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【専修大・アピア・パトリック眞】縁の下の力持ちからチームに欠かせない大事な戦力へと成長中 | 関東大学バスケットボール新人戦
バスケットボールコラム by 青木 崇アピア・パトリック眞/専修大
専修大の佐々木優一コーチは、ルーキーズトーナメントが「下級生にとっては一つ一つの試合が財産になる」という見方をしている。このような機会があることと、それを最大限に活かせるか否かは、選手の成長に直結するもの。専修大のフロントラインで奮闘するアピア・パトリック眞(2年・福岡第一)は、ルーキーズトーナメントでステップアップした選手と言っていい。
U16とU17日本代表メンバーに入った経験があるものの、高校時代のアピアは留学生の控えということもあり、出場機会の多い選手ではなかった。しかし、普段の練習で留学生とマッチアップしてきた経験は、専修大に入学してから少しずつプラスになりつつある。
ルーキーズトーナメントでは青山学院大との初戦で14点、6リバウンド、白鴎大との準々決勝で敗れたといえ、アピアはチーム最多の21点、10リバウンドでダブルダブルを達成。3Pショットを1本決めるなど、一生懸命に取り組んできたシューティングの成果が出始めている。
白鴎大に敗れた後、「実際このチームは自分が点を取らなくても勝てるチームなんですけど、相手が相手というのもあって、2年生が頑張らなきいけない時間があった。前の試合までは1年生に任せっきりで、(古山)幸聖がよかったり、(越田)伊吹や(後藤)宙のディフェンスがよかったんですけど、2年生の活躍があまりなかったので、そろそろ頑張らなければいけないということで、気合を入れてやっていました」と、アピアは自身と同級生に対して厳しい評価をしていた。それでも、ビッグマンとして走り続けたことで決めることができたレイアップも多くあり、江戸川大との5〜8位決定戦も15点、5位決定戦の早稲田大戦も14点の活躍。佐々木コーチは現在のアピアについてこう語っている。
「彼自身が地道に1年間、プレータイムは去年そこまでなかったんですけど、自分がなりたい自分というのを見失わずに、コツコツ積み重ねて努力することができるというのが、本当に彼の良さになっています。今年に入ってからは去年積み上げてきた身体の部分ができていたので、彼の気持ちに少し余裕がある。去年までは身体もないし、何をやったらいいかで慌ててしまい、焦って落ち着いてプレーできなかった。今は自分が積み重ねてきたものに対して自信があるので、落ち着いてプレーできている。なので、常に得点を狙う機会だったり、冷静に自分自身を見つめてやれているというのが、彼が今1年間積み上げてきた成果というところで出ているかなと思います」
昨年のオータムリーグでのアピアは、淺野ケニーのバックアップとして短時間ながらプレーする機会を得ていた。ディフェンス、スクリーンのセット、リバウンドを一生懸命に取り組んでいたが、ファウルトラブルですぐにベンチに下がってしまう試合も多かった。しかし、今回のルーキーズトーナメントではハンズアップとバーティカル(垂直に飛ぶこと)の徹底と、簡単に手を出さずに我慢できていることで、どの試合も30分以上プレーすることができた。
「今までだったら変にパッと(軽く)ファウルしたりとか、留学生に対しても無理矢理ファウルをしてしまうことがあったんですけど、今年はそういった部分がなくなってきているし、チームに必要とされているという自覚も出てきているので、すごくいい方向に進んでいる」と、佐々木コーチはアピアの成長に手応えを感じている。李相佰に出場するメンバー選考で落ちた悔しさがアピアのモチベーションになったことは、U22代表を率いる網野友雄コーチがいる白鴎大戦での活躍に繋がったのかもしれない。
アピアがルーキーズトーナメントで活躍できたことは、高校時代から続いた縁の下の力持ち的な役割から、チームに欠かせない重要な戦力へと変貌するきっかけになりそうだ。留学生に頼らない戦い方をする専修大にとっては、新人インカレやオータムリーグでよりレベルアップすることが期待される。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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