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バスケット ボール コラム 2023年2月10日

三谷桂司朗(筑波大学3年、広島ドラゴンフライズ特別指定選手、191cm/SF/広島皆実高校出身) | 大学バスケインタビュー

バスケットボールレポート by 青木 崇
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三谷桂司朗(筑波大学3年、広島ドラゴンフライズ特別指定選手、191cm/SF/広島皆実高校出身)

三谷桂司朗(筑波大学3年、広島ドラゴンフライズ特別指定選手、191cm/SF/広島皆実高校出身)

2017年の福島インターハイを取材していた時、広島皆実高校の藤井貴康コーチは期待している選手として三谷桂司朗の名前をあげていた。初めてプレーを見た時に機動力とクイックネスを兼備し、オールラウンドなスキルを持っていると実感。2年生の時にNIKEオールアジアキャンプ参加、U18アジア選手権に日本代表として出場したのも決して不思議ではない。筑波大3年生のシーズンが終わった後、広島ドラゴンフライズの特別指定選手として活動している三谷が、2月2日の練習後にJ SPORTSのインタビューに応じてくれた。

Q 地元の広島に戻っての生活はいかがですか?
「今は実家で生活しているんですけど、そこから通えるありがたさとか、地域の人とか友達とかも会えて、懐かしさってのをすごい感じています」

Q まずは筑波大学でのことについて聞きます。個人としてはどんなシーズンでしたか?
「個人としてはやっぱりなかなか結果が出せなくて、試合、リーグ戦とか通しても、何か一つ爆発するような試合が個人的になかった。ずっとコンスタントに試合を行っていたという印象だったので、個人としてはまだまだ納得いくようなものじゃなかったです。インカレも初戦で敗退してしまって、4年生ともっと一緒に戦いたかった気持ちもあったんですけど、その悔しさがすごい大きいので、今は来シーズンに向けてすごい気持ちだったり、バスケットにもしっかり準備していこうというような気持ちでいます」

Q 4位だった春のトーナメント後に開催されたオータムリーグは、2か月ちょっとの期間で26試合という過密日程の中で行われ、15勝11敗で6位という結果に終わりました。留学生がいないとはいえ、サイズもタレントも揃っていると言われたチームが苦しんだ要因はどんなことだと思いますか?
「結構全体的にサイズは大きいんですけど、年々留学生の技術だったり、スキルが上がっていてだんだん止めづらくなっているのもあります。それは僕もそうなんですけど、全員がいい意味でチームの主役になれるんですけど、そこがかえってだれで攻めるべきとか、自分が攻めたいけどチームのために1回止まって周りを活かそうというような考えが逆に空回りしてしまい、うまくかみ合わなかったような印象は自分の中にあります」

Q インカレは中京大学に56対61で競り負けての初戦敗退。三谷選手は14点、7リバウンドと奮闘しましたが、チームとして結果を出せませんでした。うまくいかなかったシーズンを象徴するような試合でしたか?
「そうですね。あの試合がやっぱリーグ戦とかスプリングトーナメントを通してうまくいってなかった部分が改善しきれずに、顕著に出たっていうような試合だったと思います」

Q 大学に入ってから自身がレベルアップしたと感じるところは?
「大学に入ってからコンタクトの部分が自分の中ではレベルアップしているような感覚を掴んでいます。あとはもっとハンドリングやピックを使うスキルとかをもっと身につけていけば、大学は次がラストシーズンですけど、もっと思い切ったプレーができるんじゃないかなと思っています」

Q チームとしてだれもがエースになれるっていうようなことをさっき言っていましたけど、次のシーズンは自分である程度やらなければという感じになりそうですか?
「同期はもちろんそうですけど、後輩のほうにも小川(敦也)だったり、新入生で言ったら星川(開聖:洛南高校、U18日本代表)が得点能力に長けている選手がいるので、自分が常に“自分が!自分が!”となる必要はないと思いますけど、大事な場面とかはもっと貪欲に行くべきところが今シーズンすごく感じました。そこは自分がもうちょっと欲を出して、ちょっとしつこいくらいに行った方がいいのかなと感じているので、気負わずにいいバランスを保ってやっていきたいと思っています」

