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【ジロ・デ・イタリア2023 第20ステージ結果速報】山岳個人TTでプリモシュ・ログリッチが総合タイム26秒をひっくり返して逆転総合首位へ!
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部総合優勝を手繰り寄せる区間優勝、プリモシュ・ログリッチ
全てが決まる山頂フィニッシュの個人タイムトライアル、18.6kmの孤独な己との戦い。3つのブロックに分けて、間に50分の休憩時間(下山時間)を設けてレースは進行する。第1ブロックにはジョナサン・ミランのマリア・チクラミーノ保持に尽力した新城幸也選手(共にバーレーン・ヴィクトリアス)が出走し55分18秒でフィニッシュ、あとは最終日を走り切るとチーム総合順位の表彰台が待っている。過酷な天候が続いた大会の最後の争いの日を終えた選手たちが、沿道の歓声と喜びを分かち合いながらフィニッシュしていくシーンが見られた。
第2ブロックではマシュー・リッチテッロ(イスラエル・プレミアテック)が46分19秒のターゲットタイムを出しレースは第3ブロックへ。ジェイ・ヴァイン、ブランドン・マクナルティ(共にUAEチームエミレーツ)がトップタイムを更新しつつ、デレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)が山岳ポイントのための好走を見せるも届かず、マリア・アッズーラ着用のティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)が45分22秒と暫定首位に立ち、自らの力でジャージを守り抜くことができた。ゴンドラで下山するピノを映したSNS投稿では涙を湛えており、万感の思いが胸を打つ。
総合4位につけるダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)は45分18秒と最終的に区間4位の結果を、総合3位のジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)は45分05秒の区間3位のタイムを残し、総合2位につけるプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)とマリア・ローザ着用のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)の一騎打ち。
バイク交換エリアではトーマスは併せてヘルメットも交換する念の入れよう、一方ログリッチは第19ステージの交換したバイク同様にフロントシングルで上り区間へ。途中ログリッチにチェーン落ちのアクシデントがあったものの中間計測を全てトップタイムを更新しながら最終的に-42秒、44分23秒と驚異的なタイムでフィニッシュ。トーマスは45分03秒、区間2位だったが総合タイムは+14秒逆転されてしまった。ログリッチが総合首位となり、ローマでのフィナーレを迎えるとジロ初戴冠となる。
「自分でチェーンを戻して再スタートできたのでよかった、この大勢の観客の後押しの中を走れて勝利できて総合首位に立てたことはよかった、明日も気を抜かずに集中する」ログリッチ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第20ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)in 00h 44' 23''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 40''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 42''
4 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 55''
5 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00' 59''
6 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 05''
7 ブランドン・マクナルティ(アメリカ/UAEチームエミレーツ)+ 01' 07''
8 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 18''
9 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 01' 49''
10 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア/UAEチームエミレーツ)+ 01' 53''
・・・
116 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 10' 55''
個人総合順位
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)in 10h 40' 36''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 00' 14''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 01' 15''
4 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 04' 40''
5 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 05' 43''
6 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 06' 05''
7 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 07' 30''
8 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 07' 31''
9 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 07' 46''
10 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ)+ 09' 08''
・・・
122 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 05h 19' 06''
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)215 Pts
2 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)160 Pts
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ)95 Pts
山岳賞
1 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)237 Pts
2 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック))200 Pts
3 ベン・ヒーリー(アイルランド/EFエデュケーション・イージーポスト)164 Pts
ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 82h 41' 51''
2 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 50''
3 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 06' 16''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 247h 56' 00''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 16' 22''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 30' 40''
リタイア
なし
第21ステージコースマップ
5月28日(日)第21ステージ
ローマ > ローマ
126 km(平坦 ★☆☆☆☆)
全長3481kmの長い旅の締めくくり。前夜すでに北イタリアで最後の総合決戦を終えたジロ一行は、700kmを超える大移動を経て、イタリアの首都ローマへと凱旋を果たす。3週間前よりも少し小さくなったプロトンが悠久の都市を高速で駆け抜け、2023年マリア・ローザは、自らの名が刻まれた「終わりのないトロフィー」を天に高く掲げ持つ。
近年TTの多かったジロ最終日が、5年ぶりに、スプリンターに捧げられる。当然、完走したすべての選手にとっても、ちょっとしたご褒美。125kmの短いステージの前半は、誰もがのんびりパレードランを楽しむに違いない。しかもローマの新都心エウローパ地区から走り出すと、最後にもう一度、海を見に行く。
海岸まで33kmかけて往復した後、プロトンは歴史的旧市街へ。コロッセオの脇を通り、ローマ歴代皇帝の像が点在するフォリ・インペリアリ通りでフィニッシュラインを横切ったら、ちょっとした観光ツアーの始まり。フォロ・ロマーノ、ナヴォーナ広場、サンタンジェロ城、サンピエトロ大聖堂、カラカラ浴場etc...たくさんの歴史的建造物や遺跡の間を縫うように引かれた全長13.6kmのサーキットを、全部で6周回巡る。
ちなみに2018年最終日にS・ベネットが勝ち取った周回とは、微妙に異なる。ラスト5kmだけ同じ道を使用するが、それ以外は新たなコースが描かれた。今回はテベレ川のほとりをたっぷり走るし、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世橋とレジーナ・マルゲリータ橋という2つの橋もわたる。
もちろん観光ムードは長くは続かない。周回を増すごとにプロトンの走行スピードは増し、大会最後の逃げを飲み込みつつ、大集団スプリントへと突き進んでいく。たくさんのカーブをこなし、コロッセオの外周でラスト1kmのアーチを潜り抜けたら、「サンピエトリーニ(ローマ歴史的地区に特有の石畳)」の敷き詰められたホームストレートで3週間最後の全力疾走!
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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