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サイクル ロードレース コラム 2022年5月23日

【ジロ・デ・イタリア2022 第15ステージ結果速報】ジュリオ・チッコーネが山岳ステージで輝きを取り戻す、ラスト18.8km独走勝利!

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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困難を乗り越え掴んだ勝利!ジュリオ・チッコーネ

困難を乗り越え掴んだ勝利!ジュリオ・チッコーネ

休息日前の難関山岳ステージはリヴァローロからコーニュまでの178km、1級山岳2つのあとで2級山頂フィニッシュ。アクチュアルスタートが切られるとアタックしたい選手たちが加速、プロトンは縦長になり前方にマリア・チクラミーノ着用のアルノー・デマール(グルパマ・エフデジ)やマリア・アッズーラ着用のディエゴ・ローザ(エオーロ・コメタ)の姿も見られる。

6.6km進んだところで集団落車が発生、マリア・ローザ着用のリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ)やサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ)が道脇の草むらに放り出されたが深刻なダメージはなく、すぐに再スタートしている。

レース開始から50km過ぎても逃げは決まらず、最初の1時間の平均時速51.9km/h、残り距離100kmを切ったところでメイン集団はようやく逃げを容認、飛び出していた幾つかの小集団がさらにアタックを仕掛け、中間スプリントポイントをドリース・デボント(アルペシン・フェニックス)が先頭通過。

1級ピラを28人の先頭グループが上り始めクーン・ボウマン(ユンボ・ヴィスマ)が単独アタックで山頂を先頭通過、山岳ポイントを109ポイントに伸ばし暫定首位へ。ダウンヒルでマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)とマーティン・トゥスフェルト(チームDSM)がボウマンに追いつき、3人で1級ヴェロ―ニュを上り始める。

追走グループはメルハウィ・クドゥス(EFエデュケーション・イージーポスト)の牽引で先頭3人までのタイム差を1分弱にまで縮め、ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)、サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス)、アントニオ・ペドレロ(モビスター チーム)、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)が加速。先頭からボウマンが遅れ、チッコーネ、ブイトラゴ、ペドレロがファンデルプールを躱し、トゥスフェルトはついていく。

チッコーネが再三のアタックで同行者を振り落としに掛かるも、ブイトラゴとペドレロは離れない、30秒後方にトゥスフェルト、ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ)、ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・イージーポスト)が迫っている、5分後方のメイン集団からギヨーム・マルタン(コフィディス)が抜け出しても静観している。チッコーネが山頂を先頭通過、カーシーが追いつき4人でコーナーが連続するテクニカルな下りをこなしていく。

コスタとトゥスフェルトも合流した6人の先頭グループで最終峠2級コーニュへ。上り始めでチッコーネがアタック、追いついてきた3人を置き去りにし、カーシーのアタックには自らチェック。残り距離18.8kmでカーシーを突き離すと独走を開始、軽快なペダリングは緩むことなく山頂まで続き万感の表情でサングラスを放り投げ復活の区間優勝を果たした、ジロ区間通算3勝目。マリア・ローザのグループは7分48分後に集団フィニッシュ、 総合勢に大きな変動はなかった。

「ゴールスプリントで勝てる確信がなかったので独走を選んだ、この勝利はこれまでの中でも一番嬉しい、苦しい2シーズンを乗り越えてつかんだ勝利、ラッキーな瞬間の訪れをずっと待っていた」チッコーネ、勝利後インタビュー

第15ステージ結果
1 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)in 04h 37' 41''
2 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 31''
3 アントニオ・ペドレロ(スペイン/モビスター チーム)+ 02' 19''
4 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・イージーポスト)+ 03' 09''
5 マーティン・トゥスフェルト(オランダ/チームDSM)+ 04' 36''
6 ルカ・コヴィリ(イタリア/バルディアーニCSFファイザネ)+ 05' 08''
7 ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア/ドローンホッパー・アンドローニジョカトリ)+ 05' 27''
8 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード),,
9 ハイス・リームライゼ(オランダ/ユンボ・ヴィスマ),,
10 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 06' 06''
・・・
13 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)+ 07' 48''

個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス・グレナディアーズ)in 63h 06' 57''
2 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00' 07''
3 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00' 30''
4 ミケル・ランダ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 59''
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア/アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)+ 01' 01''
6 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 52''
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 58''
8 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア/アスタナカザクスタン チーム)+ 02' 58''
9 フアン・ロペス(スペイン/トレック・セガフレード)+ 04' 04''
10 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 08' 02''

ポイント賞
1 アルノー・デマール(フランス/グルパマ・エフデジ)238 Pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/クイックステップ・アルファヴィニル)121 Pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/UAEチームエミレーツ)117 Pts

山岳賞
1 クーン・ボウマン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)109 Pts
2 ディエゴ・ローザ(イタリア/エオーロ・コメタ)92 Pts Pts
3 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア/ボーラ・ハンスグローエ)62 Pts

ヤングライダー賞
1 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)in 63h 07' 27''
2 フアン・ロペス(スペイン/トレック・セガフレード)+ 03' 34''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/チームDSM)+ 11' 17''

チーム総合順位
1 ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)in 189h 24' 11''
2 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)+ 01' 02''
3 アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ(ベルギー)+ 11' 49''

第15ステージのリタイア
32 ヴァレリオ・コンティ(イタリア/アスタナカザクスタン チーム)


コースマップ

コースマップ

第16ステージ 5月24日(火)午後5:50 - 深夜1:15/J SPORTS 4
[区間] サロー > アプリカ202km(山岳 ★★★★★)/戦いの舞台はジロ伝統の勝負地、イタリア北東部の山地へ

■コースの特徴
最後の休息日を終え、大会もいよいよ3週目に突入。戦いの舞台をジロ伝統の勝負地、イタリア北東部の山地に移し、マリア・ローザ争奪戦は最後の熾烈な6日間へと走り出す。

第11ステージの「食」に続いて、この日は「ワイン」に捧げられるステージ。フューチャーされるのは「スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ」で、2026年冬季五輪のスキー競技会場となるヴァルテッリーナ地方で造られる赤ワインのこと。つまり今ステージは、ワインと同時に、五輪をアピールする機会でもある。

もちろん選手たちには、お祭り気分に酔いしれている余裕などない。なにしろイタリア最大ガルダ湖のほとりから走り出すと、今大会最高5250mの獲得標高を攻略せねばならない!

ステージ序盤に長い1級峠を攻略したら、続くはジロ屈指の名峰モルティローロ(12.6km、7.6%、16%)。今回はより緩やかな南側からの上りではあるものの、中盤と最終盤には、9%後半ゾーンがそれぞれ3kmずつ待ち受ける。下った後には中間ポイントが設置されているが……ここも5.6km、平均8.6%、最大16%の立派な山岳だ。

ただし本日のメインは1級ヴァルヴィーコ・ディ・サンタ・クリスティーナ(13.5km、8.0%、13%)。なんと最終盤の6.6kmに渡って勾配10%超が続く。1994年大会、山頂まで残り5kmを切ってアタックしたパンターニが、後続のインドゥラインを山頂で3分20秒も突き放したことでも知られる、伝説の激坂だ。

山頂で戦いは終わらない。フィニッシュ地のアプリカまでは、4.6kmのダウンヒル+1.5kmの上り基調。28年前のインドゥラインは、この下りでタイムを縮めるどころか、さらに引き離されている。

高低差図

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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