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サイクル ロードレース コラム 2021年5月24日

【ジロ・デ・イタリア2021 第15ステージ結果速報】スタートから勝利への強い気持ちでアタックし続けたカンペナールツがグランツール初区間優勝!総合勢変動なし

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ヴィクトール・カンペナールツ

勇気あるアタックをし続けたヴィクトール・カンペナールツがグランツール初区間優勝

ゾンコランとパッソ・ポルドイ(チーマ・コッピ)の間の丘陵ステージ、グラード島からスロベニア周回コースを通りゴリツィアへと向かう147kmの旅。アクチュアルスタート直後に集団落車が発生、20分ほどレースが停まり総合6位につけていたエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)やナトナエル・ベルハネ(コフィディス)、ヨス・ファンエムデン(ユンボ・ヴィスマ)がリタイアとなった。

仕切り直しのアクチュアルスタートは先ほども一番に飛び出していたヴィクトール・カンペナールツを筆頭にマキシミリアン・ヴァルシャイド、ルーカス・ヴィシニオウスキー(3人共にチーム クベカ・アソス)が飛び出し、ハーム・ファンフック、ステファノ・オルダーニ(共にロット・スーダル)、オスカル・リースビーク、ドリース・デボント(共にアルペシン・フェニックス)、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)らが続き、15人での先頭グループが形成された。

4人の追走がジャンプアップを試みるも追いつくことなくメイン集団へ戻っていった。この日もメイン集団はフィリッポ・ガンナ(イネオス グレナディアーズ)が牽引、タイム差は最大で13分まで開き、先頭グループの中から区間優勝者が出ることが濃厚となった。

中間スプリントポイントはデボントが、1回目と2回目の4級峠山頂もデボントが先頭通過。残り距離31.6kmでリースビークのアタックで戦いの狼煙を上げる、チェックしたのはカンペナールツ。先頭15人は虎視眈々と抜け出すチャンスを狙う、市内でのヴァルシャイドのアタック、起伏を利用したデボントの加速、平坦区間でのカンペナールツのアタック。アルベルト・トレス(モビスター チーム)とリースビークがついていき、カーブを利用して後続をデボントが封じた。

先頭3人はカンペナールツが前で先を急ぎ、大粒の雨の中4級峠の上りを利用してトレスを置き去りにして、リースビークが先頭でダウンヒルを駆け抜ける。残り距離16km、追走は30秒後方、ミスがなければこの2人での一騎打ちが待っている。

中間スプリントポイントはリースビークが先頭通過、無印峠の最大勾配14%の急勾配区間でカンペナールツがさらにアタック、20秒後方の追走ではモレマもアタック。カンペナールツはダウンヒルでリースビークを引き離すことができず、そのまま2人でフラムルージュを抜け、ラスト300mでリースビークがスプリントを開始。カンペナールツは遅れを取らず、リースビークを追い抜き一番にフィニッシュラインへ飛び込んだ。カンペナールツもグランツール初区間優勝、クベカ・アソスはここ5日間でジロ・デ・イタリア、ステージ3勝をあげている。

マリア・ローザ着用のエガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ)は17分21分遅れで集団フィニッシュ、総合勢に変動はなかった。

「素晴らしい1日になった!レースが一回停まってしまったけどまたアタックして、ルーカスとマックスと共に100%尽力してステージ優勝を目指した、みんなで素晴らしい働きをした、勝ててとても幸せ」カンペナールツ、勝利後インタビュー

第15ステージ結果
1 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー/クベカ・アソス)in 03h 25' 25''
2 オスカル・リースビーク(オランダ/アルペシン・フェニックス),,
3 ニキアス・アルント(ドイツ/チームDSM)+ 00' 07''
4 シモーネ・コンソンニ(イタリア/コフィディス),,
5 クイントン・ヘルマンス(ベルギー/アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ),,
6 ダリオ・カタルド(イタリア/モビスター),,
7 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)+ 00' 09''
8 アルベルト・トレス(スペイン/モビスター)+ 00' 44''
9 フアン・モラノ(コロンビア/UAEチームエミレーツ)+ 01' 02''
・・・
37 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス))+ 17' 21''

