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サイクル ロードレース コラム 2018年9月9日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第14ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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幾度となく加速を試みたナイロ・キンタナ

幾度となく加速を試みたナイロ・キンタナ

背後ではキンタナとロペスがまたしても睨み合った。そこにバルベルデも加わって、熾烈な競り合いを繰り広げた。「イェーツに追いつける体力は残していた」けれど、「スプリントに持ち込みたくない」、すなわちモヴィスターの2人を連れて行きたくはなかったというロペスは、かくしてタイミングを逃すことになる。

勾配がようやく10%を切った残り100mを、サイモン・イェーツは全速力で駆け上がった。一等賞でフィニッシュラインを越え、いつものように胸を3度、力強く拳で叩いた。区間3勝と大暴れした2018年ジロに続いて、ブエルタでもついに1勝目を手に入れた。なにより「山の間の平らな土地」という名を持つ町の、早くも「ミニ・アングリル」との異名を頂戴したレス・プラエレスで、記念すべき初代王者となった。

2秒後にロペスとバルベルデがフィニッシュし、5秒後にピノが、7秒後にキンタナが山頂へ到着。ラスト1kmを一緒に越えた8人は27秒以内で、エラダを除く前日までの総合トップ10選手は、揃って53秒以内で区間を終えた。ちなみにニバリを筆頭にチーム総出のアシストを受けたイザギーレは37秒遅れで終了し、ウィルコ・ケルデルマンは1分02秒も落とした。

もちろん区間勝者のボーナスタイム10秒も手に入れたイェーツは、2日前に自らの決断で「手放した」マイヨ・ロホをあっさりと取り戻した。

「僕は完全に状況を掌握したわけじゃない。長い上りフィニッシュはまだ1回しか行われていないし、明日のコバドンガは、まるで違ったタイプの努力を必要とする上りだ。なにより、まだまだタイム差は極めて少ない」(イェーツ)

たしかに総合2位&3位につけるモヴィスターコンビ、つまりバルベルデとの差は20秒、3位キンタナとの差は25秒でしかない。4位に浮上したロペスは47秒差で追いかけてくる。総合5位以下にはすでに1分23秒の差をつけているが、クライスヴァイクが9位から一気に5位へとジャンプアップしたこと、なにより総合6位ウランと7位イザギーレがタイムトライアル巧者であることを忘れてはならない。

……そう、サイモンがマリア・ローザの日々で最も恐れていたのが、個人タイムトライアルでタイムを大幅に失ってしまうことだった!

「やっぱり今大会も個人タイムトライアル(第16ステージ)でタイムを失ってしまうだろうね。随分と上達したと思うけど、それでも僕の弱点であることに変わりはない。ただ今回は3週目にもたくさん難ステージが待ち構えているから、まずはTTでどうなるか見ていきたい」(イェーツ)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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