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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第12ステージ結果速報】ヒュー・カーシーが伝統峠アングリルを制しグランツール初区間優勝、カラパスが総合首位へ返り咲き
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部超級アングリルを制したのはヒュー・カーシー
休息日前のクイーンステージは超級アングリル山頂フィニッシュ。アクチュアルスタートが切られるとアントニー・ルー(グルパマ・エフデジ)とジュリアス・ファンデンベルフ(EFプロサイクリング)の2人が抜け出し18人の追走グループが残り92km地点で合流し、20人での逃げグループとなった。ギヨーム・マルタン(コフィディス)、マティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ルイスレオン・サンチェス(アスタナ プロチーム)、イマノル・エルビティ(モビスター チーム)、アンヘル・マドラソ(ブルゴスBH)らが名を連ねる。
メイン集団から追走でダヴィデ・フォルモロ、ジャスパー・フィリプセン(共にUAEチームエミレーツ)トーマス・マルチンスキー(ロット・スーダル)が抜け出し先頭グループへのジャンプアップをはかる。3級山岳2つは山岳賞ジャージ着用のマルタンが先頭通過、下り終わったところでフォルモロが先頭グループに追いつく。1級モスケタ峠へ後続に3分弱のタイムギャップを持って上り始め、メイン集団はチーム ユンボ・ヴィズマの牽引からモビスター チームに替わっている。山頂はマルタンが先頭通過、下りでフォルモロが単独落車しメイン集団に戻っていった。
1級コルダル峠手前でマルタンをアシストしていたピエールリュック・ペリション(コフィディス)が遅れ、メイン集団も40秒後方に迫っている。カッタネオとサンチェスが抜け出し山頂を目指す、マルタンが先頭に追いつき山頂を先頭通過、マルタンはこの日26ptを獲得し次点のカラパスに46ptの差をつけた。メイン集団ではクリス・フルームがリチャル・カラパス(共にイネオス グレナディアーズ)をアシスト、集団を縮小することに成功した。
サンチェスら3人の先頭で最終峠アングリルに突入、タイム差は20秒程度。集団はロベルト・ヘーシンクの牽引で先頭グループを吸収し、ヨナス・ヴィンゲゴー(共にチーム ユンボ・ヴィズマ)が山岳アシストを引継ぎ10人にまで人数を減らした。ラスト3.6kmでヤングライダー賞首位のエンリク・マス(モビスター チーム)がアタック、集団は見送りたんたんと激坂区間を一定ペースで進んでいく。
残り3km地点でヒュー・カーシー(EFプロサイクリング)がアタック、アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ プロチーム)だけがついていく。プリモシュ・ログリッチにはセップ・クス(共にチーム ユンボ・ヴィズマ)がついている。延々と続く激坂区間でカラパスがログリッチを突き放し、マスに追いつくとカーシーが渾身のアタックを決めいち早く緩斜面区間へ、一気に後続を置き去りにしそのままフィニッシュラインへ飛び込んだ。カーシーはグランツール初区間優勝、総合4位から3位へジャンプアップ。カラパスは4着16秒遅れ、ログリッチが5着26秒遅れでフィニッシュ、総合首位にカラパスが再浮上している。
「どのレースでも勝つことは常に夢で、グランツールでしかも伝統峠での勝利。これ以上素晴らしいことはない」カーシー、勝利後インタビュー
Cycle*2020 ブエルタ・ア・エスパーニャ
第12ステージ ハイライト
第12ステージ結果
1 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)in 03h 08' 40''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ プロチーム)+ 00h 00' 16''
3 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 00' 16''
4 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 00' 16''
5 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 00' 26''
6 セップ・クス(アメリカ/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 00' 26''
7 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 00' 26''
8 ワウト・プールス(オランダ/チーム バーレーン・マクラーレン)+ 00h 01' 35''
9 マイケル・ウッズ(カナダ/EFプロサイクリング)+ 00h 01' 35''
10 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 02' 15''
個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)in 48h 29' 27''
2 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 00' 10''
3 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 32''
4 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 00' 35''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 01' 50''
6 ワウト・プールス(オランダ/チーム バーレーン・マクラーレン)+ 00h 05' 13''
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 05' 30''
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 06' 22''
9 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ プロチーム)+ 00h 06' 41''
10 ミケル・ニエベ(スペイン/ミッチェルトン・スコット)+ 00h 06' 42''
ポイント賞
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)147 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)104 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)100 pts
山岳賞
1 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)76 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)30 pts
3 セップ・クス(アメリカ/チーム ユンボ・ヴィズマ)27 pts
ヤングライダー賞
1 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)in 48h 31' 17''
2 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア/アスタナ プロチーム)+ 00h 04' 51''
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00h 06' 37''
チーム総合順位
1 モビスター チーム(スペイン)in 145h 46' 13''
2 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 01' 29''
3 アスタナ プロチーム(カザフスタン)+ 00h 26' 39''
ステージ敢闘賞
151 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)
第12ステージのリタイア
なし
コースマップ
第13ステージ 11月3日(火)午後11:35 - 深夜2:00
[区間] ムロス > ミラドール・デ・エサロ、ドゥンブリア 33.7km(個人TT)/ラスト1.8kmで突如として現れる勾配29%の怪物
■コースの特徴
2度目の休息日を終え、マドリード到着まで残すは6区間。間違いなくマイヨ・ロホ争いを大きく決定付ける1日となる。もちろん全長33.7kmの個人タイムトライアルで、12日間かけてこつこつ築き上げられてきた総合順位が、一気に入れ替わる可能性も秘めている。
お天気が良ければ最高に美しい風景が楽しめるだろう。リアス式海岸のまさに本場、ガリシア地方のムロス・イ・ノヤ入り江内の港町からスタートすると、左手には海が見える。時には自然公園を突っ切り、時には街中を通り抜け、いつしか左手に見える海は入り江から大西洋に変わるけれど……いつだって美しい海はそこにある。
残り約3kmで小さな橋を渡ると、ここから先は右手にエサロ入り江を望む。さらに残り1.8km、今までずっと真横に見えていたはずの海が、だんだん下方へと遠ざかっていく。そのまま最高の景色が堪能できるミラドール=見晴台へ向かって、3級峠を駆け上がる!
スタートからほぼ平坦だった道は、つまりラスト1.8kmで突如として激坂に変わる。平均勾配はなんと14.8%。フィニッシュ手前1kmに29%ゾーンが待ち受け、その後300mに渡って勾配17%が続く。あのユイの壁さえ全長1.3km、平均9.8%、最大26%であるから……この坂道はまさに怪物だ。
かつて2012年と2016年に、通常ステージのフィニッシュとしてこの激坂が使用された。1回目は激坂ハンター「プリト」ロドリゲスが、2回目は大逃げの果てにジェニエスが制した。両者ともこの激坂を攻略するために、約7分間もの歯を食いしばるような努力を要した。
開催委員会の算出によると約41分の全力疾走。うち7分を左右する激坂に突入する前に、おそらくバイク交換は必須だろう。出走選手は1分間隔。最後の20人、つまり総合トップ20選手だけは、2分間隔で恐ろしい坂道目指して走り出す。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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