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サイクル ロードレース コラム 2020年11月5日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第14ステージ結果速報】激しいアタック合戦の末、逃げに乗ったウェレンスが今大会区間2勝目、総合は変動なし

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ティム・ウェレンス

完璧な位置取りで最後の上りをこなしたウェレンスは今大会2勝目

ルーゴからオーレンセへと向かう204.7kmの移動ステージ。大逃げの決まりやすいレウアウトのためアクチュアルスタートから激しいアタック合戦がおこなわれ、離脱と吸収を繰り返しレース開始1時間の平均時速は49.1km/hとハードな展開となった。

ゼネク・スティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ディラン・ファンバーレ(イネオス グレナディアーズ)、マイケル・ウッズ(EFプロサイクリング)、ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)、マルク・ソレル(モビスター チーム)がメイン集団から抜け出すことに成功し、テイメン・アレンスマン(チームサンウェブ)、ピエールリュック・ペリション(コフィディス)がジャンプアップ、7人での逃げが形成された。

起伏の連続で1mの平坦もないレース前半が終わる頃には先頭グループとメイン集団のタイム差は5分30秒までひらいた。アスタナ プロチームとボーラ・ハンスグローエが集団を牽引しペースアップをはかり、トタル・ディレクトエネルジーも牽引に参加しタイム差を縮めていく。最初の3級山岳はペリション、2番目はウェレンスが先頭通過、3つ目の3級山岳でウッズがアタック、ペリションがついていくことができなくなった。

下りでスティバルが抜け出すとソレルとウェレンスが追い、10秒ほどタイムギャップがうまれると3人はそのまま加速を続ける。後続も諦めることなくついていき、ゴール手前1.3kmの市街地の左カーブで追いつくことに成功、6選手で平均勾配6%上り勝負となった。ウッズが軽くペースをあげ、膠着状態のまま残り500mを切りウェレンスが先頭となり、ソレルのアタックをコーナーのイン側からペースを合わせ、そのまま速度を落とすことなくウッズの追い上げも退け、ガッツポーズでフィニッシュラインを越えた。ウェレンスは今大会区間2勝目。

マイヨ・ロホ着用のプリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ)らはウェレンスから3分44秒後に集団フィニッシュ、総合順位に変動はなかった。

「逃げに乗るために尽力してくれたチームメートを讃えたい、今日のレイアウトは自分にあっていると思っていたし、今日はすべてが完璧になしとげることができた」ウェレンス、勝利後インタビュー

Cycle*2020 ブエルタ・ア・エスパーニャ

第14ステージ ハイライト

第14ステージ結果
1 ティム・ウェレンス(ベルギー/ロット・スーダル)in 04h 37' 05''
2 マイケル・ウッズ(カナダ/EFプロサイクリング)-
3 ゼネク・スティバル(チェコ/ドゥクーニンク・クイックステップ)-
4 ディラン・ファンバーレ(オランダ/イネオス グレナディアーズ)-
5 マルク・ソレル(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 00' 11''
6 テイメン・アレンスマン(オランダ/チームサンウェブ)+ 00h 00' 13''
7 ピエールリュック・ペリション(フランス/コフィディス)+ 00h 03' 11''
8 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 03' 44''
9 ゴンサロ・セラノ(スペイン/カハルラル・セグロス RGA)+ 00h 03' 44''
10 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 03' 44''

個人総合順位
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)in 53h 57' 05''
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 00' 39''
3 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 47''
4 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 01' 42''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 03' 23''
6 ワウト・プールス(オランダ/チーム バーレーン・マクラーレン)+ 00h 06' 15''
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 07' 14''
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 08' 39''
9 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ プロチーム)+ 00h 08' 48''
10 ダビ・デラクルス(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 00h 09' 23''

ポイント賞
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)178 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)113 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)111 pts

山岳賞
1 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)76 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)30 pts
3 ティム・ウェレンス(ベルギー/ロット・スーダル)28 pts

ヤングライダー賞
1 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)in 54h 00' 28''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ プロチーム)+ 00h 05' 25''
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00h 07' 22''

チーム総合順位
1 モビスター チーム(スペイン)in 162h 08' 09''
2 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 08' 05''
3 アスタナ プロチーム(カザフスタン)+ 00h 39' 49''

ステージ敢闘賞
177 マルク・ソレル(スペイン/モビスター チーム)

第14ステージのリタイア
36 アレクサンダー・カンプ(デンマーク/トレック・セガフレード)
45 マーティン・セルモン(ドイツ/チームサンウェブ)
186 アレクシー・ルナール(フランス/イスラエル・スタートアップネイション)

コースマップ

第15ステージ 11月5日(木)午後11:35 - 深夜2:00 /J SPORTS 4
[区間] モス > プエブラ・デ・サナブリア 230.8km/累計獲得標高4000m超の厳しいステージ

■コースの特徴
本来ならポルトガルに入国し、海岸通りを駆け抜ける、約180kmのステージが用意されていた。しかも道はほぼフラットで、スプリンターたちによる大集団フィニッシュが期待されていたはずだ。

ただし新型コロナウイルスの影響により、国境越えを断念。代わりに国境間近のスペイン側にコースが描かれた。時には200mほどにまでポルトガルに接近しつつも、プロトンが向こう側に渡ることはない。結果として距離は50km延長され、今ブエルタ最長ステージへと早変わり。しかも海の代わりには、たっぷりと山が投入された。スプリンター向けとは程遠い、累計獲得標高4000m超の厳しいステージの出来上がり!

「大逃げ向き」とコース設計者は宣言する。国境から25kmほどの町から走り出すと、序盤の道は比較的フラットだ。ただしスタートから50kmで3級峠に上り始めると、あとはひたすら上ったり下りたりの繰り返し。コース上には5つの3級峠と、たくさんの起伏が待ち受ける。またコース設計者は「風の多い地域」とも注意書きをつける。高台に吹き抜ける強風のせいで、集団制御は難しさを増す。

最後の3級パドルネロ峠(登坂距離6.4km、平均勾配3.5%)はフィニッシュ手前18.8km、つまり212km走った先に待ち構える。そこからフィニッシュまでは長いダウンヒル。ただしラスト500mは、勾配5.5%の上り坂だ。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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