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サイクル ロードレース コラム 2018年5月1日

【エシュボルン=フランクフルト プレビュー】日本人選手4人が参戦! ドイツ伝統の5月1日にスピードマンが集結

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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昨年、ツール・ド・フランスのグランデパール(開幕)を成功裏に終えたドイツ自転車界。かつてはトップ選手たちのドーピング禍に揺れ、チームスポンサーやテレビ局のレース放映からの撤退など、同国では多くの人がこのスポーツから離れた時期があったが、この数年でマルセル・キッテルやアンドレ・グライペルなど、アンチ・ドーピングを地で行く選手たちが次々と誕生。彼らがレースで結果を残すことで、人々の関心をロードレースへと引き戻してみせた。

苦難の時期を乗り越えつつあるこの国の自転車界にあって、どんなことがあろうとも揺らがず、歴史を築き続けてきたレースが存在する。エシュボルン=フランクフルト。かつては「ルント・ウム・デン・フィナンプラッツ・エシュボルン=フランクフルト」、日本ではフランクフルト一周といった呼び名で知られてきた。1962年に初めて行われ、1968年からはメーデーによるドイツの休日にあたる5月1日に開催日が固定されている。

UCIワールドツアーの拡大に伴い、2017年にレースカテゴリーが昇格。これに合わせて、ツール・ド・フランスを主催するA.S.O.が大会の運営に名を連ねるようになった。

いわばドイツ自転車界を守り続け、復活の象徴の1つともいえる伝統の“5月1日”。春のクラシックシーズンがひと段落し、ツールやその先のシーズン後半戦にターゲットを定める選手たちのステップレースとしても重要度が高まっている。

レースはフランクフルト郊外のエシュボルンを出発し、すぐにフランクフルトを通過したのち針路を西へ。しばらくはワンウェイルートだが、中盤以降は複数の周回コースをめぐる。西側の大周回をおおむね3周し、その後小周回を1周。この間に4回通る登坂区間・マモルシャインは最大勾配にして26%に達する。

数時間前にスタートしたエシュボルンを通り、フランクフルトへと戻るといよいよフィナーレ。1周3kmの市街地サーキットを3周回してフィニッシュを迎える。

西側の周回コースを中心にハードな上りが集中するが、4回目のマモルシャインからフィニッシュまで約40km残されていることもあり、一度後退したスプリンターでもメインプロトンに復帰する猶予は大いに残されている。現に、スプリンターが勝利することが多い点でも、それを表しているといえるだろう。

中止となった2015年をはさみ、現在3連覇中なのがアレクサンドル・クリストフ。「上れるスプリンター」として確たる地位にある彼こそ、今回の出場予定メンバーの中でも最もコースに適している選手といえそうだ。スピードに長けるアシストをそろえる見込みで、登坂を終えた後半からはレースを支配することだろう。

クリストフの連勝に待ったをかける一番手は、マイケル・マシューズ。先日のラ・フレーシュ・ワロンヌでは5位に入るなど、アルデンヌの丘陵をこなしてきた脚はフランクフルトの上りであれば難なくこなしてしまいそう。直前のツール・ド・ロマンディでも第1ステージを制覇するなど、そのコンディションは上々。アシストにコースを知るドイツ勢が3人含まれているあたりも心強い。

今シーズン27勝、うちクラシックシーズンに11勝を挙げるという驚異的な勝利量産体制にあるクイック・ステップ フロアーズは、大役をクラシックハンターからフェルナンド・ガヴィリアにバトンタッチ。今年はツールに向けて調整中とあり、まだ本来の爆発力は鳴りを潜めているが、そろそろその気になってもよさそうな頃。フランクフルトの周回コースまで生き残ること、イコール勝利を収めるといっても大げさではないだろう。もし、ガヴィリアが不発でも、新鋭のファビオ・ヤコブセンが控えるあたりに層の厚さを見せる。

地元ドイツでこの大会初優勝を狙うのが、アンドレ・グライペル。35歳にして衰え知らずの“ゴリラ”は、3月のミラノ~サンレモで落車負傷し、これが復帰レース。久々の戦線復帰といいつつも、アシストには名参謀マルセル・シーベルグを配するなど、ロット・ソウダルはメンバーだけ見れば本気の布陣。地元での復帰戦で華麗に復活となれば、それはもうできすぎたストーリーだ。

ボーラ・ハンスグローエが自信をもって送り出すスプリンターは、サム・ベネット。ペーター・サガンの活躍が派手に映るチームだが、それ以外にも勝負できる選手がそろっていることも観る者として押さえておくべきだろう。ロマンディの最終日を制したパスカル・アッカーマンをどう機能させるかも興味深いところ。

意欲十分のスプリンターたちに一泡吹かせる走りができるとすれば、その最右翼はオリバー・ナーセンだろう。彼にとっての“本番”であった北のクラシックでは不発に終わってしまったが、ひとたびパヴェを離れれば“逃げ屋”として曲者に変身。それでいて、スプリンターに負けないフィニッシュ前でのスピードも持つだけに、数人で協調して最後を迎えられれば、勝機がやってくる。

まだまだタレントは豊富。今シーズン未勝利でそろそろフレンチスプリンターの意地を見せたいナセル・ブアニ、ジュニア時代からこの大会に親しんできたリック・ツァベル、2013年にはスプリンターを撃破して勝利したシモン・スピラクなども、端役のままレースを終えるわけにはいかない、そう思っているに違いない。

そして、今年のフランクフルトには4人の日本人選手がスタートラインに並ぶことも決定している。バーレーン・メリダから新城幸也、トレック・セガフレードから別府史之、NIPPO・ヴィーニファンティーニから小林海と初山翔。UCIワールドツアーにおいては、これ以上ない豪華絢爛な顔ぶれ。それだけでも、このレースを観る価値がありそうだ。小林と初山は逃げでレースを活性化させ、新城や別府はチームのエーススプリンターのために従事する姿が見られる可能性が高い。「日本人ライダーここにあり」をアピールする、絶好の機会がついにやってきた。

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■エシュボルン=フランクフルト
5月1日(火)午後9:00~ 生中継&LIVE配信
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J SPORTS編集部

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