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注)ブエルタ・ア・エスパーニャ2018への出場選手に関する情報は随時発表さているため、記載情報に一部遅れが生じている場合がございます。予めご了承ください。
伝統的にグランツール総合に強いチームとして名を馳せてきた。かつてはコンタドールやアームストロング、ニバリという現役最強レベルのグランツールレーサーも擁してきた。2006年シーズン中にアレクサンドル・ヴィノクロフが指揮権を確保し、2007年にカザフスタン籍で再スタートを切って以降、グランツールでは総合優勝6回、総合表彰台7回を誇ってきた。
しかし昨年末にファビオ・アルを放出し、大きく生まれ変わったチームは、今年、新しい喜びも知った。この春のワンデーレースでは、水色ジャージが前線で数的優位を誇る場面がしばし目撃されたものだが、中でもミケル・ヴァルグレンが、チームに創設以来初めてのフランドル系クラシック勝利をもたらした(オムループ・ヘット・ニュースブラット)。ヴァルグレンはアルデンヌ系アムステル・ゴールドレースでも勝利を飾る大躍進を見せた。
肝心のグランツールでは、若きリーダーが、納得の好成績を残した。実は2018年は、創設以来初めてグランツール優勝・表彰台経験者ゼロでスタートを切ったシーズンでもあったのだが……そんな状況は5月にあっさり改善してしまう。昨ブエルタで総合8位&区間2勝と大活躍した24歳のミゲルアンヘル・ロペスが、実質的に自身2度目のグランツール(ジロ・デ・イタリア)で、総合3位&新人賞をさらいとったのだ。残念ながらツール・ド・フランスでは、総合エースのヤコブ・フグルサングが目標であるトップ10入りを逃した(総合12位)。ただ第14ステージをオマール・フライレが、第15ステージをマグヌス・コルトニールセンが制し、つまり区間2連覇で勝負強さは大いにアピールできた。
シーズン3つ目のグランツールでも、もちろん全力で総合争いに打って出る。そのためにヴィノクロフは極めて野心的なメンバーを揃えた。ロペスとフグルサングの総合ダブルエースに、かつて2年連続でブエルタ山岳賞を受賞したフライレとを引き連れて、ブエルタ・ア・エスパーニャへと乗り込む予定だ。
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山口 和幸
ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。
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