サイクルロードレースコラム 2021年8月19日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 第5ステージ結果速報】ラスト200mを最速で走り切ったフィリプセンが今大会区間2勝目、総合首位はエリッソンドへ

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部

今大会2勝目を挙げたヤスパー・フィリプセン

タランコンからアルバセテまで184.4kmの平坦ステージ、風車の多い地域のため横風が懸念される。ゼロkm地点でアタックしたペラヨ・サンチェス（BBH）、シャビエル・アスパレン（EUS）、オイエル・ラスカノ（CJR）の3人が抜け出し、タイム差は最大で7分にまで広がった。

アルペシン・フェニックス、ドゥクーニンク・クイックステップ、グルパマFDJとスプリンターを抱えるチームがメイン集団を牽引すると、先頭グループとのタイム差は一気に2分台にまで回復、逃げ切り勝利は容認しない構え。

中間スプリントポイントはラスカノが、メイン集団ではヤスパー・フィリプセン（アルペシン・フェニックス）、アルノー・デマール（グルパマFDJ）がポイントを重ねている。残り距離34.4kmで先頭グループのサンチェスが遅れ、その12km後にはアスパレンがついて行けなくなった。独走のラスカノはラスト15.7kmで吸収されたが敢闘賞を獲得している。

横風に注意しながら各チームが隊列を組んで速度の上がった残り距離11.7km、集団中程で大規模な落車が発生。マイヨ・ロホ着用のレイン・タラマエ（アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ）、ロマン・バルデ（チームDSM）、ミケル・ニエベ（チームバイクエクスチェンジ）、セップ・ファンマルク（イスラエル・スタートアップネイション）らが巻き込まれ総合タイムを失った。

アルペシン・フェニックスやボーラ・ハンスグローエ、ドゥクーニンク・クイックステップ、UAEチームエミレーツらの隊列がフラムルージュを潜り右カーブを曲がり、フィリプセンがラスト200mでスプリントを開始、後続を寄せ付けず先頭のままフィニッシュラインへ、今大会2勝目とポイント賞で再び首位に躍り出た。

総合首位のタラマエは2分21秒遅れでフィニッシュ、集団ゴールした総合2位のケニー・エリッソンド（トレック・セガフレード）が総合首位へ、マイヨ・ロホに袖を通した。

「美しい勝利、ラスト5kmはチームが一丸となってフィニッシュに向かって走ることができた、お互いのために走れる素晴らしいチームに感謝したい」フィリプセン、勝利後インタビュー

Cycle*2021 ブエルタ・ア・エスパーニャ

ハイライト動画第5ステージ

第5ステージ結果
１　ヤスパー・フィリプセン（ベルギー／アルペシン・フェニックス）in 04h 24' 41''
２　ファビオ・ヤコブセン（オランダ／ドゥクーニンク・クイックステップ）-
３　アルベルト・ダイネーゼ（イタリア／チームDSM）-
４　フアン・モラノ（コロンビア／UAEチームエミレーツ）-
５　ピート・アレハールト（ベルギー／コフィディス）-
６　ジョン・アベラストゥリ（スペイン／カハルラル・セグロスRGA）-
７　ジョルディ・メーウス（ベルギー／ボーラ・ハンスグローエ）-
８　リカルド・ミナーリ（イタリア／アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ）-
９　レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ（南アフリカ／チームクベカ・ネクストハッシュ）-
10　アルノー・デマール（フランス／グルパマFDJ）-
・・・
124 新城幸也（日本／バーレーン・ヴィクトリアス）+ 00h 02' 08''

個人総合順位
１　ケニー・エリッソンド（フランス／トレック・セガフレード）in 17h 33' 57''
２　プリモシュ・ログリッチ（スロベニア／ユンボ・ヴィスマ）+ 00h 00' 05''
３　リリアン・カルメジャーヌ（フランス／AG2Rシトロエンチーム）+ 00h 00' 10''
４　エンリク・マス（スペイン／モビスターチーム）+ 00h 00' 20''
５　ミゲルアンヘル・ロペス（コロンビア／モビスターチーム）+ 00h 00' 26''
６　アレハンドロ・バルベルデ（スペイン／モビスターチーム）+ 00h 00' 32''
７　ジュリオ・チッコーネ（イタリア／トレック・セガフレード）+ 00h 00' 32''
８　エガン・ベルナル（コロンビア／イネオスグレナディアーズ）+ 00h 00' 32''
９　ミケル・ランダ（スペイン／バーレーン・ヴィクトリアス）+ 00h 00' 44''
10　ジーノ・マーダー（スイス／バーレーン・ヴィクトリアス）+ 00h 00' 45''
・・・
163 新城幸也（日本／バーレーン・ヴィクトリアス）+ 00h 23' 56''

ポイント賞
１　ヤスパー・フィリプセン（ベルギー／アルペシン・フェニックス）131 Pts
２　ファビオ・ヤコブセン（オランダ／ドゥクーニンク・クイックステップ）130 Pts
３　アルノー・デマール（フランス／グルパマFDJ）50 Pts

山岳賞
１　レイン・タラマエ（エストニア／アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ）10 Pts
２　ケニー・エリッソンド（フランス／トレック・セガフレード）7 Pts
３　ジョセフロイド・ドンブロウスキー（アメリカ／UAEチームエミレーツ）6 Pts

ヤングライダー賞
１　エガン・ベルナル（コロンビア／イネオスグレナディアーズ）in 17h 34' 29''
２　ジーノ・マーダー（スイス／バーレーン・ヴィクトリアス）+ 00h 00' 13''
３　アレクサンドル・ウラソフ（ロシア／アスタナ・プレミアテック）+ 00h 00' 16''

チーム総合順位
１　UAEチームエミレーツ（アラブ首長国連邦）in 52h 42' 44''
２　モビスターチーム（スペイン）+ 00h 00' 22''
３　バーレーン・ヴィクトリアス（バーレーン）+ 00h 00' 50''

敢闘賞
77　オイエル・ラスカノ（スペイン／カハルラル・セグロスRGA）

第5ステージのリタイア
なし

コースマップ

第6ステージ 8月19日（木）午後10:50 - 深夜1:15/J SPORTS 4
[区間] レケナ > アルト・デ・ラ・モンターニャ・デ・クリェラ 158.3km（山岳）／海辺から突如として激坂に上って終わり

■コースの特徴
2日間の移動ステージを経て、ブエルタ一行はようやく真夏の海を満喫する。内陸の高原レケナから走り出した後、ひたすら東を目指し、フィニッシュ手前の約30kmで地中海岸へ。

つまりスタート直後は小さなアップダウンが続くものの、道はじわじわと下がっていく。ついに75kmほど走った先で、道は海面とほぼ同じ高さに。その後は延々とフラットな道が続く。バレンシア南部で中間スプリントを争い、アルブフェラ自然公園を貫くシーサイドラインを黙々と突き進む。最終盤にはビーチリゾートのクリェラを起点に、小さな周回コースも描かれた。

ただし今区間の区分は平坦ではなく、あくまで中級山岳ステージ。しかも、極めてブエルタ特有の……いわゆる「海辺から突如として激坂に上って終わり」パターンである！

フィニッシュ手前1.9km、突如として道は上り始める。しかも3級アルト・デ・ラ・モンターニャ・デ・クリェラの平均勾配は9.4％と、とてつもない激勾配。てっぺんの気象観測用レーダードームめがけて、選手たちには、数分間の爆発的な努力が求められる。