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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第5ステージ結果速報】連日逃げに乗っていたウェレンスがブエルタ初出場で初区間優勝、山岳賞でも首位へ
サイクルNEWS by J SPORTS 編集部ブエルタ初出場、初区間優勝のティム・ウェレンス
大逃げが期待されるコースレイアウトの第5ステージ、事前予想どおり激しいアタック合戦が繰り広げられた。最初にセップ・クス(チーム ユンボ・ヴィズマ)やマイケル・ウッズ(EFプロサイクリング)ら14人の逃げグループが形成されるも吸収、次の逃げグループには レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、アンドレイ・アマドール(イネオス グレナディアーズ)らが名を連ねるもやはり吸収されてしまった。
ギヨーム・マルタン(コフィディス)、テイメン・アレンスマン(チームサンウェブ)、ティム・ウェレンス(ロット・スーダル)での逃げが形成され、ウェレンスが3つの山岳を先頭通過し山岳賞首位へ、山岳賞ジャージを獲得した。
メイン集団はイネオス グレナディアーズが牽引、ふたつ目の山岳3級ファンロで先頭とのタイム差は3分半。ダウンヒルに入ってもタイム差は縮まらず業を煮やしたトタル・ディレクトエネルジーが先頭交代しペースアップをはかるも逃げの3人は4分半のタイムギャップを持って最終峠2級ペトラルバへ。
上手に回り続けた3選手は牽制することなくフラムルージュを超え、アレンスマンがロングアタックで仕掛けたがウェレンスとマルタンはすぐに追いつき膠着状態に。斜度のきつい区間に入るとウェレンスが加速、マルタンも背後に張り付くがウェレンスの速度は緩まずガッツポーズを決めフィニッシュラインに飛び込んだ。ウエレンスはブエルタ初出場で初区間優勝。
メイン集団はラスト300mで落車が発生、ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション)らが巻き込まれた。マイヨ・ロホ着用のプリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ)が一人抜け出しフェリックス・グロスチャートナー(ボーラ・ハンスグローエ)に差をつけてフィニッシュ。が、救済措置で集団は同タイム着となったため総合勢に変動はなかった。
「とても嬉しい、ツール・ド・フランス前の落車の怪我で苦しい時間を過ごした。今日のレースは特別で最初の2時間はハードだった、運良く逃げに残れて優勝することができた」ウェレンス、勝利後インタビュー
第5ステージ結果
1 ティム・ウェレンス(ベルギー/ロット・スーダル)in 04h 19' 25''
2 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 00' 04''
3 テイメン・アレンスマン(オランダ/チームサンウェブ)+ 00h 00' 12''
4 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 02' 13''
5 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 02' 13''
6 アレックス・アランブル(スペイン/アスタナ プロチーム)+ 00h 02' 13''
7 ジョージ・ベネット(ニュージーランド/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 02' 13''
8 ジュリアン・シモン(フランス/トタル・ディレクトエネルジー)+ 00h 02' 13''
9 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 02' 13''
10 ドリアン・ゴドン(フランス/アージェードゥーゼール・ラモンディアール)+ 00h 02' 13''
個人総合順位
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)in 20h 52' 31''
2 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 00' 05''
3 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 00' 13''
4 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 00' 32''
5 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 38''
6 セップ・クス(アメリカ/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 00' 44''
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 01' 17''
8 エスデバン・チャベス(コロンビア/ミッチェルトン・スコット)+ 00h 01' 29''
9 マルク・ソレル(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 01' 55''
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 01' 57''
Cycle*2020 ブエルタ・ア・エスパーニャ
第5ステージ ハイライト
ポイント賞
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)79 pts
2 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)57 pts
3 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)57 pts
山岳賞
1 ティム・ウェレンス(ベルギー/ロット・スーダル)19 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)18 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)16 pts
ヤングライダー賞
1 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)in 20h 53' 03''
2 アンドレア・バジオーリ(イタリア/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00h 02' 26''
3 ジーノ・マーダー(スイス/NTT プロサイクリング)+ 00h 02' 59''
チーム総合順位
1 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)in 62h 40' 36''
2 モビスター チーム(スペイン)+ 00h 01' 42''
3 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 00h 07' 14''
ステージ敢闘賞
151 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)
第5ステージのリタイア
112 グレガ・ボーレ(スロベニア/チーム バーレーン・マクラーレン)
138 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン/CCCチーム)
153 トナエル・ベルハネ(エリトリア/コフィディス)
コースマップ
第6ステージ 10月25日(日)午後8:55 - 深夜3:00/J SPORTS 1
[区間]ビエスカス > サリェント・デ・ガリェゴ アラモン・フォルミガル 146.4km(山岳)/急遽変更で100%スペイン国内だけのコースへ
■コースの特徴
本来予定されていた国境越えは中止された。10月22日のフランス政府の発表により、通過予定だったピレネー山脈の2県が警戒最大地域に含まれた。開催委員会はコース変更を決断。本来であれば1級ポルタレ峠からフランスに入り、超級オービスク峠を通過し、ツール・ド・フランスの伝統峠、超級トゥールマレー峠でフニッシュするはずだったステージは、100%スペイン国内だけで執り行われる。
代替コースは大小周回+本来のルートという組み合わせで作り上られた。スタート地は変わらない。ブエルタのコース作成者フェルナンド・エスカルティンの故郷から走り始める。ただし北へ向かう代わりに、まずはプロトンは南下。前日の第5ステージフィニッシュ地サビニャニゴを中心に、くるりと小さな輪を2周描く。そして3度目にサビニャゴを通過し、約20kmの周回を抜け出したあとは、約80kmの大きな周回へ。
大きな周回には2つの峠が待ち構える。真っ先に挑むのは前区間の最終峠ペトラルバ峠。ただし登坂は反対側からだし、第5ステージでは2級だったが、この日は3級に区分されている。続いて2級コテファブロ峠の勾配が不規則な上りを登って下りたら、改めてスタート地ビエスカスへとたどり着く。ここで2つの大小周回は終了だ。
そして最終26.7kmで、ようやく本来のルートを使用する。予定であればスタート直後に走るはずだった道は、変更後はフィニッシュまでの勝負路となる。つまり1級ポルタレト峠の15kmの上りの、山頂まで400mをカットし、スペイン側スキーリゾート「アラモン・フォルミガル」でフィニッシュを争う(登坂距離14.6km、平均勾配4.6%、最大12%)。
近年では2013年(バルギル優勝)と2016年(ブランビッラ優勝)で使用されており、山の上には大きなスキー場用の駐車場もある。緊急でフィニッシュを受け入れる体制は整っていた。ちなみに変更後のフィニッシュ地からフランス国境までは……わずか500m程度でしかない。
残念ながら「1→超→超級」という今大会屈指の難関ステージは、「3→2→1級」と難度を下げた。累計獲得勾配は3816mから3040mに減り、また今大会の最高標高地点はトゥールマレー2115mから、第17ステージの最終峠コバティーヤ1965mへと移った。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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