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【Cycle*2022 UCI世界選手権大会 女子エリート 個人タイムトライアル:レビュー】女王エレン・ファンダイクが母国に3年連続の栄冠を持ち帰る「正直に言って、サプライズでした」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「とにかく最後まで戦い抜くことが出来ました。最終盤で前方に選手が走っているのが見えて、今日が『バッドデー』などではないことも確信していたんです。でも、正直に言って、サプライズでした」(ファンダイク)
2013年フィレンツェ大会で初めてマイヨ・アルカンシェルを身にまとってからの1年は、世界チャンピオンとしての重圧に苦しみ、1年前のフランドル大会からの1年間は、「ジャージを着て過ごすあらゆる時間を楽しんだ」。果たしてこの先の1年は、どんな素敵な毎日が待っているのだろうか。凄まじい集団牽引役としても知られるファンダイクは、少なくともあと2年はプロ契約を残している。2024年パリ五輪での金メダル獲得を視野に入れるが、その前に、2023年世界選手権で、ジャンニ・ロンゴ(フランス)の誇る史上最多4勝に肩を並べるための挑戦が待っている!
また母国オランダにとっては、3年連続の女子エリート個人タイムトライアル制覇。勝利数ではタイで並んでいたアメリカを突き放し、史上単独最多となる8回目の栄光を手に入れたことになる。残念ながら、この独走種目で過去2度の世界制覇と東京五輪金メダルを誇る同朋アネミエク・ファンフルーテン(オランダ)は、本人にとっては予想外の「バッドデー」で7位に沈んだが……。
銀メダルには地元オーストラリアのグレース・ブラウンが飛び込んだ。2年前の世界選では個人TT初出場で5位、昨夏は初めての五輪で個人TT4位、この夏は初めてのコモンウェルス大会で個人TT優勝……とタイムトライアル界で近年急速に実績を積み重ねてきた30歳は、目標(表彰台)と夢(優勝)を抱いていて大会に乗り込んだという。
出場42選手中10番目にスタートを切ると、ブラウンが飛ぶようにコースを駆け抜けた。最後の1人にトップタイムを塗り替えられるまで、約1時間45分に渡って、笑顔でホットシートを温め続けた。つまり、あわや夢を叶えかけ、最後はしっかりと目標をつかみ取った。ファンダイクには12.73秒及ばなかったけれど、最終9.7kmのタイムだけは、9.35秒上回る世界1位だった!
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