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真夏のオーストラリアで、2016年UCIワールドツアー緒戦、ツアー・ダウンアンダーが開幕する。
ツアー・ダウンアンダーとは
ツアー・ダウンアンダーは、南オーストラリアのアデレード近郊で催される、6日間のステージレース。日曜日に行われるクリテリウムでキックオフし、1月19日から1月24日まで1週間余りの日程で行われる、2016シーズン最初のワールド・ツアーイベントだ。
UCIカレンダーのトップカテゴリ入りから数年は平坦ステージ中心に日程が組まれ、ドイツのアンドレ・グライペル(ロト・ソウダル)が2度の総合優勝を挙げるなど、スプリンターたちが総合を争うレースだった。しかし、アデレード郊外のウィランガ・ヒルがステージに組み込まれて以来山岳が重要性を増し、近年の最終リーダージャージはGCライダーらによって争われるようになっている。
総合優勝の最多記録はサイモン・ゲランス(オリカ・グリーンエッジ)で、2006、2012、2014年の3回。区間優勝の最多記録はアンドレ・グライペルの18勝。
昨年の大会
昨年の大会では、女王区間である第5ステージでリッチー・ポート(当時はチームスカイ所属)とローハン・デニス(BMCレーシング)が首位争いを繰り広げた。2年連続でウィランガ・ヒルを制したのはポートだったが、総合優勝は第3ステージの1級山岳で勝利を挙げたデニス。わずか2秒差でリーダージャージを守った。
総合優勝デニス、2位ポート、3位カデル・エヴァンス(BMCレーシング)とポディウムをオーストラリア勢が占め、デニス、ポートのほかにもジャック・ボブリッジ(UniSA)、スティール・ヴォンホフ(UniSA)が区間優勝を挙げるなど、豪州勢にとってはこの上ない大会となった。
今年の見どころ(コース)
全6ステージのうち、アップダウンがある第2ステージ、山頂ゴールの第3、5ステージをのぞく、第1、4、6ステージはほぼ平坦。しかし、これら3ステージのどれにも多少のアップダウンがあり、各チームの思惑によって各ステージの展開がスプリントステージのそれとはがらりと変わる可能性がある。また、例年総合優勝は僅差で争われるため、ボーナスタイムが大きな意味を持つことも、ツアー・ダウンアンダーの特徴だ。
1月17日 ピープルズ・チョイス・クラシック(51km)
アデレードの市街地を周回するクリテリウム形式のレース。昨年はマルセル・キッテル(当時ジャイアント・アルペシン)が制した。
1月19日 プロスペクト〜リンドック (130.8km)
バロッサ・バレーを抜けて進む、緩やかな起伏のあるステージで、ゴールは周回サーキット。終盤はスピードアップが予想される。集団スプリントで勝負が決まる可能性が大きい。
1月20日 アンレー〜スターリング (132km)
アップダウンが続くため、パンチ力のある選手が有利。
1月21日 グレネルグ〜キャンベルタウン (139km)
前半はやや平坦だが、ラスト10kmに登場するコークスクリュー・ヒル(平均勾配9%、2.5km)はクライマーの戦いの舞台になるだろう。昨年と同様に、ここでのタイムロスが最終成績を左右する可能性がある。また、コークスクリュー・ヒルの山頂からゴールまでの6kmはシャープな下り。フィニッシュラインまで、息もつかせぬダウンヒル・チェイスが繰り広げられるかもしれない。
1月22日 ノーウッド〜ヴィクター・ハーバー (138km)
スプリント・ステージではあるが、ゴール前20kmにはカービー・ヒル(2級山岳)の上りも待ち受けている。海からの風が強く吹けば、かなりハードなステージになりうる。
1月23日 マクラーレンヴェール〜ウィランガ・ヒル (151.5km)
ウィルンガ・ヒル(平均勾配7%、2.9km)の頂上を2回目指す、今大会の女王区間。総合優勝はこの山頂で決まる可能性が高い。昨年、序盤の海沿いで作り出されたタイム差は簡単に吸収されてしまったため、やはりウィランガ・ヒルをどれだけハードにできるかに、勝利はかかっている。
1月24日 アデレード(90km)
モンテフィオーレ・ヒルのKOMはあるが、ほぼ平坦のスプリントステージ。ただし、もし総合がまだ僅差で争われている場合、ボーナスタイムが与えられる2つの中間スプリントポイントは大きな戦略的ポイントになる。もし前日のウィランガ・ヒルで勝者が決まっていれば、ゴールは集団スプリントになるだろう。
今年の見どころ(注目選手)
ローハン・デニス(BMCレーシング)
1月序盤に行われた豪州国内選手権でTTのタイトルを獲得。昨年はアワーレコード、ツールTTステージ最速記録も達成している。昨年今大会では総合優勝を挙げており、リーダーとしてチームのフル・サポートを得られれば、2年連続の総合優勝の可能性もある。
リッチー・ポート(BMCレーシング)
ツアー・ダウンアンダーで最も有名なウィランガ・ヒルを2年連続で制しており、その記録をまた一つ伸ばす快挙が期待される。BMCへの移籍により、昨年総合優勝を争ったデニスがチームメートとなった。ポートにとってはグランツール総合がシーズン通しての大目標ということを考えると、シーズン序盤戦である今大会では、デニスのタイトル防衛に力を貸すことになるかもしれない。
サイモン・ゲランス(オリカ・グリーンエッジ)
ツアー・ダウンアンダーでは最多総合優勝を誇る。昨年はオフシーズンの骨折で出場の機会を逸しており、総合優勝を飾った2014年以来2年ぶりの出場となる。昨年はクラシックでもグランツールでも落車にたたられ、たいへん不本意なシーズンとなってしまったが、今年は母国での開幕戦で大きな勝利を飾り、雪辱の一年をスタートしたいところ。
ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(AG2Rラモンディアル)
2014年ジロ総合5位のイタリア人クライマー。初出場だった昨年のツアー・ダウンアンダーでは総合6位、ウィランガ・ヒルの頂上ゴールは首位のデニスから20秒遅れの6位に入っている。
ゲラント・トーマス(チームスカイ)
ツアーダウンアンダーには過去5回出場。そのうちトップ10は2回。2013年には総合3位につけている。チームメートのセルジオ・エナオとともに、総合上位を目指す。
ルーベン・フェルナンデズ(モビスター)
若手選手の登竜門である、ツール・ド・ラブニールを2013年に制したスペイン人の新星。プロデビューの昨年、ワールドツアー緒戦のツアー・ダウンアンダーで総合5位。勝負どころのウィランガ・ヒルではポート、デニスに続く区間3位につけている。今年もトップ選手たちに交じっての活躍が期待できる。
カレブ・イーワン(オリカ・グリーンエッジ)
昨年、グランツール初出場の、ブエルタ・ア・エスパーニャで、デゲンコルプやサガンをおさえ、ステージ優勝を飾った。プロ入り3年目の今年は、1月第1週に行われた豪州国内選手権のクリテリウム・チャンピオンに。フォームは最高の状態に近く、各スプリント・ステージで勝利に絡んでくるだろう。
ジャック・ボブリッジ(トレック・ファクトリー・レーシング)
リオ五輪トラック種目でのメダルを目指す今年、つい先ごろ行われた豪州国内選手権ロードで二度目のタイトルを獲得した。昨年に続く区間優勝を狙う。
寺尾 真紀
東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao
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