Q 広島では中村拓人選手がチームメイトですが、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)選手らFIBA U18アジアを一緒に戦った人たちの活躍も目立ち始めています。あのチームでやってよかったと思えることや、彼らの存在が三谷選手にどんなインパクトをもたらしているかと思いますか?
「現段階でBリーグのスタッツとか記録を残すという活躍している選手と一緒に世界大会を戦えたっていうこと、本当に同じ土俵で戦えたっていう経験がずっと生きているなと感じています。同世代だからこそ何かすごいって気持ちもあるんですけど、そこだけじゃなく、自分も負けたくないっていう気持ちもあるので、そこを糧と言いますか、活力に変えながらできていると思います」

Q ウインターカップで母校である広島皆実高校の試合を解説しました。やってみての印象は?
「プロの解説の方がすごいなっていうのは、率直に感じます。試合を見ていて、ただ自分の感想をボソッと言うようなことが多くなってしまいました。そこをうまくバスケットの試合を見ている人たちに今の状況を説明する語彙力だったり、表現の仕方が僕はまだまだバスケットしかやってこなかったんだなと感じました」

Q 高校時代のコーチである藤井貴康先生から学べたことや印象に残っていることは?
「藤井先生はバスケットの技術よりも、人間性の方を構築してくださったという風に僕の中で感じています。高校3年間で自分ももちろんそうですけど、周りの同期たちも後輩とかも何で叱られるかと言えば、やっぱり人間性の駄目なところがプレーに出たとき、そこを結構しつこく言われてきました。人間性ができてなければ、バスケットもそもそも上手くならないというようなスタンスだったので、本当にバスケットボール選手である前に一人間として、ちゃんとあるべき姿というのを作り出してくれた方だと思っています」

Q 特別指定選手として広島ドラゴンフライズでやろうと思った理由は?
「やっぱり地元でもありますし、高校3年生の時に一度経験させていただいて、そのときからチームの雰囲気がいいっていうのも知っていました。そのときはB2でしたけど、今はB1のトップを争うチームということで、そこでも変わっているところがあると思います。僕が大学を卒業した後にプロになるという夢を叶えるためにも、B1でトップチームの雰囲気を知るというのは最高な環境だと思ったので、(広島を)選びました」

Q 年末からチームに合流しましたが、一番刺激を受けていること、何かありますか?
「一番刺激を受けていることは、練習中からなんですけど、やっぱりプレーの質が本当に高くて、大学での今までだったら、練習の初めとかまだ気持ちが入り切ってないとか簡単なミスとか起きてしまっても、周りはあまり問い詰めないような空気感だったんです。でも、プロはやっぱり練習の始めからしっかり集中、完全に100%集中した状態で入って、イージーなミスやコミュニケーションミスが起きないっていうような空気作りを徹底されていたので、そこが一番の衝撃を受けました」

Q 広島にはJ SPORTSでの人気コーナーである「辻な音」の辻直人選手がいます。練習でマッチアップすることもあったりすると思いますが、彼と一緒にやることのメリットはどんなことですか?
「辻さんはシュートはもちろん、本当にBリーグ屈指のシューターだと思うんですけど、それ以外にもピックの使い方が本当にうまくて、細かいステップだったり、フェイントを何個も入れています。そこは見るよりもマッチアップした方がすごく感じますし、オフボールの動き方だったり、ボールミートの真似とか、マッチアップしてみて“こんなフェイント入れたんだ”とか、そういうのをすごい感じることができるので、本当に学びが多いです」

