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【ツール・ド・フランス2023 第5ステージ結果速報】ツール初出場のジャイ・ヒンドレーがピレネー初日を制しマイヨ・ジョーヌ獲得!ポガチャルはヴィンゲゴーから総合タイムを53秒落とす
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部ツール初出場ジャイ・ヒンドレーが区間優勝&マイヨ・ジョーヌ獲得
大会5日目にしてあらそいの舞台はピレネーへ、ポーからラランスまで162.7kmの山岳ステージ、アクチュアルスタートが切られるとヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)やニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)がアタックを仕掛け、タフなステージになることを予感させる。
ピエール・ラトゥール(トタルエネルジー)が単独で抜け出すことに成功し10秒程度先行、ワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)やジュリアン・アラフィリップ(スーダル・クイックステップ)もアタック合戦に参加し、最終的に総合7位(+22秒)につけるジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)も含まれた36人の先頭グループが形成された。
中間スプリントポイントはブライアン・コカール(コフィディス)がマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)に競り勝ち先頭通過、その後飛び出したファンアールト、ピーダスン、カンペナールツが先行、追走ではフアン・ロペスがジュリオ・チッコーネ(ともにリドル・トレック)のために超級スデ峠を牽引、メイン集団はUAEチームエミレーツの牽引で3分程度後方に位置している。
山頂まで2.4kmで追走が追いつき山頂をフェリックス・ガル(AG2Rシトロエン)が先頭通過、山岳ポイント首位へと躍り出た。3級イシェールは独走を試みるクリスツ・ニーランズ(イスラエル・プレミアテック)が先頭で、ファンアールトとアラフィリップが続く。
1級マリー・ブランクで追走が追いつき、残り距離22.5kmでガルがアタック、ヒンドレーだけがついていく。ファンアールトはヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)の位置まで戻り山岳の牽引を行い敢闘賞を手に入れた。残り距離20.2kmでヒンドレーがガルを置き去りにして単独フィニッシュ地を目指す。
メイン集団ではマイヨ・ジョーヌ着用のアダム・イェーツが遅れ、タデイ・ポガチャル(ともにUAEチームエミレーツ)は単騎に、セップ・クス(ユンボ・ヴィスマ)の牽引からヴィンゲゴーがアタック、ポガチャルは反応できず一定ペースで追うのみ。
山岳賞獲りを宣言しているチッコーネに対しヒンドレーのアシスト、エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)が、ヴィンゲゴーを追いたいポガチャルにはクスがぴったりとマークしており、ヒンドレーは独走のまま両手を挙げてフィニッシュラインへと飛び込んだ。ツール・ド・フランス初チャレンジにして区間優勝、マイヨ・ジョーヌを獲得。
32秒後にチッコーネとガルが、34秒後にヴィンゲゴーが、ポガチャルは1分38秒後にフィニッシュ、ヒンドレーはヴィンゲゴーに対し47秒のマージンがあり、ポガチャルはヴィンゲゴーから53秒総合タイムを落としている。
「最初の計画じゃなかったけど、あの集団の中で自分にできることを探して挑んだ、本当に信じられない、できるだけ総合タイムを稼いで区間優勝したかった。初めてのツールで、戦えるような存在でありたい、何かしら成功を得たいと思っていた、支えてくれたすべての人に感謝したい」ヒンドレー勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ツール・ド・フランス 第5ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)in 03h 57' 07''
2 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 00' 32''
3 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン),,
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ),,
5 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 34''
6 マティアス・スケルモース(デンマーク/リドル・トレック)+ 01' 38''
7 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス・グレナディアーズ),,
8 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ),,
9 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ),,
10 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ),,
個人総合順位
1 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)in 22h 15' 12''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 47''
3 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)+ 01' 03''
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 11''
5 アダム・イェーツ(イギリス/UAEチームエミレーツ)+ 01' 34''
6 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 01' 40''
7 サイモン・イェーツ(イギリス/チーム ジェイコ・アルウラー),,
8 マティアス・スケルモース(デンマーク/リドル・トレック)+ 01' 56''
9 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ),,
10 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ),,
ポイント賞
1 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・ドゥクーニンク)150 Pts
2 ブライアン・コカール(フランス/コフィディス)84 Pts
3 ヴィクトル・ラフェ(フランス/コフィディス)80 Pts
山岳賞
1 フェリックス・ガル(オーストリア/AG2Rシトロエン)28 Pts
2 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/リドル・トレック)19 Pts
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)18 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 22h 16' 52''
2 マティアス・スケルモース(デンマーク/リドル・トレック)+ 00' 16''
3 カルロス・ロドリゲス(スペイン/イネオス・グレナディアーズ),,
チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 66h 50' 39''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 01' 46''
3 リドル・トレック(アメリカ)+ 03' 24''
リタイア
186 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア/ロット・デスティニー)
197 ルイスレオン・サンチェス(スペイン/アスタナ・カザクスタン チーム)
第6ステージコースマップ
7月6日(木)第6ステージ
タルブ > コトレ・カンバスク
144.9 km(山岳)
ピレネー2日目にして、今大会初の山頂フィニッシュがやって来た。145km弱という短距離コースに、3つの難関峠が詰め込まれ、標高2000mを超える世界にも足を踏み入れる。山の男たちによる、マイヨ・ジョーヌ争いはいよいよ本格化する。
極めて典型的なピレネー山岳ステージ。つまり高速64号線沿いでスタートを切り、ステージ序盤は、平地をひたすら南下して山場を目指す。今ステージもやはり交通の便のよいタルブから走り出し、ゆるやかなアップダウンと小さな3級峠はあるものの、序盤に特筆すべき難所は存在しない。
49km地点で中間スプリントを争った直後に、選手たちは山の戦いへと放り込まれる。そこからフィニッシュまでの残り約100kmは、ひたすら長い上りと長い下りを繰り返すのみ。山と山の間に平地がほぼ存在しないのも、またピレネーの特徴のひとつ。
まずは2つの伝統峠、1級アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)と超級トゥルマレ(17.1km、7.3%)が連続で襲いかかる。ちなみに2019年にティボー・ピノがトゥルマレ山頂フィニッシュを勝ち取った時とは、反対側から攻める。また約3週間後のツール・ド・フランス・ファム第7ステージでも同じ連続登坂が登場し、しかも女性ライダーたちはトゥルマレ山頂で勝敗を決するけれど……男性選手たちは標高2115m地点で単純に山岳ポイントと「ジャック・ゴデ賞」を争うだけ。山頂を大急ぎで通り越して、約30kmの長い長いダウンヒルへと飛び込まねばならない。
下り切ったら、休む間もなく最終登坂へ。1級コトレ・カンバスクの全長16kmの山道は、平均勾配こそ5.4%と低いものの、それは単に前半3分の2がだらだらと緩やかな上りだから。しかし2015年第11ステージでアスパンからトゥルマレを経てコトレでフィニッシュした時よりも、今回は、もっと上まで進むのだ。ラスト5kmで、突如として勾配は9%弱にまで跳ね上がる。さらに山頂まで4kmを切ると、そこから2.5kmにわたって10〜11%の急勾配ゾーンが続く。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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