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バスケット ボール コラム 2024年12月16日

【ウインターカップ男子展望】例年以上に本命不在で、ベスト8に勝ち上がればどのチームにもチャンスあり

ウインターカップコラム by 青木 崇
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東山高校の瀬川琉久選手

夏のインターハイはU18世代でNo.1ガードと言われる瀬川琉久を擁する東山が、初の全国制覇を果たした。U18トップリーグでは4勝3敗に終わったが、ライバルたちに追われる立場として戦うことの難しさを実感し、福岡第一には51対78の大敗を喫した。しかし、これをいい意味での目覚まし、気持ちの部分で吹っ切れたのは事実。U18トップリーグのラスト2試合で美濃加茂と開志国際に勝ったことは、自信を取り戻すうえでも大きなプラスだった。

瀬川と佐藤凪のガード陣が中心選手に、オフェンスで高い遂行力を発揮できた時の東山は強い。そうなった場合は、小野寺星夢、中村颯斗、松島慎弥の3Pショット、スペースにカットしての得点がうまい南川陸斗の貢献度も高くなる。ディフェンス面でのカギは、カンダ・マビカ・サロモンとウェトゥ・ブワシャ・エノックの留学生がファウルトラブルを回避することになる。

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U18トップリーグを7勝1敗で制した福岡大学附属大濠は、順当に勝ち上がれば準決勝で東山との対戦が期待できる。出場機会こそなかったものの、アジアカップ予選のグアム戦で日本代表のロスターに入った渡邉伶音は、206cmのビッグマンとしてインサイドでもアウトサイドでも得点できる選手へと成長している。渡邉の存在は、シュート力に加えてドライブに磨きがかかった湧川裕斗、非凡な得点力を持つU18日本代表の高田将吾の強みを発揮するうえで大きなプラスだ。司令塔を務めるのは2年生の榎木璃旺だが、ベンチから出てくる見竹怜は試合の流れを変えられる点で貴重な存在だ。苦しい局面で見竹が存在感を出せるかも、福岡大附属大濠が2021年以来の頂点に立つために欠かせない要素になるだろう。初戦が日本航空か仙台大附属明成の勝者というタフな相手になるが、ここを着実に勝って勢いに乗りたいところだろう。インターハイとU18トップリーグで2位となった美濃加茂は、スターター5人がいずれも素晴らしい実力の持ち主。インターハイ準決勝で福岡大附属大濠に競り勝った際は、スターター5人全員がフル出場だった。留学生のエブナ・フェイバーが高さと強さを武器にインサイドをコントロールし、藤田大輝、後藤宙、関健朗、深見響敏はいずれも素晴らしいシュート力を持つ。控えの選手たちの成長がインターハイ以降の課題となっているが、スターターの負荷をいかに軽減できるかは、連戦が続くウインターカップで勝ち上がるために欠かせない。

昨年の優勝校でインターハイ・ベスト4の福岡第一は、キャプテンの八田滉仁を除いたガード陣が2年生。昨年の優勝に貢献した八田が得点面でチームを牽引しながらも、双子の宮本聡と耀が着実に成長してスターターに定着。聡がプレーメイク、耀がシュート力を武器に存在感を増しており、センターの留学生シー・ムサを最大限活かすうえで宮本ツインズの活躍は福岡第一の成功に欠かせない。宇田ザイオンは184cmとフォワードだと小さいかもしれないが、フィジカルの強さとシュート力でチームに貢献できる。武器のプレッシャー・ディフェンスで試合をコントロールできると、U18トップリーグで東山に大勝したような試合も再現できるし、間違いなく優勝候補の一角と言える。

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インターハイでベスト8に進出した中では、U18トップリーグを戦った開志国際と藤枝明誠に注目。両チームともしっかりゲームを組み立てるチームであり、留学生をうまく使う術を持っている。報徳学園は羽黒との初戦をモノにできれば、3回戦でU18代表の十返翔里、シュート力が武器の平原侑真を擁する八王子学園八王子との対戦が濃厚。鳥取城北はインターハイの準々決勝で福岡大附属大濠に善戦しており、順当に勝ち上がって美濃加茂と準々決勝で対戦しても、互角に戦うことも十分に考えられる。

今年のウインターカップは、ベスト8まで勝ち上がればどのチームにも優勝のチャンスがあるくらい、実力が拮抗している。八王子学園八王子、京都府2位での出場になるが、夏以降の成長が著しく、近畿ブロックリーグを制した洛南、No.1留学生のオルワペルミ・ジェラマイアを擁する日本航空は、ダークホースとして大会を盛り上げる可能性を秘めたチームとして注目したい。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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