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サイクル ロードレース コラム 2023年5月19日

【ジロ・デ・イタリア2023 第12ステージ結果速報】30人の巨大な先頭グループは制御不能、抜け出した5人からニコ・デンツがグランツール初勝利!総合勢に変動はなし

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ジロ・デ・イタリア

グランツール区間初優勝、ニコ・デンツ

ブラからリヴォリまで185kmの丘陵ステージ、アクチュアルスタートが切られると逃げ切り勝利を目指す選手たちの加速から始まった、起伏のあるレイアウトで無印の上りに入ると集団は長く伸びた状態で何箇所もの分断がおきている。ダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)とマルコ・フリーゴ(イスラエル・プレミアテック)の2人が少し飛び出し24人程度の集団が追う。

美しいぶどう畑の下りで先頭2人は追いつかれ26人の巨大な先頭グループが形成された。トレック・セガフレードが4人、アスタナ・カザクスタン チーム、イスラエル・プレミアテックは3人、AG2Rシトロエンボーラ・ハンスグローエユンボ・ヴィスマは2人と複数名乗せているチームが混在する。逃げに乗れなかったアルペシン・ドゥクーニンクやエオーロ・コメタとアレッサンドロ・トネッリのアシストをしたいグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ2人がメイン集団から飛び出しブリッジを試みる。

3級ペダッジェーラの山頂はニコ・デンツ(ボーラ・ハンスグローエ)が先頭通過、追走の4人が追いつき30人とさらに大所帯の先頭グループとなった。中間スプリントポイントはマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)、マイケル・マシューズチーム ジェイコ・アルウラー)の順でポイントを積み重ね、市内のラウンドアバウトで先頭を牽引していたデンツ、サムエーレ・バティステッラ(アスタナ・カザクスタン チーム)セバスチャン・バーウィック(イスラエル・プレミアテック)、トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード)、アレッサンドロ・トネッリ(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)の5人が少し抜け出す形となった。

バティステッラはすぐに後方に下り、先頭4人はチャンスとばかりに協調しタイム差はあっという間に30秒、1分、2分と軽快に広げていった。追走に回ってしまったイラン・ファンウィルデル(スーダル・クイックステップ)やアルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・イージーポスト)、ステファノ・オルダーニ(アルペシン・ドゥクーニンク)が追う姿勢を見せるもボーラ・ハンスグローエ、イスラエル・プレミアテック、トレック・セガフレード、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネのメンバーがことごとくアタックを潰す。

J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube

【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第12ステージ|Cycle*2023

雨の補給地点で8分後方にメイン集団ではジャック・ヘイグバーレーン・ヴィクトリアス)が落車に巻き込まれ、追走からはアレックス・ボーダン(AG2Rシトロエン)とクリスティアン・スカローニ(アスタナ・カザクスタン チーム)、ベッティオルが抜け出すことに成功するが、2級峠ブライダの下りでフォルモロやオルダーニのグループに追いつかれている。

先頭グループからトネッリが脱落しデンツ、スクインシュ、バーウィック3人でグランツール区間初優勝をかけてペダルを踏み続ける、3分ついた追走とのタイム差は縮まらず。ラスト12kmでデンツがアタックを仕掛け、スクインシュが追いつき、バーウィックも3kmかけて追いついてきた。

デンツ先頭のままフラムルージュを越え最後の勾配もそのままこなし、バーウィックの加速にあわせスクインシュとデンツも加速、デンツは先頭のまま譲らずガッツポーズでフィニッシュラインへ飛び込んだ。グランツール区間初優勝でスタッフと笑顔で喜びを爆発させた。総合勢は8分19秒後に集団ゴール、リザルトに変動はなかった。

「言葉にならない、逃げのメンバーがすごい選手ばかりで、最後の上りもきつかったけど勝つことができて本当に嬉しい」デンツ勝利後インタビュー

ステージ順位
1 ニコ・デンツ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)in 04h 18' 11''
2 トムス・スクインシュ(ラトビア/トレック・セガフレード),,
3 セバスチャン・バーウィック(オーストラリア/イスラエル・プレミアテック)+ 00' 03''
4 アレッサンドロ・トネッリ(イタリア/グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)+ 00' 58''
5 マルコ・フリーゴ(イタリア/イスラエル・プレミアテック)+ 02' 07''
6 イラン・ファンウィルデル(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 02' 20''
7 アルベルト・ベッティオル(イタリア/EFエデュケーション・イージーポスト),,
8 クリスティアン・スカローニ(イタリア/アスタナ・カザクスタン チーム),,
9 ミヒェル・ヘスマン(ドイツ/ユンボ・ヴィスマ),,
10 アレックス・ボーダン(フランス/AG2Rシトロエン),,
・・・
126 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 20' 44''

