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【ジロ・デ・イタリア2023 第16ステージ結果速報】ドロミテ山塊バトルはジョアン・アルメイダがグランツール区間初優勝!ゲラント・トーマスが総合首位へ返り咲き
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部グランツール区間初優勝!ジョアン・アルメイダ
休息日明けの山岳バトルは「5つ星」の超難関ステージ、前半60kmはガルダ湖畔を望む平坦基調、残りの143kmで5つの山岳を上って下って上る獲得標高5200m。アクチュアルスタートが切られると、逃げ切り勝利を狙う選手たちが飛び出しては吸収され、今シーズン限りでの引退を表明したマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)が抜け出すシーンも見られた。平均時速約50km/hでレースを進める間に26人の先頭グループが形成された、メイン集団はユンボ・ヴィスマとグルパマ・エフデジが3分前後のタイム差で追いかける。
最初の1級山岳をベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)が先頭通過で暫定首位へ、中間スプリントポイントはマリア・チクラミーノ着用のジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭通過で12ポイント加算、ミッションを達成したミランは上りに入るとメイン集団へと戻っていった。
3つ目の2級山岳に入るとクリスティアン・スカローニとワジム・プロンスキー(共にアスタナ・カザクスタン チーム)が2人で抜け出し3分ほど先行したが、4つ目の2級山岳で追いつかれた。中間スプリントポイントはジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭通過。メイン集団に3分半のタイム差をつけて登坂距離21.4kmの最終峠1級モンテ・ボンドーネへ入ると、ヨナタン・ラストラ(コフィディス)、カルロス・ベローナ(モビスター チーム)、フィリッポ・ザナ(チーム ジェイコ・アルウラー)が抜け出し山頂を目指す。
ヒーリーとデレク・ジー(イスラエル・プレミアテック)は遅れ、後方ではミヒェル・ヘスマンやローハン・デニス(ユンボ・ヴィスマ)の牽引でタイム差はみるみると縮まり、集団も人数が絞られていく。残り10kmでマリア・ローザ着用のブルーノ・アルミライルはついていけなくなり、その1km後にはティボー・ピノ(共にグルパマ・エフデジ)も遅れていった。
UAEチームエミレーツの牽引に代わったメイン集団は、残り距離8.5kmで先頭を走るヘイグ、ザナ、ベローナを追い抜き、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ)、プリモシュ・ログリッチ、セップ・クス(共にユンボ・ヴィスマ)、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)、エディ・ダンバー(チーム ジェイコ・アルウラー)と前待ちになったザナでの6人のグループで区間と総合を争う。
アルメイダが勾配のきつい区間でペースを上げザナがダンバーを牽引し、残り距離6kmでアルメイダがアタック、クスが淡々と追いトーマスがアルメイダまでジャンプアップ、その動きにログリッチは対応できなかった。先行する2人は協調体制でライバルの突き放しにかかる。ラスト200mでアルメイダがスプリント、トーマスも追うがアルメイダが先頭のまま譲らずグランツール区間初優勝。
遅れたログリッチは25秒後にフィニッシュ、総合3位だったアルメイダが2位に上り、ログリッチは2位から3位へと順位を落とし、トーマスは再びマリア・ローザを獲得している。
「夢が叶った、チーム全体が素晴らしかった、トーマスと協力してログリッチとのタイム差も縮められたし、ステージ優勝を目指して走った、とても嬉しい」アルメイダ勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第16ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 05h 53' 27''
2 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ),,
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 25''
4 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー),,
5 セップ・クス(アメリカ/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 03''
6 イラン・ファンウィルデル(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 01' 16''
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
8 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター チーム),,
9 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ),,
10 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ),,
・・・
102 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 42' 44''
個人総合順位
1 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)in 19h 32' 35''
2 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 18''
3 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 29''
4 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 02' 50''
5 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 03' 03''
6 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 03' 20''
7 ブルーノ・アルミライル(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 03' 22''
8 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 03' 30''
9 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 09''
10 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ)+ 04' 32''
・・・
125 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 03h 50' 44'
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)176 Pts
2 デレク・ジー(カナダ/イスラエル・プレミアテック)118 Pts
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ)88 Pts
山岳賞
1 ベン・ヒーリー(アイルランド/EFエデュケーション・イージーポスト)164 Pts
2 ダヴィデ・バイス(イタリア/エオーロ・コメタ)144 Pts
3 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア/モビスター チーム)117 Pts
ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 67h 32' 53''
2 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 03' 12''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 51''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 202h 09' 02''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 32' 31''
3 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 40' 26''
リタイア
116 パヴェル・シヴァコフ(フランス/イネオス・グレナディアーズ)
133 サイモン・クラーク(オーストラリア/イスラエル・プレミアテック)
2 ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア/スーダル・クイックステップ)
202 アマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア/トレック・セガフレード)
第17ステージコースマップ
5月24日(水)第17ステージ
ペルジーネ・ヴァルスガーナ > カオルレ
197 km(平坦 ★☆☆☆☆)
総合系が頑張る意味は皆無で、クライマーが争うべき山岳もゼロ。一方で前日の山でさんざん苦しんだに違いないスプリンターたちにとっては、ご褒美のようなステージ。今大会で最も平坦なステージと呼ばれ、開催委員会の言葉通り「地形的な障害物」は一切存在しない。
山を一旦抜け出して、再びプロトンはアドリア海を目指す。しかも海抜530mの地でスタートを切り、海抜1メートルでフィニッシュ。つまりステージの平均勾配はマイナス0.27%で……序盤こそ道がごくわずかに波打っているものの、基本的には延々と下り坂。舗装状態も良い、と開催委員会は太鼓判を押す。
もちろんたとえ平坦路でも、中央分離帯やロータリーには、いつだって注意が必要だ。風向きや風速によっては、なんらかの作戦が発動する可能性だってある。ひたすら南東を目指してきたプロトンは、残り31kmで海岸沿いに出ると、進路を北東に変える。
ただし、グランツール3週目のスプリンターにとって最大の難題はむしろ、追走体制が上手く行かないこと。そもそも生き残っているスプリンターの数自体が少ないのだ。昨大会18日目はグルパマFDJだけが必死に頑張ったが、14秒差で逃げ切りを許してしまった。また誰もが疲労困憊なせいで、プロトン全体が自主的な「休息日」を取ってしまう場合も。2020年第19ステージは、この日と同じく山岳ゼロの完璧平坦ステージだったが、大きな逃げを見逃し、スプリンターを含むメイン集団は約12分遅れでゆっくり走り終えている。
ヴェネツィア近郊のカオルレで、予定通り大集団スプリントフィニッシュに持ち込まれた場合、汗握る展開となること間違いなし。なにしろ最終5kmに、8回の方向転換が待ち受ける。しかもラスト2km以内にある4つの直角コーナーは、道幅にそれほど余裕もない。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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