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【ジロ・デ・イタリア2023 第6ステージ結果速報】ベテラン逃げ巧者2人がラスト300mでつかまり、マッズ・ピーダスンが全てのグランツールで区間優勝を果たす
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部ラスト300mで逃げの2人をとらえ集団スプリント勝負、勝者はマッズ・ピーダスン
晴天に恵まれたナポリ発着162kmの平坦ステージ、アクチュアルスタートのフラッグが振られアレッサンドロ・デマルキ(チーム ジェイコ・アルウラー)が幾度となく仕掛けるも逃げは簡単には決まらず、集団ではフェルナンド・ガビリア(モビスター チーム)とジョナサン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)が落車に巻き込まれた。
デマルキにフランチェスコ・ガヴァッツィ(エオーロ・コメタ)が追いつき、その後アレクサンドル・ドゥレットル(コフィディス)、サイモン・クラーク(イスラエル・プレミアテック)、チャーリー・クオーターマン(チーム コラテック)が合流、5人の先頭グループが形成され中間スプリントポイントはクオーターマンが先頭通過。
2級ヴァリコ・ディ・キウンズィの上り、メイン集団ではイネオス・グレナディアーズがペースアップをはかり5分半あったタイム差が4分台に、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)は早々についていけなくなった。
山頂をガヴァッツィが先頭で越え、アマルフィ海岸へと向かう下りは連続するコーナーが、美しい街並みと紺碧の海岸線は起伏とうねりが延々と続く。3級ピッコ・サンタンジェロで先頭グループはデマルキとクラークの2人だけになり、デマルキが山頂を先頭通過、メイン集団は2分15秒、カヴェンディッシュは7分半後方に位置する。
ソレントの中間スプリントポイントはクラークが先頭通過、残り距離30kmを切ってもタイム差は2分20秒とほとんど縮まっておらず、メイン集団がペースを上げ追いかける。残り距離15.5km、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)がバイク交換で遅れ、チームメート2人に引き上げてもらう。今度はイネオス・グレナディアーズのゲラント・トーマスがチェーントラブルで遅れやはりチームタイムトライアル状態で追いかける。
残り距離10kmでタイム差は1分、5kmで40秒、2kmで24秒と逃げ切るかと思いきや、フラムルージュを越えると2人の脚は止まってしまい、怒涛の追い上げのメイン集団からガビリアがロングアタック、残り距離300mでデマルキとクラークを追い抜き、番手についたマッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード)がガビリアを追い抜きジロ区間初優勝、ピーダスンは全てのグランツールでの区間優勝達成者となった。
「勝利のために来たので本当に嬉しい、チームメートが全力を尽くしてくれたので報いることができてよかった、前の2人が強かったのでスプリンターチームのアシスト全員使わないと追えなかった、ガビリアがロングスプリントしてくれたので、ついていくことができたのはラッキーだった」ピーダスン勝利後インタビュー
J SPORTS サイクルロードレース【公式】YouTube
【ハイライト】ジロ・デ・イタリア 第6ステージ|Cycle*2023
ステージ順位
1 マッズ・ピーダスン(デンマーク/トレック・セガフレード)in 03h 44' 45''
2 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ/UAEチームエミレーツ),,
4 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク),,
5 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/モビスター チーム),,
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム ジェイコ・アルウラー),,
7 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア/エオーロ・コメタ),,
8 マリウス・マイヤーホーファー(ドイツ/チームDSM),,
9 ロレンツォ・ロータ(イタリア/アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ),,
10 シモーネ・ヴェラスコ(イタリア/アスタナ・カザクスタン チーム),,
・・・
148 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス),,
個人総合順位
1 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)in 22h 50' 48''
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 00' 28''
3 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエン)+ 00' 30''