個人総合順位
1 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)in 01h 02' 05''
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 00' 02''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 22''
4 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 00' 35''
5 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 28''
6 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 52''
7 エディ・ダンバー(アイルランド/チーム ジェイコ・アルウラー)+ 02' 32''
8 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ),,
9 ローレンス・デプルス(ベルギー/イネオス・グレナディアーズ)+ 02' 36''
10 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエン)+ 02' 48''
・・・
135 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 02h 25' 42''

ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)164 Pts
2 マッズ・ピーダスン(デンマーク/トレック・セガフレード)140 Pts
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ)88 Pts


山岳賞
1 ダヴィデ・バイス(イタリア/エオーロ・コメタ)104 Pts
2 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)50 Pts
3 カレル・ヴァチェク(チェコ/チーム コラテック)36 Pts

ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 49h 02' 27''
2 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)+ 00' 13''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/イネオス・グレナディアーズ)+ 02' 10''


チーム総合順位
1 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)in 147h 02' 35''
2 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 03' 49''
3 EFエデュケーション・イージーポスト(アメリカ)+ 04' 07''


リタイア
188 ハルム・ファンハウケ(ベルギー/チームDSM)
23 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)
13 ミカエル・シュレル(フランス/AG2Rシトロエン)
213 アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア/UAEチームエミレーツ)

第13ステージコースマップ

第13ステージコースマップ

5月19日(金)第13ステージ
ボルゴフランコ・ディヴレア > クラン・モンタナ
199 km(山岳 ★★★★★)

長く厳しい金曜日。元選手にして、今区間招致責任者のS・モラビトが自信を持って送り出す「5つ星」コース。行く手には大会最標高地点「チーマ・コッピ」を含む3つの巨大峠がそびえ立ち、累積獲得標高は5100mにも達する。マリア・ローザ本命たちの真の能力が試され、山岳賞マリア・アッズーラを巡る争いも加速する。

全長207kmのステージは静かに始まる。スタート直後にフランス語圏のアオスタ渓谷に突入すると、序盤60kmはほぼ平坦。リタイアせずにマリア・チクラミーノを追い求める覚悟のスプリンターたちは、49.1km地点の中間ポイントを争いに行くかもしれない。ただし、その後すぐに、生き残りをかけたグルペット態勢に入らねばならぬ。

なにしろ「チーマ・コッピ」グラン・サン・ベルナルドの山道は、全長34kmと、気が遠くなるほど長い。しかも平均勾配こそ5.5%(最大10%)と控えめだが……標高1700mを超えたころから勾配は7.6%に、さらに2000m超で8%に跳ね上がる!

ところでツール・ド・フランスでも過去5回使用された「グラン・サン・ベルナール」の、公式な山開きは例年5月末から6月上旬。だからこそ「昇天祭の週末」にジロ一行が山越えできるかどうかは、すべては天候次第……。地元自治体はBプラン「トンネル通過」も用意しているとのこと。

標高2469mまで上り詰め、山頂でスイスへと入国すると、一転、約30kmもの長い急降下。しかも下りきった先では、休む間もなく、続く1級クロワ・ド・クールの急勾配へ挑みかかる。このグランツール史上初登場となる平均勾配8.8%の山もまた、上れば上るほど残忍さを増していく。全長15.4kmの山道の半ば以降は延々9%超が続き、最終4kmは平均10%超。標高2174mの山頂手前には、最大13%ゾーンも待つ。

クロワ・ド・クールからの20kmのダウンヒルを終えると、ローヌ氷河が作り上げた平原を約20km。谷間を走るこのわずかな時間を利用して、最終登坂に向けて、体制を立て直したい。なにしろ最終峠クラン・モンタナへと至る九十九折の山道(登坂距離13.1km・平均勾配7.2%)は、他の2峠とは違い、登り始めにいきなりガツンと13%ゾーンを迎える。

今大会唯一の外国フィニッシュであり、2025年にMTB世界選手権を開催するスイスのヴァレー州にとっては、60年ぶりのジロ通過。また1984年ツール第20ステージでローラン・フィニョンの勝利を見届けたクラン・モンタナで、国際的ロードレースが争われるのは2013年ツール・ド・スイス以来。ちなみに10年前に両手を挙げたのはバウケ・モレマで、3位はティボー・ピノだった。


ステージ本番の3日前、5月16日に急遽、コースの変更が発表された。

グラン・サン・ベルナルドに大量の降雪と、なにより雪崩の危険性があることから、山頂までの登坂路の迂回が決定された。2023年ジロ最高標高地点を予定していた標高2469mには至らず、「プランB」である標高1878mのトンネルを通過し、スイス側へと進入する。

自ずと走行距離は207kmから199kmへと短縮。累積獲得標高も5100mから、計算上では約4500mへと大幅に少なくなる。

また肝心の大会最高標高地点「チーマ・コッピ」の名誉は、第19ステージのトレ・チーメ・ディ・ラヴァレド2304mに冠されることに。

高低差図

高低差図

ステージ詳細テキスト:宮本あさか

J SPORTS編集部

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