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【ジロ・デ・イタリア2023 第17ステージ結果速報】アルベルト・ダイネーゼがジロ区間通算2勝目、総合勢に変動なし
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部横並びにフィッシュを制したのはアルベルト・ダイネーゼ(チームDSM)
山岳バトル合間のスプリンターズステージ、山間の町ペルジーネ・ヴァルスガーナを出発してアドリア海に望むカオルレまで197kmの「地形的な障害物」のない1日。アクチュアルスタートが切られ、ファーストアタックで飛びだしたのはチャーリー・クオーターマン(チーム コラテック)、フーガ賞を狙うトマ・シャンピオン(コフィディス)、セネ・レイセン(アルペシン・ドゥクーニンク)とディエゴ・セビーリャ(エオーロ・コメタ)が合流し4人で先行、ダヴィデ・ガッブロ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)追うものの捕えられずタイム差は1分に広がり容認された。
アンドレア・パスクアロン(バーレーン・ヴィクトリアス)とマルコ・フリーゴ(イスラエル・プレミアテック)が故郷のバッサーノ・デル・グラッパを通過する際に、地元のファンから素晴らしい声援を受けていて、久しぶりに見られたサイクルロードレースならではの美しいワンシーンだった。
メイン集団はマリア・チクラミーノ着用のジョナサン・ミランを擁するバーレーン・ヴィクトリアス、フェルナンド・ガビリアの爆発力に期待するモビスター チーム、今季で引退するマーク・カヴェンディッシュの勝利を積み重ねたいアスタナ・カザクスタン チーム、今大会2勝目を狙うパスカル・アッカーマンのUAEチームエミレーツなどが2分程度のタイム差で先頭4人を追う、新城幸也選手が牽引する姿が長時間見られた。
残り距離22.8kmで先頭とのタイム差が10秒を切るとレイセンが単独アタック、ほかの3人は吸収されてき、市内に入りラスト5kmでレイセンも吸収、大集団のまま8回の方向転換を行う。ベン・スウィフトがゲラント・トーマス(共にイネオス・グレナディアーズ)を守りながら先頭でラウンドアバウトを抜け、救済措置対象の3km以内に入るとトレック・セガフレード、アルペシン・ドゥクーニンクやチームDSMの隊列が前に出てくる。
チームDSM先頭でコーナーこなしていくと縦一列に、フラムルージュを越え最後のコーナーをやり過ごしラスト400mからマイケル・ヘップバーンが先頭を奪いマイケル・マシューズ(共にチーム ジェイコ・アルウラー)がロングスプリント、アルベルト・ダイネーゼ(チームDSM)が後輪に飛び乗り、その背後からはミランが加速し3人横並びでフィニッシュラインへ。写真判定でダイネーゼがジロ区間通算2勝目を飾った。メイン集団もタイム差なしでゴールしている。
「チームのみんなが素晴らしい働きをしてくれた、前に出るのが早すぎたから誰かがいくのを待った、最後にマシューズに追いつき、追い越すことができた、勝てると思わなかった、うれしい」ダイネーゼ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第17ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア/チームDSM)in 04h 26' 08''
2 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム ジェイコ・アルウラー),,
4 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ),,
5 シモーネ・コンソンニ(イタリア/コフィディス),,
6 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/モビスター チーム),,
7 アンドレア・パスクアロン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
8 アレックス・キルシュ(ルクセンブルク/トレック・セガフレード),,
9 ステファノ・オルダーニ(イタリア/アルペシン・ドゥクーニンク),,
10 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ),,
・・・
122 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 03' 21''
個人総合順位
1 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)in 23h 58' 43''
2 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 18''
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 29''
4 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 02' 50''
5 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 03' 03''
6 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 03' 20''
7 ブルーノ・アルミライル(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 03' 22''
8 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 03' 30''
9 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 09''
10 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 32''
・・・
127 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 03h 54' 05''
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)215 Pts
2 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)121 Pts
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ)95 Pts
山岳賞
1 ベン・ヒーリー(アイルランド/EFエデュケーション・イージーポスト)164 Pts
2 ダヴィデ・バイス(イタリア/エオーロ・コメタ)144 Pts
3 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター チーム)117 Pts
ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 71h 59' 01''
2 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 03' 12''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 51''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 215h 27' 26''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 32' 31''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 40' 26''
リタイア
なし
第18ステージコースマップ
5月25日(木)第18ステージ
オデルツォ > ヴァル・ディ・ゾルド
161 km(丘陵 ★★★★☆)
2023年ジロが、文字通り、最大の山場に突入する。ドロミテ山塊を舞台に3日連続の山頂フィニッシュ。ただ開催委員会の分類によれば、この日はあくまで「中級山岳」に過ぎない。走行距離も161kmと、今大会の山岳ステージの中では最短だ。ただし最終36kmに3つの峠が詰め込まれ、しかも激坂続き。ダウンヒルも侮れない。長く辛い我慢比べではなく、むしろ速く目まぐるしく激しい戦いが期待される。
ヴェネツィア平原から走り出したプロトンが一心不乱に目指すのは、お待ちかね、北のドロミテ。スタートから28km、ついに山道へとぶち当たる。一定勾配が延々と続く1級クロゼッタ(登坂距離11.6km、平均勾配7.1%、最大11%)、さらに細かい上下を経て4級ピエーヴェ・ダルパゴ(3.3km、5.5%、12%)を終える頃には、集団は自然と小さくなっていることだろう。
その後50kmほど谷間を行く。仕切り直しの時間か、凄まじいチェイスの機会か。とにかく長い平地を無事にやり過ごし、最終盤の山に好位置で飛び込むためにも、アシストたちの頼もしいサポートが必須となる。
特にラスト3峠の1つ目、1級フォルチェッラ・チビアーナ(9.6km、7.8%)は、スタートダッシュを絶対に失敗してはならない。直前に1kmの急坂ダウンヒルが待ち受けるし、上り始めた途端に、いきなりガツンと最大勾配15%ゾーンが待つ。山道はその後少し緩やかになるものの、後半5.5kmは平均9.3%という残酷さ。
12kmの急降下の後、すぐさま別の激坂へ。最終ゾルドの本道を、ふと横道に逸れる形で上り始まる2級コイの5.8kmの山道は……平均勾配9.7%。なにより後半3.4kmは10.6%で、うち2kmは平均13%超!最大19%にも至る。山頂からの約3kmの短い下りも、ある意味、容赦ない。小刻みなヘアピンカーブの連続で、勾配はマイナス10%近くにまで下がる。スピードとテクニックのバランスが試される。
そこから最終ゾルドの本道へ。残すはフィニッシュまで2.7km。うち1.5kmにわたり8%超・最大10%ゾーンが存在するし、なにより1kmの間にヘアピンカーブ8連続というから、最後の最後までハラハラは続く。
ちなみにかつて最速ダウンヒラーとして名を轟かせたP・サヴォルデッリが、2005年にこの山を制している。18年前はコイ峠への寄り道はなかったが……ゾルド突入前の下りで鮮やかに先行し、勝負を有利に運んだからこその成果だった。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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