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【Cycle*2022 UCI世界選手権大会 男子エリート 個人タイムトライアル:プレビュー】世界最速を決める争い!レムコらライバルとのバトルを制して「トップガンナ」3連覇達成なるか
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかガンナvsレムコの一騎打ちに割り込もうと、スイスの2人組……欧州選手権2回優勝シュテファン・キュングとこの夏の欧州王者シュテファン・ビッセガーも奮闘すること間違いなし。なにしろ偉大なる母国の先輩ファビアン・カンチェッラーラが、人生4度目にして最後の世界タイトルを勝ち取ったのは、2010の年オーストラリア大会だった。
タデイ・ポガチャルやイーサン・ヘイター、マッテオ・ソブレロ、レミ・カヴァニャにも初めての表彰台乗りが期待されるが、残念ながら春の南半球には、必ずしも最高の選手たちが集結するわけではない。東京五輪個人TT金メダリストのプリモシュ・ログリッチは、ブエルタの落車事故の影響で、豪州行きを諦めた。元世界王者で五輪2位のトム・デュムランは、オーストラリアで有終の美を飾るつもりだったが、予定より早い8月半ばに選手活動を終えた。
ガンナの前に世界選で2連覇したローハン・デニス(オーストラリア)は、母国の大会を自らの意思で欠場する。なんと家族の結婚式を優先したとのこと。ただし最終的な結論を導いた理由は、距離が「短すぎる」こと。優勝した2大会はいずれも50km超のロングコースだったが、女子エリート(&女子アンダー23)と同じコースが使用される2022年大会は、デニスに言わせればたったの34.2kmでしかない。
ウーロンゴンの市街地に描かれた約17kmの周回は、高い巡航速度で飛ばせるコースでもなさそうだ。タイムテーブルにびっしり書き込まれた指示によると、1周回あたりカーブ28回、ロータリー2回、シケイン3回、スピードハンプ10回、中央分離帯5回、細道注意11回!つまり休みなくハンドリングとブレーキングを要する、とてつもなく難解なコースに出来上がっている。
しかもロードレースで使用される周回を、ほんの少しアレンジした個人TTサーキットの前半には、マウント・アウスリー(全長700m、平均勾配6.7%)も立ちはだかる。最終盤は比較的直線路が続くものの、海岸に近く、海風の影響も懸念される。決して一筋縄では行かないのだ。
開催委員会の試算によれば、41分前後の全力疾走。そして虹色の栄光は、この先1年間続くのだ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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