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サイクル ロードレース コラム 2021年5月20日

【ジロ・デ・イタリア2021 第11ステージ結果速報】プロ1年目のマウロ・シュミットがグランツール初出場&初区間優勝!ベルナルがさらに総合勢タイムを稼ぐ!!

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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マウロ・シュミット

プロトンで3番目に若いマウロ・シュミット21歳がみごと区間勝利!

休息日明けの第11ステージは開幕前から注目を集めていたストラーデ・ビアンケ風、合計35.2kmのグラベルを駆け上る、ペルージャからモンタルチーノまでの162km丘陵ステージ。

アクチュアルスタートが切られると最初に飛び出したのはタコ・ファンデルホールン(アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ)、様子を見ながら人数を増やし合計11人の先頭グループが形成され、メイン集団とのタイム差はみるみる広がり、残り距離72km地点で14分半を超えた。

先頭グループがグラベルセクター1、9.1kmの未舗装路区間に入り砂埃を巻き上げながら白い道を上る。メイン集団は位置取り争いで緊張感を高めながらイネオス グレナディアーズとドゥクーニンク・クイックステップが隊列を組んで14分後にセクター1に突入。狭い道幅と重なるうねりで集団は縦に長く伸びた。ヴィンチェンツォ・ニバリがジュリオ・チッコーネ(共にトレック・セガフレード)を連れ集団先頭に出るとペースアップをはかり、集団はぶちぶちと分断されていく。

フィリッポ・ガンナがエガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ)と共に集団から飛び出すほどの速度でダウンヒルを駆け降りると総合2位につけるレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)が遅れていった。アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック)も後続に取り残されたが、通常の舗装路に戻ると集団復帰することができた。

先頭グループではロジャー・クルーゲ(ロット・スーダル)が幾度となく抜けだしては追いつかれ、メイン集団ではトビアス・フォスとジョージ・ベネット(共にユンボ・ヴィスマ)がメイン集団から飛び出しフォスの総合順位アップを試みる。イネオス グレナディアーズが舗装区間に入るとペースアップをあげ、集団から離されてしまったダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ)を突き放しにかかる。

セクター3に入ると再びエヴェネプールが遅れ先頭ではベルナルが自ら集団をペースアップ。残り距離5.7kmでエマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)メイン集団から抜け出すことに成功、チェックは入らなかった。

先頭グループではマウロ・シュミット(チーム クベカ・アソス)とアレッサンドロ・コーヴィ(UAEチームエミレーツ)が3級山岳ポイント獲得のアタックで飛び出す。8人にまで人数を減らしたメイン集団から1分遅れたエヴェネプールがさらに遅れ始めた。

3級山岳登坂中のメイン集団ではヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO)がハイペースでペダルを漕ぎ、ウラソフのアタックにベルナルがチェック、そのあとベルナルのアタックでウラソフを置き去りにし、先行するブッフマンに合流。2人でフィニッシュ地を目指す。

先頭のシュミットとコーヴィはモンタルチーノの旧市街に入りラスト200mでスプリントを開始、途中横並びになったものの、シュミットが競り勝ち、プロ1年目でグランツール初出場、初区間優勝を手に入れた。

ベルナルは3分9秒後に、ブッフマンはその3秒後にフィニッシュ。ウラソフは総合2位に上り、エヴェネプールはベルナル2分8秒遅れ、総合2位から7位まで順位を落とした。フォスは総合18位から9位まで順位を上げている。

「信じられない!まさかグランツールでステージ優勝できるなんて!最初の一週間はついて行くだけで精一杯だった。グラベルのレースが好きなので挑戦してみることにした」シュミット、勝利後インタビュー

第11ステージ結果
1 マウロ・シュミット(スイス/クベカ・アソス)in 04h 01' 55''
2 アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア/UAEチームエミレーツ)+ 00' 01''
3 ハーム・ファンフック(ベルギー/ロット・スーダル)+ 00' 26''
4 ドリース・デボント(ベルギー/アルペシン・フェニックス)+ 00' 41''
5 シモン・グリエルミ(フランス/グルパマFDJ),,
6 エンリーコ・バッタリーン(イタリア/バルディアーニCSFファイザネ)+ 00' 44''
7 ロジャー・クルーゲ(ドイツ/ロット・スーダル)+ 01' 23''
8 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア/エオーロ・コメタ)+ 01' 37''
9 タコ・ファンデルホールン(オランダ/アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ)+ 01' 43''
・・・
65 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 18' 59''

個人総合順位
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 42h 35' 21''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 00' 45''
3 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01' 12''
4 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・NIPPO)+ 01' 17''
5 サイモン・イェーツ(イギリス/バイクエクスチェンジ)+ 01' 22''
6 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 01' 50''
7 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 02' 22''
8 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)+ 02' 24''
9 トビアス・フォス(ノルウェー/ユンボ・ヴィスマ)+ 02' 49''
10 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)+ 03' 15''
・・・
85 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01h 16' 42''

ポイント賞
1 ペーター・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)108 Pts
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア/UAEチームエミレーツ)91 Pts
3 ダヴィデ・チモライ(イタリア/イスラエル・スタートアップネイション)91 Pts

山岳賞
1 ジョフリー・ブシャール(フランス/AG2Rシトロエンチーム)51 Pts
2 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)48 Pts
3 ジーノ・マーダー(スイス/バーレーン・ヴィクトリアス)44 Pts

ヤングライダー賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 42h 35' 21''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 00' 45''
3 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 02' 22''

チーム総合順位
1 イネオス グレナディアーズ(イギリス)in 127h 53' 12''
2 チーム バイクエクスチェンジ(オーストラリア)+ 09' 35''
3 EFエデュケーション・NIPPO(アメリカ)+ 09' 40''

第11ステージのリタイア
21 ティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)
102 ヨナタン・カイセド(エクアドル/EFエデュケーション・NIPPO)

コースマップ

第12ステージ 5月20日(木)午後9:00 - 深夜1:00/J SPORTS 4
[区間] シエナ > バンニョ・ディ・ロマーニャ 212km/アペニン山脈のクイーンステージ

■コースの特徴
イタリア自転車界の偉人たちに思いを馳せる1日。まずは毎年トスカーナ恒例「バルタリステージ」。57km地点でジロ3回・ツール2回優勝の英雄ジーノ・バルタリの生地を通過する。さらに1回目中間スプリント(83km地点)は、22年間イタリア代表監督を務め、6度の世界選制覇を成し遂げたアルフレド・マルティーニの故郷セスト・フィオレンティーノで繰り広げられる。

芸術の都のフィレンツェを横目で眺めつつ、先人に敬意を払ったら、ジロ一行は山岳地帯へと切り込んでいく。なにしろ開催委員会曰く「アペニン山脈のクイーンステージ」。今大会初の200km超えステージでもあり、やはり今大会初めて、累計獲得標高も3700mに達する。

道は大逃げ向き。全部で4つある峠は、2級2・3級3と難度的にはそれほど高くはない。ただし後半3峠はひたすら上り下りの連続で、下った先には一切の谷間も、一息つく暇もない。その後半3つは2017年大会第11ステージでも完全に同じ順番で使用され、当時は24人の大逃げ集団が区間勝利を争った。

フィニッシュ手前25kmで山が打ち止めだった4年前とは、最後の地形は異なる。今年は残り9.4km地点に最後の山が立ちはだかる。3級カマイオ峠は平均勾配こそ5.1%と高くはないが、実は途中3kmにも渡って、約10%台の難ゾーンも潜む。その後は短いダウンヒルのあと、フィニッシュまでは5kmだらだら続く平地だ。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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