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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第4ステージ】ウフルパック7人の恐ろしい進撃!スペインでの栄光に酔いしれたベネット「素敵な気分だよ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかスプリントフィニッシュ
貴重な機会を逃さなかった。ツール・ド・フランスではポイント収集に連日走り回ったが、ここブエルタでは思いっきりフィニッシュへのスプリントだけに集中すればいい。3日間しっかり体力を温存してきたサム・ベネットは、凄まじい加速力で今大会1勝目をもぎ取った。
「シャンゼリゼ勝利以来の勝利を手にすることが出来た。素敵な気分だよ」(ベネット)
4日目にして、ようやく、スプリンターたちの出番がやって来た。なにしろオランダでの平坦な3日間が中止となったせいで、いきなり開幕から3日連続で山岳大戦が繰り広げられたのだ。「まるでグランツール最後の3日間みたいなストレスだった!」と総合首位プリモシュ・ログリッチが証言するように、あっという間に総合争いは数人に絞り込まれた。
たしかに4日も待たされたけれど、平地巧者にとってこの状況は、どうやらそれほど悪くもないらしい。1カ月前にグランツール最終日の栄光をつかみ取ったベネットに言わせると、グランツール初日スプリントは「(総合勢の)誰もがタイムを落とすまいと前へ前へと突っ込んでくる」。つまりは総合争いがばらけていくにつれて、前線からスプリントとは無関係な人数の割合は減っていく。「だから今日はスプリンターだけの純粋な戦いができるはず」と、モチベーション高くステージを走り始めた。
スタートと同時に猛スピードで4人が飛び出した。ハリー・タンフィールド、ルイス・マテマルドネス、そして前日の前半で逃げたウィリー・スミットに、後半で逃げたヘスス・エスケラ。その背後では至極当然のように、ベネットとドゥクーニンク・クイックステップの仲間たちがタイム差制御に乗り出した。山ばかりのブエルタに俊足を連れてきた数少ないチーム、ボーラ・ハンスグローエ(パスカル・アッカーマン)とトレック・セガフレード(マッテオ・モスケッティ)も作業に協力した。タイム差はしばらく2分程度で移行していく。
ただし簡単な1日ではなかった。さすがに同時進行中のジロほど悪天候ではないけれど(この日はひどい大雨で、選手たちがコース短縮を訴えた)、この日も強い風が、ブエルタ一行の周囲に吹き荒れた。しかも前半はかなりの追風。序盤2時間の走行時速は50kmを軽々と超えた。
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