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【福岡第一高等学校】ディフェンスで福岡大附属大濠を前半の20分間で粉砕し、4年前同様にライバルを撃破してのウインターカップ制覇 | 高校バスケ ウインターカップ2023
ウインターカップコラム by 青木 崇福岡第一高等学校
今大会での福岡大附属大濠は、U19日本代表の渡邊伶音(206cm)と3年生の広瀬孝一(196cm)がインサイドで優位に立てるチーム。しかし、福岡第一のサー シェッハは、世戸陸翔をあっさり抜き去ってゴールへアタックした広瀬に対し、ヘルプディフェンスから強烈なブロックショットを見舞う。
サーのブロックショットはこの1本だけだった。しかし、福岡大附属大濠の片峯聡太コーチが「完璧なプレーだっただけに(ブロックされたのは)大きかった」と話したように、3本のレイアップと崎濱秀斗の3Pショットで福岡第一がいきなりの9連続得点で勢いづいたという点で大きな意味があった。
福岡大附属大濠は渡邊がポストプレーやドライブで果敢に攻めるものの、2Q9分51秒にバスケットカウントで得点しても、フリースローを決められない。福岡第一の厳しいディフェンスにオフェンスが遂行できなくなり、3分30秒に鈴木凰雅が3Pを決めるまでの6分21秒間で福岡第一は14-0のランで一気にリードを広げ、38対14とハーフタイムで24点のリードを奪った。前半で一気にリードを広げる要因となったディフェンスについて、井手口コーチはこのように評価する。
「ケガ人が多くて1年間いろいろやりすぎました。オールコートやゾーンをやった中で、12月に崎濱が戻ってきて、自分たちの一番いいディフェンスは何か? それはハーフコートのマンツーマンと時々のゾーンプレス。前半でうまく機能して、14点に抑えるというのはあり得ないことだったと思いますが、僕らのディフェンスが頑張ったことと、大濠のショットがうまくいかなかったのが重なったんでしょう。最高でした」
4年前の決勝も福岡第一が試合開始から最後までリードを維持し、最大で22点差をつけての勝利を手にしたが、今回は前半でその差を上回るくらい、ディフェンスで完全に試合を支配。福岡大附属大濠のフィールドゴール成功率は16.1%、準決勝まで平均7.8本だったターンオーバーが20分間で10本を数えていた。福岡大附属大濠の片峯コーチは、悪夢の前半を次のように振り返る。
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【ハイライト】 福岡大学附属大濠高等学校(福岡)vs.福岡第一高等学校(福岡)|高校バスケ ウインターカップ2023 男子決勝 メインコート(12月29日)
「福岡第一のプレッシャーにメンバーたちが受け身になってしまいました。うまくいかないことが出る度に、選手たちは試合中にベンチを見るような状況でした」
3Q中盤で31点差をつけられた福岡大附属大濠は、キャプテンの三輪大和がドライブでフィニッシュするなど、前半と違ってアグレッシブに攻める姿勢を見せた。その後も村上騎士郎が2本の3Pを決めるなど、最終的に10点差まで詰めたのは、福岡大附属大濠が最後まであきらめない姿勢とプライドの証と言えるものだった。
崎濱秀斗(福岡第一高等学校)
開志国際に敗れた昨年の決勝後に泣き崩れていた崎濱は、12月上旬に手術した足首の怪我から復帰したばかりの状況でウインターカップに臨んだ。しかし、2週間という短い準備期間でチーム力を上げる要因となり、決勝では準々決勝の東山戦同様に大黒柱として勝負強さを発揮し、ゲーム最多となる18点をマークした。
「1回戦からタフなゲームの連続でしたけど、試合ごとにチーム力が向上しました。自分個人は2か月間離脱したのでアジャストできるか不安でしたけど、チームメイトの声かけがあってアジャストできました。このように優勝できたのは、115人という部員全員が最後の力になるなど、チームとして勝ったと思います」
こう語った崎濱を中心に3年生が素晴らしい仕事をしたことも、2年生が主力の福岡大附属大濠との違いとなり、63対53のスコアで勝利。前半で見せた厳しいディフェンスで試合を支配した福岡第一が、4年ぶり5度目の頂点に立った。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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