トーマス・ピドコック(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 18''
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 102h 40' 03''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 02' 47''
3 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 10' 42''
リタイア
191 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/アスタナ・カザクスタン チーム)
214 ステフ・クラス(ベルギー/トタルエネルジー)
第9ステージコースマップ
7月9日(日)第9ステージ
サンレオナール・ド・ノブラ > ピュイ・ド・ドーム
182.4 km(山岳)
大会1週目の終わりに、マイヨ・ジョーヌ争いの順列がはっきりと見えてくる。道の果てに待ち受けるのは、今大会初の「超級」山頂フィニッシュ。翌日に大会1回目の休息日を控えて、総合系エースたちは、思いっきり全力を振り絞ることだろう。
ツールの思い出を紐解く1日でもある。4年前の秋にこの世を去ったレイモン・プリドールが暮らし、永遠に眠るサン・レオナール・ド・ノブラから、その「国民的ププ」と史上初のツール総合5勝選手ジャック・アンクティルによる一騎打ちが、伝説として語り継がれるピュイ・ド・ドームへの時間を超える旅。
戦いの舞台は、今大会第2の山脈、中央山塊に移行する。この一帯特有の細かい起伏と、うねりを帯びた荒々しい小道が、スタート直後から絶え間なく襲いかかる。最終峠を除けば、等級のつく山岳は4級2つと3級1つだけ。しかし選手たちの脚は、確実に、じわじわと削られていく。
翌日に休息日を過ごすクレルモン・フェランを、残り16kmで駆け抜けたら、いよいよ勝負の山へ。最終登坂は全長13.3km、平均勾配7.7%。山肌をぐるりと取り囲むようにして上っていく山道は、最終4kmで突如として激坂に変わる。以降フィニッシュラインまで、平均11.5%超の勾配が延々と続く!
しかもこの激勾配ゾーンは、ほぼ全ての現役選手にとって未知の領域。通算14度目の登場となる伝統峠でありながらも、ピュイ・ド・ドームは、1988年大会を最後にツールを受け入れてこなかった。しかも2012年には登山列車用の線路が引かれ、道路の幅が大幅に狭められた上に、車両通行が完全に禁じられた。自転車さえも、1年に1度の市民サイクリングイベントを除いて、進入は認められていない。だからこそこの6月2日、特別に、ツール出場チームや20人ほどの選手たちによる合同下見会が行われた。
残念ながら、35年ぶりのピュイ・ド・ドームの熱戦を、現場で観戦することはできない。道幅が極めて狭いこと、さらには自然保護区に指定されていることから、最終4kmは「無観客」の対応が取られる。ガロ・ロマン時代の遺跡とテレビ塔とが同居する火山のてっぺんへ向けて、ただ静かなる真剣勝負が繰り広げられることになる。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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