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サイクル ロードレース コラム 2022年5月25日

【ジロ・デ・イタリア2022 第16ステージ結果速報】ヤン・ヒルトが難関山岳ステージを逃げ切り独走勝利、カラパスが総合首位をキープ

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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目標だったジロ区間優勝を果たしたヤン・ヒルト

目標だったジロ区間優勝を果たしたヤン・ヒルト

今大会最高5250mの獲得標高を誇る山岳ステージは舞台をスイス国境近くに移す、サローからアプリカまで202km、3つの巨大山岳が立ちはだかる。ゼロkmスタート地点では今年の3月のレース直後に心肺停止に陥ったソンニ・コルブレッリが元気な姿を見せた。

スタートが切られるとマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)の鋭い加速でプロトンは縦長に伸びパスカル・エーンコーン(ユンボ・ヴィスマ)、トーマス・デヘント(ロット・スーダル)、マーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル)ら6人のグループがタイムギャップをつけることに成功。

1級ゴレット・ディ・カディーノに入るとカヴェンディッシュが離れた5人の先頭グループに追走が合流し22人のグループへ。ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)、クーン・ボウマン(ユンボ・ヴィスマ)の順で山頂を通過、メイン集団は2分後方。20kmのダウンヒルでマッティア・バイス(ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)が落車、ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ)がメカトラで遅れるも先頭グループに追いついている。

補給ポイントで抜け出した8人の先頭グループでボウマンが中間スプリントポイントを先頭通過、アスタナカザクスタン チームがペースアップをはかるメイン集団に対し5分のタイムギャップを持って1級モルティローロへ、沿道に大勢の観客が詰めかけた名峰をボウマンが先頭通過。ダウンヒルで総合タイム1分1秒で5位につけるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が落車し、この日4分11秒遅れでフィニッシュ、総合タイム+3分48秒で6位へと順位を落としている。

タイムボーナスポイントが設置された無印峠の上りでレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。ケムナが先頭通過しダウンヒルで抜け出し単独先頭へ、追走に1分弱のタイム差をつけて最終峠ヴァルヴィーコ・ディ・サンタ・クリスティーナへ。テイメン・アレンスマン(チームDSM)とヤン・ヒルト(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)が追い、ラスト8.6kmでケムナを追い抜き、アレンスマンを突き放したヒルトは山頂を先頭通過、濡れた路面の下りもうまくこなし、7.8km独走でグランツール初区間優勝を飾った。

リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ)は直接のライバルを振り落とすために何度か攻撃を仕掛けるもジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ)とミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)は貼り付いたまま。アレハンドロ・バルデルデ(モビスター チーム)を含めた4人で集団スプリント勝負、ヒンドレーが区間3位で4秒のタイムボーナスを獲得、カラパスとの総合タイム差を+7秒から+3秒に近づけている。

「今日はとにかく逃げに乗りたかった、変速トラブルや脚が攣ったりもしたけど、勝ちたい気持ちを勝利に結びつけることができた、ずっと願い続けたステージ優勝できて嬉しい」ヒルト、勝利後インタビュー

第16ステージ結果
1 ヤン・ヒルト(チェコ/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)in 05h 40' 45''
2 テイメン・アレンスマン(オランダ/チームDSM)+ 00' 07''
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 24''
4 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ),,
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム),,
6 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス),,
7 レナード・ケムナ(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 38''
8 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ),,
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア/アスタナカザクスタン チーム)+ 02' 06''
10 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 02' 13''

個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)in 68h 49' 06''
2 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 03''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 44''
4 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 59''
5 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア/アスタナカザクスタン チーム)+ 03' 40''
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+ 03' 48''
7 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 03' 51''
8 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 04' 45''
9 ヤン・ヒルト(チェコ/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+ 07' 42''
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム)+ 09' 04''

ポイント賞
1 アルノー・デマール(フランス/グルパマ・エフデジ)238 Pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/クイックステップ・アルファヴィニル)121 Pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/UAEチームエミレーツ)117 Pts

山岳賞
1 クーン・ボウマン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)167 Pts
2 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)99 Pts Pts
3 ディエゴ・ローザ(イタリア/エオーロ・コメタ)92 Pts

ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 68h 49' 50''
2 フアン・ロペス(スペイン/トレック・セガフレード)+ 09' 11''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/チームDSM)+ 09' 39''

チーム総合順位
1 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)in 206h 33' 39''
2 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 06' 58''
3 アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ(ベルギー)+ 32' 14''

第16ステージのリタイア
128 ロイック・ヴリーヘン(ベルギー/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
81 ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア/ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)
92 ヨナタン・カイセド(エクアドル/EFエデュケーション・イージーポスト)


コースマップ

コースマップ

第17ステージ 5月25日(水)午後9:00 - 深夜1:15/J SPORTS 4
[区間] ポンテ・ディ・レンニョ > ラヴァローネ 168km(山岳 ★★★★☆)/選手たちの脚をたっぷりと痛めつけるレイアウト

■コースの特徴
たしかに0km地点から、いきなり上りが始まる。過去幾度となく通過し、区間フィニッシュ地の経験も2度あるトナーレ峠へ、8.7kmかけてよじ登らねばならない。ただ普通なら2級に該当する山ではあるけれど、今回は山岳ポイントは配分されない。また山頂を越えれば、その後は約70kmも続く長い長い下り坂だ。

ステージの折り返し地点に差し掛かる頃、勾配は再びプラスに転じる。まずは40kmにわたって続くモケウニ渓谷の細かいアップダウン。それからフィニッシュまでの残り45kmで、2つの大きな起伏が、選手たちの脚をたっぷりと痛めつける。

1つ目の1級ヴェトリオーロ(登坂距離11.8km、平均勾配7.7%、最大12%)は、ジロにとって、歴史的な上り。1988年大会、この山での個人タイムトライアルを制したハンプステンが、史上初の欧州出身「以外」のジロ総合優勝を確実なものとしている。ただ今回の審判役は、むしろ2つ目の1級モンテロヴェーレが務める。なにしろ全長7.9kmの山道は、ヘアピンカーブ満載で、平均勾配は9.9%。ちなみに前半が9.3%で、後半は平均11.2%・最大15%!

爆発的な加速で山頂を越えたら、フィニッシュまでは残り7.9km。改めて下って上り、さらにもう1度、下って上る。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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