Q 広島では外国籍選手とのコミュニケーションがあると思いますが、彼らとの関係性や一緒にやることに関しての印象が何かありますか?
「始めはうまくコミュニケーションとれるか心配だったんですけど、やっぱ本当に皆さんすごく優しいです。僕は全然英語ができないんですけど、僕なりに伝えたいことをこう伝えてみたら、一生懸命に理解してくださった。日本語と英語を織り交ぜながらのコミュニケーションなんですけど、話しかけてよかったって思えるような返答をいつもしてくれるので、コミュニケーション取るのが楽しいですね」

Q プレースタイルからすれば、ドウェイン・エバンスと話すことが多いのですか?
「本当に同じぐらいですかね、3人とも。ドウェインさんも同じくらいですね」

Q 元旦の仙台89ers戦でB1デビューを果たし、初得点も決めました。その試合で感じたことは?
「初めはすごい緊張したんですけど、ベンチにいるときが一番緊張していました。いざコートに立ったら、緊張よりもやっぱ集中のほうが勝ってあまり緊張しなかったんです。レイアップは左ドライブのフィニッシュで、多分高校3年生のときだったらあそこはフィニッシュまで行けなかったと自分の中で感じているので、そこは一歩ずつレベルアップできているんだなと実感しました」

Q これこそB1だと思えたこととかありますか?
「何て言うんすかね…、プレー中の優先順位の判断が本当に早くて、自分が打てるかもしれないけど、やっぱりインサイドのミスマッチをしつこく狙ったり、逆にそこからのズレでクローズアウトをうまく作ったりっていうような優先順位の付け方がすごいうまいです。プレーで一つミスするとそこからどんどんズレていく印象だったので、そこはB1のレベルの高さを感じました」

Q 実際にプレーする機会は多くないですけど、1月29日の宇都宮ブレックス戦では2Qと3Qで出場機会を得ました。フレックスアリーナ宇都宮の雰囲気は映像で知っていたと思いますが、実際にプレーしてみてどんな印象を持ちましたか?
「あの会場に満席ぐらい本当にお客さんが入っていて、何かブレックスとブースターの人の一体感をすごいです。試合開始する前から試合中も、ブレックスが宇都宮に強く根付いているのをすごく感じました。マッチアップは比江島(慎)さんだったんですけど、マッチアップしていて何をしてくるか本当にわからない。すごい怖くて、何をされるのか…。そういうのを感じたのは初めてだったので、自分の中ではすごく記憶に残っています。あのシーンは…」

Q 近い将来プロ選手としてのキャリアを歩むわけですが、どんな選手になりたいとイメージして日々を過ごしていますか?
「Bリーグで得点をどんどん取っていくには、インサイドの外国籍選手の高さだったり、幅とか、そういったのを上回ってフィニッシュに行かないといけないと感じています。それこそ、この間の宇都宮戦でマッチアップさせていただいた比江島さんとか、どんなきついマークがついてても得点まで繋げていくので、そういったところではやっぱり比江島さんと実際マッチアップしてみて感じたというのもあります。比江島さんとか、大学の先輩だった二上耀さんさんも本当にボールマンピックの使い方が本当に上手で、そういったところを真似しながら、そういう選手にもならないといけないなと自分で感じています」

Q 広島と筑波大のファンに向けて伝えたいことがあれば、ぜひお願いします?
「広島ファンの方にはちょっと特別指定の機会をいただいたことに本当に感謝していますし、残りの期間は少ないですけど、出場できる機会があれば、僕も全力出してもっと成長した姿をお見せできるように頑張ります。筑波大学のファンの方には、この経験で自分が少しの成長した姿をまた戻って見せられるように、残りの期間を全力で頑張るので、引き続き応援のほどよろしくお願いします」

Q この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「ちょっと僕、本当についこの間までちょっと胃腸炎になってしまっていて、宇都宮戦が終わった後に胃腸炎になっちゃって、家にいたんです。今日が練習再開だったので、3日ぶりにバスケットしてみて本当にバスケット楽しいなという風に感じたので、それが幸せなことです。バスケットができることは幸せなことです」

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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