人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

バスケットボール コラム 2025年12月25日

【ハイライト動画あり】インターハイの記憶を越えられずーー東山に再び屈した中部大第一、エースへの課題を突きつけられた島田康大朗 |高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
  • Line
東山戦で10点をマークした島田康大朗

東山戦で10点をマークした島田康大朗

11月に行われたウインターカップの抽選会で、中部大第一はインターハイの3回戦で敗れた東山が1回戦の相手となった。インターハイでは前半こそ35対35の同点と互角の攻防に持ち込んだものの、3Qで12対29と一気に引き離されたことが痛手となり、63対83のスコアで敗戦。ウインターカップでの再戦は、1回戦としては異例の好カードとなった。

中部大第一は190cmを超える選手を多く揃える一方で、ガード3人の質が高い東山とのマッチアップを踏まえ、常田健コーチは西村謙槙、島田康大朗、山本夏生を先発で起用した。夏の対戦で8点に終わっていたムアンバ・ジョナサンは、ペイント内での得点に加え、味方に合わせるアシストでも存在感を発揮。前半だけで16点を挙げるなど、夏からの成長を示していた。

1点をリードされて迎えた3Q序盤、中部大第一はジョナサンのアシストから島田がジャンプショットを入れて39対37と逆転。4分37秒には清水祥敬、2分56秒に音山繋太が3Pショットを決めて52対46。この試合最大となるリードを奪った。

「高校バスケ ウインターカップ2025」放送/配信のご案内

4Q開始時のスコアは57対54。常田コーチは「もう少しリードしていてもいいくらいの展開だった」と振り返る。しかし、ディフェンシブ・リバウンドを確保できないという課題を含め、チームとしてやりたいバスケットボールができていなかったという。ガードとして先発した島田も、指揮官と同じ感覚を抱いていた。

「前半でリバウンドが15本負けていて、自分たちのバスケットではない状態でついてきていたんですけど、点を取っても騙し騙しというか、留学生のところや1対1の個人技とか、チームとして点を取るというところではなかったです」

そんな不安を抱えたまま迎えた4Q、試合はインターハイの3Qが再現されるかのような展開に突入。東山がディフェンスでギアを上げたことと、遂行力の高いオフェンスに対し、中部大第一は答えを見いだせなくなった。

常田コーチは下級生ガードの島田と山本に期待を寄せていたが、西村を含めてペイントにアタックしても得点を狙わず、パスがスティールされる場面が目立ち始める。インターハイの対戦時に21点を記録していた中村颯斗に3本の3Pショットとドライブからのレイアップを決められるなど、東山に流れを渡してしまった。

「タイムアウトを最後に使うか使わないか、かなり悩んだ。これを取ってしまえば、彼らはまた(東山の)ギアが上がった時にチームとして戦わなければいけないですし、10点開いたら難しいなと思っていたので、あそこは賭けでタイムアウトを取りました」

常田コーチは4Q開始から3分弱で3つのタイムアウトを使い切り、流れを止めようと試みた。しかし、東山のエース佐藤凪が巧みなアシストを連発し、点差が22点まで広がったところで勝負あり。ジョナサンが18点、西村が13点と3年生の奮闘は光ったものの、4Qで11対32と圧倒された中部大第一は68対86で1回戦敗退となった。

2年生ながら常田コーチからエース候補として期待されている島田は10点をマークした一方で、ターンオーバーが6本。「実力不足だと感じました」と語ったように、本来の力を出し切れず、悔しさ満載のゲームとなった。

同級生の音山、馬越、1年生の山本とともに、島田は来年の中部大第一を牽引しなければならない選手。取り組む姿勢などメンタリティを常田コーチは高く評価しており、坂本聖芽、田中流嘉州、小澤飛悠といった先輩たちに近づけるポテンシャルがあるという。ウインターカップの経験を糧に、島田康大朗は新チームで真のエースになるための第一歩を踏み出す。

無料動画

【男子 ハイライト】東山高等学校 vs. 中部大学第一高等学校|ウインターカップ2025 1回戦 Cコート(12月24日)#basketball

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
バスケットボールを応援しよう!

バスケットボールの放送・配信ページへ