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サイクル ロードレース コラム 2015年10月21日

【ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム/プレビュー】ツールのヒーローたちがさいたまに集結!高層ビル群を縫う都市型クリテリウム

サイクルNEWS by 福光 俊介
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別府史之、新城幸也らの活躍でファンを熱狂させたジャパンカップサイクルロードレースから1週間、その興奮冷めやらぬ間に今度はツール・ド・フランスの熱気が日本の自転車界を包み込む。

今年で3回目を迎える「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」は、その年のツールで大活躍した選手たちを招待し、日本の文化に触れながら多くの人々に走りを披露する、選手・関係者、そしてファンにとっても貴重な機会となっている。

舞台はさいたま新都心の高層ビル群。日本が世界に誇る都市機能とツールのエッセンスが融合し、非日常のスピード感を目の当たりにすることができる。コースにはテクニカルなコーナーやUターンが含まれ、トップライダーのテクニックにも注目だ。

レースは1周約3.1kmの周回コースを走行。周回方向が前回までと逆進行になるほか、スタート・フィニッシュ地点が前回までのさいたま新都心駅付近から、西大通りへと変更されている。フィニッシュ前が緩やかなカーブの連続となっている点で、レース内容にどう影響するかが見ものと言えそうだ。

選手紹介・オープニング走行で顔見せを行った後、今回が初開催の「個人タイムトライアルレース」で、戦いの火ぶたが切られる。海外招聘選手・国内参加選手・女子選手各7名(海外招聘選手と国内参加選手は各チームから1人ずつ)、パラサイクリング選手7組8名が、コース1周のタイムを競う。

続いて、タイムトライアルに出場しなかった海外招聘選手、国内参加選手による「ポイントレース」が8周回で競われる。2周おきに設けられるポイントラインを通過した際の順位に従って得点が与えられ、完走後の総得点で順位が決まる。フィニッシュ時の着順だけで勝者が決まるわけではないあたりに、このレースの奥深さを感じられるだろう。

そして、大会の華「クリテリウムメインレース」は、15:00スタート。こちらは、海外招聘選手・国内参加選手すべてがスタートラインに就く。「個人タイムトライアルレース」「ポイントレース」で体が温まった選手たちが、もう一段階ギアを入れてペダルを踏み込むこととなる。こちらは20周回で争われ、万が一メカトラブルなど不測の事態が発生した際は、バイク修理後に周回してきた集団に再合流してもよいなどのクリテリウムルールが適用される。ツール本戦同様、スプリント賞や山岳賞も設けられる。

7チーム28名からなる海外招聘選手。今年のツール出場チーム・選手の中から、成績優秀選手を中心に今回の出場選手が決定された。大会創設以来、3年連続で出場するクリス・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は、ツールで2度目の総合優勝を果たし、再びマイヨ・ジョーヌをまとってさいたまのコースを走る。前回、「ツール・ド・フランス ジャパンチーム」として走った別府と新城は、それぞれトレック ファクトリーレーシング、チームユーロップカーと、自チームからの参戦が叶った。来シーズンの移籍が決まっている新城にとっては、チーム ユーロップカーのジャージを着て走る最後のレースとなる。クライマーのホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)、スプリンターのジョン・デゲンコルブ(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン)といったビッグネームもスタートラインに並ぶ。

2015年7月25日付UCIランキングに基づいて出場チームが決定した国内参加選手は、7チーム26選手。若手選手で構成される「スペシャルチームジャパン for さいたま」からは、個人タイムトライアルの日本チャンピオン・中村龍太郎や、ロードレースアンダー23(23歳以下)日本チャンピオンの中井路雅らがメンバー入り。

「個人タイムトライアルレース」に臨むパラサイクリングからは、ロードレース世界チャンピオンの藤田征樹ら国内外から名立たる選手が集まる。同じく女子では、個人タイムトライアル日本チャンピオンの與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)、地元選手の細谷夢菜(浦和工業高校)らに期待がかかる。

ツールの感動を再び、そして「さいたま」の名を全世界に轟かせる絶好のチャンス。瞬く間に広がるサイクルロードレースのグローバル化に、われわれも乗り遅れてはならないのだ!

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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