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サイクル ロードレース コラム 2016年4月12日

【パリ〜ルーベ/レビュー】石畳のでこぼこ道を制したのは戦列に復帰したばかりのマシュー・ヘイマン

サイクルNEWS by 寺尾 真紀
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選手たちのコメント

マシュー・ヘイマン(オリカ・グリーンエッジ)
「パリ〜ルーベは、ブレーク(逃げ)がフィナーレまでたどり着くチャンスがある、数少ないモニュメントの一つ。もし逃げに入ることができたら、フィナーレまで、強い選手たちが追いついてくるまで、辛抱強く待たなくちゃいけないことは分かっていた。たぶんそれはファビアン(・カンチェッラーラ)かサガンになるんじゃないかと思っていたよ。トラブルを避け、ただただエネルギーをためていた。ぼくたちに追いつくために、彼らはずいぶん力を使わなくてはいけないはずだから」
「この勝利を実感するには、まだ時間がかかるだろうね。今日は、いろんなことがうまくいったんだ。不運はこれまでいくらでもあった。ぼくのラッキーデーが訪れるまで、15年も待たなくてはいけなかったんだ」 「パリ〜ルーベが近づくと、監督たちは選手にこういって聞かせる。パリ〜ルーベの逃げは、いいリザルトにつながってるって。だから、逃げに入るのがこんなに難しいんだ。ルーベは、夢を見るチャンスを与えてくれるレース。ぼくがその証拠だよ」

トム・ボーネン(エティックス・クイックステップ)
「スタンダードなパリ〜ルーベだったね。それがいちばんぴったりくる。何の情報もなく、ただ走っているだけ。今いったいどういう状況なのか、15回は訊いたと思う。逃げを捕まえて初めて、自分がどこにいるか分かったくらいだった。毎年こうだよ。カオス、クラッシュ、パンク…。テレビでレースを見ているのがいちばんいいかもしれない。レースの中にいたら、先頭にいるとき以外は、自分がどこにいるのかさっぱりわからないんだからね」
「みんなが限界まで走っていた。ぼくが5勝目をあげたくてうずうずしているのは誰もが知っていたから、なかなかアタックが成功しなかった。最後、みんなが疲れたタイミングで、やっと抜け出すことができたんだ。マシュー(・ヘイマン)がぼくを追い越していった。とても速かった。彼の後輪にはりつくのは、死ぬそうな苦しさだった。もしかしたらタンクが空になってたかもしれないと、そのとき思った。だけど、疲れているのは誰もいっしょだし、スプリントには自信があった。そして、いちばん前方からスプリントを始めなくちゃいけないとわかっていた」
「ミスをした訳じゃないんだ。追い越すために十分なスペースがなかったのが、アンラッキーだった。これはスプリントなんだから、何がいつ起きるかは予測できない。でも、最後のコーナーを、先頭で通過しようとしていたんだ。けれどそこで、マシューに追い越された。セプ(・ファンマルケ)がぼくを追い越そうとしている間に、40mほど待たなくてはならなかった。勝利を失った、あるいは、少なくともちゃんとしたスプリント勝負ができなかったのは、そのためだったと思う。もう手遅れだったんだ。もう少し早い段階で、スピードをもう少し落として、飛び出すべきだったのかもしれない」
「月曜日にどんな気持ちかは分からないけれど、あの怪我(昨年の10月に頭蓋骨骨折の重傷を負った)からここまで回復できたんだから、いい走りができたと思う。2位も、もしかしたらそう悪いものじゃないかもしれない。もう一年、というモチベーションをくれるかもしれないし」