4 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 01' 00''
5 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)+ 01' 12''
6 ゲラント・トーマス(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 26''
7 アレクサンドル・ウラソフ(/ボーラ・ハンスグローエ),,
8 トムス・スクインシュ(ラトビア/トレック・セガフレード)+ 01' 29''
9 テイオ・ゲイガンハート(イギリス/イネオス・グレナディアーズ)+ 01' 30''
10 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア/エオーロ・コメタ)+ 01' 39''
・・・
159 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01h 01' 39''
ポイント賞
1 ジョナサン・ミラン(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)110 Pts
2 カーデン・グローブス(オーストラリア/アルペシン・ドゥクーニンク)99 Pts
3 マッズ・ピーダスン(デンマーク/トレック・セガフレード)83 Pts
山岳賞
1 ティボー・ピノ(フランス/グルパマ・エフデジ)40 Pts
2 アマヌエル・ゲブレイグザビエル(エリトリア/トレック・セガフレード)26 Pts
3 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエン)22 Pts
ヤングライダー賞
1 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー/チームDSM)in 22h 50' 48''
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/スーダル・クイックステップ)+ 00' 28''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 01' 00''
チーム総合順位
1 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)in 68h 36' 13''
2 ユンボ・ヴィスマ(オランダ)+ 01' 49''
3 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 02' 15''
リタイア
167 クレモン・ルッソ(フランス/チーム アルケア・サムシック)
第7ステージコースマップ
5月12日(金)第7ステージ
カプア > グラン・サッソ・ディタリア(カンポ・インペラトーレ)
218 km(山岳 ★★★★☆)
開幕から1週間。いわゆる「総合で誰が勝つのかはいまだ分からないが、誰が勝てないのかは判明する」日がやってきた。とびきり長いステージの果ての、ひどく長い山道と、ひときわ高い頂が、2023年ジロのマリア・ローザ候補を大きく絞り込む。
今大会で2番目に長い218kmのステージは、徐々にクレシェンドしていく。序盤約70kmは微妙に上り基調ではあるものの、いわゆる平坦路。しばらく南に留まっていたジロ一行は、開幕の地アブルッツォ州を目指して、真っ直ぐ北上する。
ステージ半ばで、イタリア半島を貫くアペニン山脈への横断を開始する。まずは無印の峠で小手調べ。そうはいっても勾配5%程度の上りが10kmも続く。さらには休む間もなく2級ロッカラーゾへ(登坂距離6.9km、平均勾配6.5%、最大12%)。ただしステージ中盤の起伏は、単なる前菜に過ぎない。その後しばらくは台地と、40km近くも続く長い下りを行く。一旦レースは仕切り直し。上りで千切れた選手たちも、遅れを取り戻すチャンスは十分にある。
ステージ最終4分の1に入ると、いよいよ本番突入。なにしろ最終盤は……2級カラーシオ13.5km+ほぼ下りのない台地5.5km+1級グラン・サッソ26.4km=46.8kmとほぼ登りっぱなし。前半カラーシオ(平均勾配6%、最大10%)がほぼ一定勾配が続き、淡々とリズムを刻める上りなら、後半グラン・サッソの大半は勾配が緩やかで、しかも上ったり下りたりを繰り返す。平均勾配もたったの3.4%でしかない。
しかし13世紀シチリア王により「皇帝の高原(カンポ・インペラトーレ)」と命名され、16世紀の詩人に「イタリアの巨大な石(グラン・サッソ・ディタリア)」と謳われ、1999年にマルコ・パンターニが独走勝利を飾ったこの地の、本当の神々しさは、ラスト4.5kmに凝縮されている。平均勾配はいきなり8.2%に跳ね上がり、最大13%にまで達する。さらに残り2.5kmで、今大会初めて、標高は2000mを超える。
実は2018年大会第9ステージとコースプロファイルはほぼ同じ。使用される3つの山岳も完全に一致する。あの日はラスト1kmまで1ダースの選手たちが先頭に残っていた。いまだ雪の残るアペニン山脈最高峰で、マリア・ローザ姿のサイモン・イェーツが、鮮やかに小集団スプリントを制している。
高低差図
ステージ詳細テキスト:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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