個人総合順位
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 62h 13' 33''
2 サイモン・イェーツ(イギリス/バイクエクスチェンジ)+ 01' 33''
3 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 51''
4 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 01' 57''
5 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・NIPPO)+ 02' 11''
6 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)+ 03' 03''
7 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 03' 52''
8 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)+ 03' 54''
9 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM)+ 04' 31''
10 トビアス・フォス(ノルウェー/ユンボ・ヴィスマ)+ 05' 37''
・・・
86 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01h 54' 16''

ポイント賞
1 ペーター・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)135 Pts
2 ダヴィデ・チモライ(イタリア/イスラエル・スタートアップネイション)113 Pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/UAEチームエミレーツ)110 Pts

山岳賞
1 ジョフリー・ブシャール(フランス/AG2Rシトロエンチーム)96 Pts
2 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)57 Pts
3 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)53 Pts

ヤングライダー賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 62h 13' 33''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 01' 57''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 03' 52''

チーム総合順位
1 トレック・セガフレード(アメリカ)in 186h 43' 31''
2 イネオス グレナディアーズ(イギリス)+ 10' 12''
3 モビスター チーム(スペイン)+ 14' 53''

第15ステージのリタイア
75 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)
82 ナトナエル・ベルハネ(エリトリア/コフィディス)
104 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル/EFエデュケーション・NIPPO)
158 ヨス・ファンエムデン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)
201 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/クベカ・アソス)


コースマップ

第16ステージ 5月24日(月)午後8:00 - 深夜1:00/J SPORTS 4
[区間] サチーレ > コルティナ・ダンペッツォ 212km/ステージ距離200km超+2000m超級3つ+累計獲得勾配は5700m

■コースの特徴
ドロミテ山地で迎える2021年最難関ステージ。ステージ距離200km超+2000m超級3つ+累計獲得勾配は5700mと、いかにもジロらしいサディスティックなコースが用意された。幸いにも翌日は大会2度目の休息日。選手たちは思う存分、死闘を繰り広げることができる。

スタート直後からいきなり1級峠へと上り始める。山が苦手な者たちは、大急ぎでグルペットを作り上げねばならない。続く試練は60km以上もだらだらと続く上り坂。長く苦しい奮闘の果てに、今大会初の標高2000m級山頂へとたどり着く。稀代の山岳王マルコ・パンターニが、1998年大会第17ステージで攻撃に転じ、後のマリア・ローザ獲りにつなげた1級フェダイア峠だ。しかし後半5.5kmの平均勾配が11%超という「パンターニの山」さえ、この日の序の口に過ぎない。

次の難関こそ今大会最高標高地点「チーマ・コッピ」、標高2239mのパッソ・ポルドイ。ちなみに登坂距離11.8km・平均勾配6.8%・最大10%と、単体で見れば飛び抜けて難しい峠ではない。ジロにおける最高標高地点ステルヴィオ2758mに比べれば、標高自体もはるかに低い。ただ忘れてはならないのは、この直後にポルドイよりほんの6m標高が低いだけの1級パッソ・ジャウ(9.9km・9.3%・14%)を登らねばならないこと。そう、言うなれば、「ダブル・チーマ・コッピ」。そもそも標高2000m超の峠が1日で3つも詰め込まれたのは、2016年第20ステージ以来の一大事でもある。

すでに2週間の疲れが蓄積された肉体で、薄い酸素と厳しい上り坂を耐え忍んだ後、フィニッシュまでは標高1000m差を一気に駆け下りるダウンヒル。1956年冬季五輪開催地であり、2026年に再び聖火を迎え入れるコルティナ・ダンペッツォが、ばら色の勝者を選び出す。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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