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【ジロ・デ・イタリア2022 第19ステージ結果速報】クーン・ボウマンが山岳ポイント収集成功&今大会区間2勝目!
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部クーン・ボウマンは今大会2勝目&マリア・アッズーラ
マラーノ・ラグナーレからサンチュアリオ・ディ・カステルモンドまで178kmの丘陵ステージ、立ちはだかるのは3級2つ、1級、2級。アクチュアルスタートが切られると勢いよく飛び出した選手たちによってプロトンは一気に縦に伸び、最初にできた小集団は飲み込まれハイペースのままレースは進む。
少しだけタイムギャップをつけたマグナス・コルト(EFエデュケーション・イージーポスト)ら4人にマウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル)、クーン・ボウマン、エドアルド・アッフィニ(共にユンボ・ヴィスマ)らが追いつき12人での先頭グループが形成された。
メイン集団から最大で11分のタイム差を広げた先頭グループは、フェルナンド・ガビリア(UAEチームエミレーツ)が中間スプリントポイントを先頭通過、2つの3級峠をマリア・アッズーラ着用のボウマンが先頭通過。メイン集団ではボーラ・ハンスグローエがペースアップをはかり、今シーズンでの引退を発表しているリッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ)が早々に遅れそのままリタイア、キャリア最後のグランツールはここまでとなった。リチャル・カラパスの最終盤の山岳アシストとして力強く牽引する勇姿が連日見られていた。
国境を越えスロベニアに入ると、沿道に詰めかけた観客から声援と歓迎を受け、細く険しい1級コロヴラット峠もボウマンが先頭通過、数字上で山岳賞を確定させ最終日のヴェローナまで完走すればマリア・アッズーラを持ち帰ることができる。上りで遅れたアンドレア・ヴェンドラーメ(AG2Rシトロエン)とアレッサンドロ・トネッリ(バルディアーニCSFファイザネ)がボウマン、シュミット、アッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ)に追いつき協調体制でフィニッシュ地を目指す。
縮小したメイン集団を牽引していたボーラ・ハンスグローエが、残り距離15kmを切ったところ、先頭グループまで7分弱後方で突如脚を踏みやめている。先頭5人が2級サンチュアリオ・ディ・カステルモンドに入ると、誰もが脚を休めながら最後の瞬間への体力温存をしつつ上っている。メイン集団はイネオス・グレナディアーズの牽引でペースが戻っているが9分近く後方のまま。
ラスト7kmの登坂を牽制状態のまま上りきりラスト200mでボウマンがスプリントを開始、先頭のシュミットも加速し、最初にコーナーに入ったボウマンがガッツポーズをしながらフィニッシュラインに飛び込んだ。ラインがずれたシュミットとその外側にいたヴェンドラーメがコースアウト、後続ヴァルテルもコースから外れてしまった。
総合争いはカラパス、ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)、ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)がアタックを仕掛け合うも決まらず、最後はスプリントでフィニッシュラインに雪崩込み、タイム差なしの同着、決戦のゆくえはドロミテ山塊へと持ち込まれた。
「マリア・アッズーラのためのポイント収集がうまくいったので嬉しい、最終コーナーでは幸運にもベストポジションにいたので勝利することができた」ボウマン、勝利後インタビュー
第19ステージ結果
1 クーン・ボウマン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)in 04h 32' 55''
2 マウロ・シュミット(スイス/クイックステップ・アルファヴィニル),,
3 アレッサンドロ・トネッリ(イタリア/バルディアーニCSFファイザネ)+ 00' 03''
4 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー/グルパマ・エフデジ)+ 00' 06''
5 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア/AG2Rシトロエン)+ 00' 10''
6 トビアス・バイヤー(オーストリア/アルペシン・フェニックス)+ 02' 45''
7 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 03' 49''
8 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)+ 03' 56''
9 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ),,
10 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス),,
個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)in 81h 18' 12''
2 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 03''
3 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 05''
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア/アスタナカザクスタン チーム)+ 05' 53''
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 06' 22''
6 ヤン・ヒルト(チェコ/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+ 07' 15''
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 08' 21''
8 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+ 12' 55''
9 フアン・ロペス(スペイン/トレック・セガフレード)+ 15' 29''
10 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 17' 10''
ポイント賞
1 アルノー・デマール(フランス/グルパマ・エフデジ)254 Pts
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/UAEチームエミレーツ)136 Pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/クイックステップ・アルファヴィニル)132 Pts
山岳賞
1 クーン・ボウマン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)294 Pts
2 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)103 Pts Pts
3 ディエゴ・ローザ(イタリア/エオーロ・コメタ)94 Pts
ヤングライダー賞
1 フアン・ロペス(スペイン/トレック・セガフレード)in 81h 33' 41''
2 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 05' 11''
3 パヴェル・シヴァコフ(フランス/イネオス・グレナディアーズ)+ 18' 32''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 244h 06' 06''
2 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)+ 02' 36''
3 イネオス・グレナディアーズ(イギリス)+ 01h 09' 16''
第19ステージのリタイア
4 リッチー・ポート(オーストラリア/イネオス・グレナディアーズ)
83 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル/ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
コースマップ
第20ステージ 5月28日(土)午後7:00 - 深夜1:15/J SPORTS 4
[区間] ベッルーノ > マルモラーダ 168km(山岳 ★★★★★)/マリア・ローザ争いクライマックス 最難関ステージ「タッポーネ」
■コースの特徴
3週間かけてクレシェンドしてきた総合争いが、最終日前日に、クライマックスを迎える。ドロミテ山塊で繰り広げられる、2022年ジロ最難関ステージ「タッポーネ」。マリア・ローザを追い求める者は、長い上り、標高、そして激勾配と、あらゆる難関を攻略せねばならない。
ステージ半ばに立ちはだかるのは1級サン・ペッレグリーノ。データ上の登坂距離は18.5kmだが、実質は延々50kmもじわじわと上り続ける。また平均勾配は6.2%ながら、山頂手前6kmだけなら9%。15%ゾーンも待ち受ける!
標高2239mの高みから、ポルドイ峠は史上41度目のジロ通過を見守る。なにより大会最高標高地点「チーマ・コッピ」の使命を帯びるのは14度目にして……なんと20年ぶり!登坂距離は11.8km、平均勾配6.8%。標高2100mを超え、酸素が限りなく薄くなった後に、最大10%ゾーンも通過する。
そして今大会最後の山頂フィニッシュの舞台には、マルモラーダの1級フェダイア峠(14km、7.6%)が選ばれた。11年ぶりにジロに帰ってくるこの上りは、残り5.5km地点からしばらくほぼ真っ直ぐな道が続くことで知られる。つまり勾配を抑えるための工夫が、一切凝らされておらず、自ずと直線路の勾配は11.8%まで跳ね上がる。
残り2.6kmで最大18%に達したところで、さすがにジグザグ路が登場するのだけれど……勾配は下がらない。それどころかフィニッシュ手前数百メートルまで、12%の勾配が続く。最後の一漕ぎまで、決して脚を緩めることは許されないのだ。
標高2057mの高みへと向けた、大会最後の直接総合バトルで、総合表彰台の顔ぶれはほぼ確定するはずだ。ただしハンガリーからすでに3420km以上走り続けてきた選手たちは、あと1日、孤独な真剣勝負に挑まねばならない。最終日のフィニッシュラインを越えるまで、ジロの戦いは終わらない。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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