イアン・スタナード(チームスカイ)
「フィナーレはかなりナーバスだった。タフなレースで、本当のところ、誰の脚も残っていなかったからね。普段ならもっと速いスプリントができるはずのやつらも、もうほとんど力を残していなかった。どれだけハードなレースだったかがわかるよ」
「表彰台に乗ることができて満足だけど、あと一息なのに、手が届かなかった。誰もが100%以上の力で戦っていた。少なくともぼくはそうだったよ! ボーネンやエドヴァルド(・ボアッソンハーゲン)とスプリント勝負はしたくなかったから・・・。でも今から思えば、あそこで脚をためたほうがよかったのかもしれない。そうしたら、結果は違っていたかも・・・」

セプ・ファンマルケ(ロットNLユンボ)
「カルフール・ド・ラルブルでアタックしようということは、少し前の段階から考えていた。石畳の上では自分がいちばん良い走りをしているように思えたから、すこしのギャップが作れれば、それを広げていけるんじゃないかと思ったんだ。でも、それでは足りなかったね」
「確かにあそこでたくさんの力を使ってしまったけれど、カルフール(・ド・ラルブル)でアタックしなければ、ほかにアタックできる場所なんてないと思ったんだ。10秒ほどの差をつけ、だんだんと差を広げていっていた。最初は、掴まらないんじゃないかと思っていたけれど、アドバンテージを保つことができなかった。レースのフィナーレでは、ギャンブルも必要だ。でもあのアタックのせいで、ゴール前1kmにたどり着いたときには、かなり不利な状況だった。ベロドロームの入り口で、ヘイマンとボーネンになんとか追いつくことはできたけれど、ポディウムに届くようなスプリントはできなかった」

ファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード)
「分断のあとは、かなりハードなレースを強いられることは分かっていた。けれど、ルーベはタフなレースだし、いつ、何が起きるかわからない。だから、とにかく闘い続けた。自分にとって最後のルーベだし、レースが本当に終わってしまうのは、自分が諦めたときだと知っているからね。(自分の)落車のあと、10〜15km走ったところで、あきらめた。不可能だ、ということがわかったから」
「(こういう形で最後のルーベを終えるのは)つらいとも、つらくないとも言えないね。先週の結果を受け入れるほうが難しかった。今はただ、レースが終わったことがうれしい。ベロドロームにたどり着いたときには、もうかなりリラックスした気分だった。フランドルでは、最後の最後まで勝負を競っていたから。レースの内容についてハッピーかと訊かれたら、そうではないとしか言えない。それとは別の意味で、このレースを走り終えたということ自体がうれしいんだ」
「このあとは、ポポ(ポポヴィッチの愛称)と楽しみたいね。は二人で走る最後のルーベだったし、彼にとっては最後のレースだ。ベロドロームをもう一周だけして、それからホテルに戻り、お祝いだ。レースには勝てなかったけれど。でもそれがスポーツだし、それが自転車レース。勝つことも負けることもあるけれど、そのすべてを祝うことができるんだ」

ペーター・サガン(ティンコフ)
「ルーベで勝てるかどうかいろんな人が質問してきたけれど、これはパリ〜ルーベ。何が起こるかなんて誰にも分からない。長い伝統のある、すばらしいレースだけど、勝つのは本当に難しいレースだ。どのチームもそれぞれの戦略を立てて、このレースに臨んでくる。けれど、今日は優勝候補の2人がクラッシュの後方で足止めされ、前方の集団により多くの選手を送り込めたチームが、レースのコントロールを握った。アランベールの前に、すでに2つの落車に巻き込まれて、他のチームの協力なしでは、何をするのも難しかった」
「ファビアン(・カンチェッラーラ)と協力体制を取っていたけれど、彼のクラッシュのあと、我々は勢いを失ってしまった。幸いなことに落車は避けられたけれど、たぶんあそこで僕のレースは終わってしまっていたね」

代替画像

寺尾 真紀

東京生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジ卒業。実験心理学専攻。デンマーク大使館在籍中、2010年春のティレーノ・アドリアティコからロードレースの取材をスタートした。ツールはこれまで5回取材を行っている。UCI選手代理人資格保持。趣味は読書。Twitter @makiterao

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