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サイクル ロードレース コラム 2021年5月17日

【ジロ・デ・イタリア2021 第9ステージ結果速報】エガン・ベルナルが激坂未舗装路区間で圧倒的強さを見せグランツール初区間優勝!マリア・ローザ獲得!!

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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エガン・ベルナルの加速には誰もついていけない!!

エガン・ベルナルの加速には誰もついていけない!!

今大会第1週目の山場となる第9ステージ、カステル・ディ・サングロからカンポ・フェリーチェ(ロッカ・ディ・カンビオ)までの158kmは1級山頂フィニッシュ。ラスト1600mは未舗装路かつ最大14%の急勾配というレイアウト。

アクチュアルスタートと同時にクイントン・ヘルマンス(アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ)とハーム・ファンフック(ロット・スーダル)が飛び出し、大勢の追走が出て吸収と飛び出しを繰り返した。サムエーレ・バティステッラ(アスタナ・プレミアテックT)やジョフリー・ブシャール(AG2Rシトロエンチーム)、ダリオ・カタルド(モビスター チーム)、ルーベン・ゲレイロ(EFエデュケーション・NIPPO)らが幾度となく攻撃をしかけ、アタック合戦は昨日同様に延々と続いた。

スタートから30kmほど進んだところでマッテオ・ファッブロ(ボーラ・ハンスグローエ)、ブシャール、カタルドの3人が先行することに成功、後ろから12人の追走グループが追いつき、15人の先頭グループが形成された。メイン集団とのタイム差はいまだ20秒、集団から総合5位のダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出し先頭グループに合流。マリア・アッズーラ着用のジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス)が2級峠山頂を先頭通過、18ポイントを加算した。

30kmの長い下りでマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が衝撃的な落車をし、救急車で搬送されそのままリタイアとなった。ダウンヒルが終わって12人の先頭グループとメイン集団のタイム差はそれほどついておらず目視できる程度しか空いていない。

続く無印峠もメイン集団から追走がぱらぱらと出ながらの登坂、サイモン・カー(EFエデュケーション・NIPPO)、ルイスレオン・サンチェス(アスタナ・プレミアテック)、トニー・ガロパン(AG2Rシトロエンチーム)、ジョージ・ベネット(ユンボ・ヴィスマ)らが先頭グループに合流。3級フォルカ・カルーゾ峠山頂をブシャールが先頭通過、その先の中間スプリントポイントはガロパンが、その後2級オヴィンドーリをブシャールが先頭通過し山岳賞トップへ。

残り距離10km、ブシャールがカーを置き去りにして単独走を開始、メイン集団は2分後方。中間スプリントポイントを越え、1級カンポ・フェリーチェを上りはじめ全長約1300mのトンネルを抜け未舗装路区間へ。残り距離1.2kmでクーン・ボウマン(ロット・スーダル)がブシャールに追いつき急勾配区間を横並びで前へと進む。

ラスト600m、12秒後方のメイン集団からアレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック)がアタックするとエガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ)チェック、そのまま追い抜きジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)だけがついていく。ベルナルの加速は止まらず先行するブシャールとボウマンも追い抜き、そのまま悪路を駆け上り自身初となるグランツールの区間優勝を手に入れた。総合タイムでも2位のレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ)に15秒の差をつけ首位へと躍り出た。

2着チッコーネと3着ウラソフは7秒後に、4着エヴェネプールと5着ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション)は10秒後にフィニッシュしている。マリア・ローザ着用のアッティラ・ヴァルテルは49秒遅れ、総合5位まで後退となった。

「いろいろなことを犠牲にして掴み取った勝利なので本当に嬉しい、チームが自信を持たせてくれた、勝てたのはチームのおかげ、みんなに感謝したい」ベルナル、勝利後インタビュー

第9ステージ結果
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 04h 08' 23''
2 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)+ 00' 07''
3 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック),,
4 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00' 10''
5 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション),,
6 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 12''
7 ロマン・バルデ(フランス/チームDSM),,
8 マルク・ソレル(スペイン/モビスター),,
9 ダニエル・マルティネス(コロンビア/イネオス グレナディアーズ),,
10 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル/ドゥクーニンク・クイックステップ),,
・・・
60 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 05' 14''

個人総合順位
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 35h 19' 22''
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00' 15''
3 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 00' 21''
4 ジュリオ・チッコーネ(イタリア/トレック・セガフレード)+ 00' 36''
5 アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー/グルパマFDJ)+ 00' 43''
6 ヒュー・カーシー(イギリス/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00' 44''
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00' 45''
8 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00' 51''
9 サイモン・イェーツ(イギリス/バイクエクスチェンジ)+ 00' 55''
10 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア/UAEチームエミレーツ)+ 01' 01''
・・・
95 新城幸也(日本/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 01h 00' 51''

ポイント賞
1 ティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)83 Pts
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア/クベカ・アソス)76 Pts
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア/クベカ・コフィディス)69 Pts

山岳賞
1 ジョフリー・ブシャール(フランス/AG2Rシトロエンチーム)51 Pts
2 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)48 Pts
3 ジーノ・マーダー(スイス/バーレーン・ヴィクトリアス)44 Pts

ヤングライダー賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア/イネオス グレナディアーズ)in 35h 19' 22''
2 レムコ・エヴェネプール(ベルギー/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00' 15''
3 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ・プレミアテック)+ 00' 21''

チーム総合順位
1 イネオス グレナディアーズ(イギリス)in 106h 01' 14''
2 チーム バイクエクスチェンジ(オーストラリア)+ 03' 26''
3 トレック・セガフレード(アメリカ)+ 05' 47''

第9ステージのリタイア
56 マテイ・モホリッチ(スロベニア/>バーレーン・ヴィクトリアス)
162 ジャスパー・デブイスト(ベルギー/ロット・スーダル)
166 トーマス・マルチンスキー(ポーランド/>ロット・スーダル)
14 クレモン・シャンプッサン(フランス/AG2Rシトロエンチーム)

コースマップ

第10ステージ 5月17日(月)午後9:00 - 深夜1:00/J SPORTS 4
[区間] ラクイラ > フォリーニョ 139km/前回は約150人の集団フィニッシュ

■コースの特徴
すでに10日間も走り続けてきたプロトンにとって、翌日は嬉しい大会1回目の休息日。むしろ総合争いの選手にとっては、早くも休息日に片足突っ込んだ感覚かもしれない。なにしろ個人タイムトライアル区間を除く最短距離(139km)で、平地での集団スプリントフィニッシュが予想されている。

2009年に大地震の犠牲となり、「復興支援」のため翌年から定期的にジロ一行が訪れてきたラクイラから、短い1日は走り出す。行く手に小さなアップダウンと4級峠が1つ待ち受けるものの、スプリンターたちを突き落とすほどの破壊力はなさそうだ。2014年ジロ第7ステージでは前半により起伏が多く、より距離は長く(211km)、しかし最終85kmだけは完全に同じルートをたどり、約150人の集団フィニッシュで締めくくられた。勝ったのはブアニだった。

没後700周年を迎えたダンテ・アリギエーリの代表作、『神曲』が初めて印刷製本されたフォリーニョへ向かって、スプリンターたちは必死に突っ走るはずだ。このチャンスを逃したら、山の割合がどんどん増えていき、残すスプリント機会は2回だけ。マリア・チクラミーノ争いは早くも佳境を迎える。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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