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【福岡大学附属大濠高等学校】ベンチ陣のステップアップなど選手層の厚さを見せての勝利で2年ぶりの決勝進出 | 高校バスケ ウインターカップ2023
ウインターカップコラム by 青木 崇渡邊伶音(福岡大学附属大濠高等学校)
準々決勝までの4試合と違い、福岡大附属大濠は1Q序盤で上々のスタートを切った。アグレッシブに得点を狙いにいった高田将吾が2本のショットと1本のアシストを決めるなど、6分53秒で9対2とリードを奪った。
インサイドの核である渡邊伶音がペイント内でのフィニッシュとフリースローがなかなか決まらず、広瀬孝一はファウルトラブルに陥った。土浦日本大はインターハイ王者の日本航空を倒す要因となった3Pで反撃を開始。北條勇吹が1Qで2本、松代大輝も2Q8分22秒に決めて4点のリードを奪った。
しかし、この日の福岡大附属大濠はベンチから出てきた選手がいいタイミングでステップアップする。高田の3Pプレーで21対20と逆転した直後に出てきた見竹怜は、「今まであまり活躍できなくて、3年生最後の大会という試合、準決勝でいいプレーができたことをうれしく思います」と語ったように、4分37秒から一人で4本のショットを決めて8点を奪った。片峯聡太コーチは2Qでリードを広げた時間帯をこのように振り返る。
「なんかタフにやるというのをオフェンスの方では身体をぶつけてということをやるばかりで、自分たちで消耗するような感じでした。外からポンポンを打つのではなく、ペイントに切って行く、ペリメターの選手たちがセミサークルを目掛けて強くやる。そこの合わせで伶音、リバウンドで孝一とかというところで繋がりを持っていこうとタイムアウトで話しました。それをしっかり遂行してくれたのが見竹ですね」
ディフェンスでも土浦日本大のオフェンスをスローダウンさせることに成功し、松代の3Pを最高に1本もフィールドゴールを許さなかったことによって、福岡大附属大濠は33対22とリードを2ケタに乗せてハーフタイムを迎えることができた。
湧川は8分の0と3Pショットに当たりが出なかったものの、後半になってペイント内に攻めた渡邊のフィニッシュは精度を上げ、終わってみればチーム最多の22点を記録。高さとフィジカルで上回ることを最大限活かしていてプレーしていたことは、14リバウンドを記録していたことでも明らかだ。
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【ハイライト】土浦日本大学高等学校(茨城) vs. 福岡大学附属大濠高等学校(福岡)|高校バスケ ウインターカップ2023 男子準決勝 メインコート(12月28日)
「最初から(インサイドで)バチバチやっていて、自分ももちろんやれば体力が消耗してくるんですけど、その分(試合を)繋ぐのところで怜、将吾、裕斗、3年生の機動力があるメンバーがすごい頑張ってくれたので、自分はそこで体力を回復できました。だから、3Qも4Qもポストでプレーし続けられたと思います」(渡邊伶音)
3Q1分47秒に3点差まで詰め寄られるシーンもあったが、渡邊のインサイドと三輪大和がドライブからフィニッシュして突き放すことに成功。4Qも渡邊と高田の2年生コンビで得点を重ね、7分5秒には4ファウルとなっていた広瀬に代わってプレーしていた鈴木凰雅がこの試合2本目となる3Pを決めたことで、福岡大附属大濠のリードは14点まで広がった。
試合開始から貪欲に得点を奪いにいった高田は、2Pを10分の7というで高確率決めるなど18点を記録。「自分の中ではずっと調子が上がっていなくて、昨日と今日で上がってきた感じです。外からのシュートや伶音に頼りすぎていたというところで、ペイントタッチがないということで、ペリメターの選手がもっと行くというところで、怜と自分がペイントに強く入っていったのがよかったと思います」と、準決勝で持ち味を発揮できたことに手応えを感じていた。
その後は土浦日本大のプレッシャーにしっかり対応してミスを限定させ、時間をかけてオフェンスを遂行した福岡大附属大濠は、堅実なディフェンスを最後まで継続し、71対57のスコアで快勝した。2年ぶりの頂点まであと1勝に迫ったが、決勝の相手は藤枝明誠を圧倒したライバル、福岡第一。4年ぶりの福岡対決は、ウインターカップの歴史に残るような壮絶な一戦になりそうだ。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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