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【ブエルタ・ア・アンダルシア2018 プレビュー】フルーム、ランダらが参戦! グランツールへとつながる「太陽の道」アンダルシアを制するのは誰か!?
サイクルNEWS by 福光 俊介スペイン南部・アンダルシア州をめぐる5日間の戦い。地中海の潮風が織りなす温暖な空気と、まばゆいばかりの太陽の光は、寒さを避けたいシーズン序盤の選手たちにはピッタリである。
そんな好環境のもと毎年2月に開催されているのがブエルタ・ア・アンダルシア。別名「ルタ・デル・ソル(太陽の道)」と呼ばれるのは、前述した現地の穏やかな気候からきている。日本でアンダルシアといえば、サイクルロードレースが題材となった映画「茄子 アンダルシアの夏」を思い浮かべる方もいらっしゃることだろう。
2017年大会からレースカテゴリーがHCとなったが、格式にとどまらず数々の王者がアンダルシアを駆けた。アレハンドロ・バルベルデは2012年以来、5度の総合優勝を誇る。そのバルベルデが欠場した2015年には、クリス・フルームが制覇したほか、総合優勝こそ挙げていないもののアルベルト・コンタドールやリッチー・ポート、ティボ・ピノといったグランツールの花形たちもこの地から後々の活躍につなげた。
アンダルシアを知り尽くしたバルベルデは今回欠場。当初は出場を予定していたが、レースプログラムを変更し、今大会はミケル・ランダを“ミスター・アンダルシア”の後継者に指名。ランダにとっては、モビスター チームに加入して初のレース。いわばシーズン初戦だが、早速“絶対的エース”としての役割を担うことになる。自身はもとより、チームにとっても自国のレースとあり、総合優勝することがミッションだ。
まだまだシーズンが始まったばかりとあって、“打倒モビスター”は大げさかもしれないが、ライバルになり得る選手たちも多数参戦の意思を示した。ツールでの活躍を誓うヤコブ・フグルサングや、ジロ・デ・イタリアでの実績をステップにツールへと目標をシフトしたスティーブン・クライスヴァイク、若手有望株のギュローム・マルタンなどがスタートラインにつく予定だ。また、NIPPO・ヴィーニファンティーニも招待を受け、日本人選手も数人メンバー入りする見通しだ。
そして、開幕直前になりフルームが参戦を正式に表明した。昨年、ツールとブエルタ・ア・エスパーニャの総合2冠に輝いたが、そのブエルタ期間中に採取された尿サンプルから気管支拡張剤「サルブタモール」の異常値が検出。本人は喘息に対する処方ミスを主張しているが、UCIの判断を待つ状況にある。正式な裁定が下されるまではレース出場は可能で、今年のシーズン初戦をアンダルシアに据えた。オフは南アフリカでトレーニングを積み、1月だけで総距離4410km、獲得標高59535mを走破。その仕上がり具合に注目が集まる。
もっとも今年に限らず、これまでもビッグネームが自らの可能性をアンダルシアの道に求めたのは、それなりの理由がある。それはコース設定だ。
大会初日からカテゴリー山岳が次々現れるレイアウトが選手たちを待ち受ける。絞られた集団での勝負となりそうな第1ステージ(197.6km)にはじまり、1級山岳アルト・デ・ラス・アリャナダス(標高1003m)の頂上にフィニッシュする第2ステージ(140km)が大会前半のポイントとなる。
今大会唯一のスプリントステージになりそうな第3ステージ(166.1km)を経て、第4ステージ(194.7km)は中盤に1級山岳プエルト・デ・ラス・パロマス(1200m)の登坂が控える。とはいえ、フィニッシュまでの距離が残されていることや、長いダウンヒルもあるため、決定的な差はつきにくい。勝負するとなれば、上り基調のラスト3kmか。
そしてフィナーレは、14.2kmの個人タイムトライアル。毎年設定される個人タイムトライアルステージは今年、最終の第5ステージに設けられた。第4ステージまでに築いたタイム差や順位が大シャッフルする可能性が高く、総合争いにおいては最重要ステージとなることは必至だ。
ここで結果を残した選手が今シーズン、来たるビッグレースで活躍することになるだろう。ルタ・デル・ソルには、それだけの魅力と未来への可能性が秘められているのである。
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■ブエルタ・ア・アンダルシア
02月14日 (水) 午後11:30~ 生中継&LIVE配信
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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