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サイクル ロードレース コラム 2021年5月23日

【ジロ・デ・イタリア2021 第14ステージ結果速報】ロレンツォ・フォルトゥナートがエオーロ・コメタに勝利をもたらす!ベルナルがライバル勢をさらに突き放す

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ロレンツォ・フォルトゥナート

ロレンツォ・フォルトゥナートがプロ初優勝でチームに1勝目をもたらした

第14ステージは世界中のお楽しみ!魔の山ゾンコランを上る最難関ステージ。アクチュアルスタートが切られるとファーストアタックで飛び出したのはヴィクトール・カンペナールツ(チーム クベカ・アソス)。タイム差をつける前に追いつかれ、トーマス・デヘント(ロット・スーダル)のアタックも吸収され、ハイペースでプロトンは進む。

10kmほど進んだところで集団の先頭にいたジョージ・ベネット(ユンボ・ヴィスマ)、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)ら11人のメンバーがプロトンを引き離し離脱することに成功、後続はフィリッポ・ガンナ(イネオス グレナディアーズ)が中心に速度をあげて追うも、追走グループを捕らえるまでだった。

アンドレア・ヴェンドラーメ(AG2Rシトロエンチーム)が地元を通ると大歓声で迎えられ、ダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネイション)は両手を上げ沿道に挨拶し、家族の前で自転車を止めて喜びを分かち合った。4級山岳はモレマが先頭通過、中間スプリントポイントは争うことなくヤン・トラトニク(バーレーン・ヴィクトリアス)が1位通過。美しいつづら折りの2級フォルチェッラ・ディ・モンテ・レストもモレマが先頭で通過している。

先頭グループはジャコポ・モスカ(トレック・セガフレード)、エドアルド・アッフィニ(ユンボ・ヴィスマ)の牽引でメイン集団に6分半のタイム差をつけて難峠ゾンコランを上り始める。トラトニクがテンポを刻んでペダルを漕ぐとベネットやモレマはついていけない。トラトニクが独走状態で先頭グループを突き放す。どんどん離されていく現状に痺れを切らしたアンドリー・ポノマル(アンドローニジョカトリ・シデルメク)が抜け出しアレッサンドロ・コーヴィ(UAEチームエミレーツ)、ロレンツォ・フォルトゥナート(エオーロ・コメタ)と共にが先行するトラトニクを追う。

残り距離10km、フォルトゥナートが単独でトラトニクを追い3km走ったところで追いつき、観客に囲まれ熱い声援の急勾配区間を2人で上る。メイン集団はイネオス グレナディアーズのジャンニ・モスコン、ジョナタン・ナルバエスら山岳トレインがハイペースでのぼりタイム差を3分半まで詰めた。先頭を走るフォルトゥナートのアタックにトラトニクはついていくことができない。ラスト2.3kmの恐ろしい勾配を孤独に戦いペダルを回し続けたフォルトゥナートがグランツール初出場、プロ初優勝でチーム1勝目となる区間優勝を手に入れた。

メイン集団ではこれまで存在を消していた1分22秒遅れで総合5位につけるサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ)が急勾配区間でアタック、マリア・ローザ着用のエガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ)だけがついていく。ベルナルはイェーツを置き去りにし、ベネット、モレマを追い抜き区間4着でフィニッシュ。ライバルからさらにタイム差をつけることに成功。

イェーツはベルナルから11秒遅れ、総合2位につけていたアレクサンドル・ウラソフは1分12秒遅れ総合4位でフィニッシュ。イェーツが総合2位に浮上している。

「体調がよかったので逃げに乗ろうと思った、アルバネーゼが自分のために働いてくれたことに感謝している、フィニッシュラインまで全力を尽くした、本当にとても嬉しい」フォルトゥナート、勝利後インタビュー

第14ステージ結果
1 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア/エオーロ・コメタ)in 05h 17' 22''
2 ヤン・トラトニク(スロベニア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 26''
3 アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 59''
4 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)+ 01' 43''
5 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)+ 01' 47''
6 サイモン・イェーツ(イギリス/バイクエクスチェンジ)+ 01' 54''
7 ジョージ・ベネット(ニュージーランド/ユンボ・ヴィスマ)+ 02' 10''
8 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル/モビスター)+ 02' 18''
9 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)+ 02' 22''
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス),,
・・・
86 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 31' 45''

個人総合順位
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 58h 30' 47''
2 サイモン・イェーツ(イギリス/バイクエクスチェンジ)+ 01' 33''
3 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 51''
4 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 01' 57''
5 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・NIPPO)+ 02' 11''
6 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 02' 36''
7 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)+ 03' 03''
8 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 03' 52''
9 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)+ 03' 54''
10 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM)+ 04' 31''
・・・
85 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01h 54' 16''

ポイント賞
1 ペーター・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)135 Pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/クベカ・アソス)126 Pts
3 ダヴィデ・チモライ(イタリア/イスラエル・スタートアップネイション)113 Pts

山岳賞
1 ジョフリー・ブシャール(フランス/AG2Rシトロエンチーム)96 Pts
2 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)57 Pts
3 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)50 Pts

ヤングライダー賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 58h 30' 47''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 01' 57''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 03' 52''

チーム総合順位
1 イネオス グレナディアーズ(イギリス)in 175h 45' 25''
2 トレック・セガフレード(アメリカ)+ 07' 00''
3 チーム バイクエクスチェンジ(オーストラリア)+ 08' 04''

第14ステージのリタイア
84 ニコラ・エデ(フランス/コフィディス)
154 ダヴィド・デッケル(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)
156 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)
191 ジャイ・ヒンドレーオーストラリア/チームDSM)
165 ロジャー・クルーゲ(ドイツ/ロット・スーダル)


コースマップ

第15ステージ 5月23日(日)午後9:00 - 深夜1:00/J SPORTS 4
[区間] グラード > ゴリツィア 147km/スロベニアの道を拝借し、脚自慢たちがパンチ力をぶつけ合う

■コースの特徴
下界で過ごすスリリングな日曜日。前夜バトルを繰り広げたアルプスの山奥から大急ぎで引き返して、アドリア海のラグーナに浮かぶ美しきグラード島へ。ステージ後半には近年すっかり自転車大国に成長したスロベニアの道を拝借し、脚自慢たちがパンチ力をぶつけ合う。

本スタートは海の上を横切る一本道の上。その後しばらくほぼ完全に平坦な道を突き進む。30kmほど走った先で無印の小さな起伏を越えるものの、平地巧者たちをそれほど苦しめることはなさそうだ。

ステージ中盤から途端に忙しくなる。イタリアとスロベニアにまたがる周回コースに差し掛かると、国境を越えた隣国側で4級ゴルニェ・セロボを3度よじ登るのだ。1.7kmの短い坂道は、平均勾配8.5%・最大15%といわゆるクラシック風。障害物を上りきった後も小さな起伏が立て続けに続く。そして31kmの周回を2周半し、3度目の登坂を終えたら、周回を離れてフィニッシュへと向かう。

残り3km地点には小さな発射台も待ち構える。フィニッシュ地ゴリツィアの「双子都市」、ノヴァ・ゴリツァでの中間ポイント直後の、全長1km・5.9%(後半500mは7.4%・最大14%)の上り坂。爆発力を発揮した後は、ダウンヒルでの巧みなハンドル操縦能力も欠かせない。なにしろ栄光へと導く細道には、3度の直角カーブに、数百メートルの石畳区間も潜んでいる。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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